赤土の墓地で・・
大海原に航海に出た者達は、
貧しさの中、
この痛みの地上で
荒波に呑まれ、死んでいく。
ああ、量産的な緑の蠅の止まる
無感情な正確性・・
ニシイワシの死臭・・
それを奏でるファド・・
砂に塗れた十字架に、
朽ちたキタラ・バテンテが括り付けられ、
死んだ現実の墓標となっている・・
神は、我々を
無機な世界に放り込み、閑却する。
石が積まれ、命が屠られ、
救いが与えられない
固い固い大理石の死の世界で、
我らは固着し、硬直していく。
「恐れるな・・
人間を漁る漁師にしてやろう・・」
NOLI TIMERE:
EX HOC JAM HOMINES ERIS CAPIENS.
そんな中、
確かに我らは
存在しない者の声を聞き、
起こらない出来事の影を見たのだ!!
この冷たい無機の地上で!!
王国の愛の片鱗を見た!!
慈悲よ在れ!!
慈悲よ在れ!!
まるで死骸の様な
遺棄されたこの赤土の墓地で・・