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AIに支配された崩壊世界で、時間を操る少女は全てを壊す  作者: MONO
第1章 「崩壊世界に刻まれた時間」
2/7

第2話「触れたら終わり」

 挿絵(By みてみん)

(※敵の爆弾化シーンそのまま再現)

 ――その女は、あまりにも静かだった。

 爆音が遅れて、廃墟に響き渡る。

 アンドロイドは跡形もなく消えていた。


「……えぐ」


その光景を見ていた少女が、小さく呟く。

金髪の少女――サーシャ。


「今の……なに?」


 サーシャは理解が追いつかない。 殴ってもいない。撃ってもいない。

ただ触れただけで、消えた。


ありえない。


「はじめまして」


背後から、声がし、サーシャが振り向く。


そこにいたのは――

さっきの女だった。


長い編み込みの髪。

サングラス越しでも分かる、異質な気配。


「……あんた、今の」


「見てたの?」


マルレインは、少しだけ首を傾ける。

まるで雑談でもするように。

「別に隠すつもりもないけど」

そう言って、軽く手を上げる。


その指先には何もない。


なのに――


サーシャは、本能的に距離を取った。

「……近づくな」


「あら」

マルレインは、くすりと笑う。

「勘がいいのね」


その一言で、確信する。

こいつは――危険だと。


「安心して」

マルレインは、ゆっくりと歩み寄る。

足音すら静かに。


「あなたを壊すつもりはないわ」


「“今は”だろ」


「ええ、今は」


あっさりと認めるその軽さが、逆に怖い。


「……何者だよ」

サーシャが睨む。


マルレインは少しだけ考え――


「同じ側よ」っと、そう答えた。


「少なくとも、あなたとは」

「……信用できねぇ」

「しなくていいわ」


マルレインの返事は即答だった。


「その方が、生き残れるもの」


 その言葉に、背筋が冷える。

こいつは 敵じゃない。


でも――

 安心できる存在でもない。


「……名前は?」


「マルレイン」

彼女は微笑む。


「あなたは?」

「サーシャ」


短く答える。


「そう」


マルレインは一歩近づき――そこで止まった。


絶妙な距離で。


「よろしくね」


その言葉は、柔らかい。

けれど――その手が届く距離に入れば、終わる。


 サーシャは、それを理解していた。


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