表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

8/17

第8話 増量期は楽しい

 増量期を始めて、2か月が経った。体重は3kg増えた。自分でも鏡を見て筋肉がついたことがはっきりとわかる。


半袖の時期だからか、友人たちからも筋肉がついたと言われることが増えてきた。筋肉がアピールできる服を着たくなってくる。


 増量期は楽しい。本当に楽しい。なぜなら筋トレの記録がみるみる増えるからだ。ベンチプレスは95kgまで挙がるようになった。最初は70kgだったから+25kg伸びたことになる。


「ベンチプレス100kgまでもうすぐだな。人類の1%ぐらいしか挙げられないってさ。半年以内で達成できたら、相当才能があるよ」


 僕と駿は、いつものようにジムの休憩エリアで話していた。ガチムチな駿はウォーミングアップで100kg挙げられそうなぐらいの筋肉を持っている。それでも駿は僕を褒めてくれた。


 ふと、休憩エリアにあったボディビル雑誌が目に入った。


「ボディビルの優勝者はどのぐらいの重量挙げられるの?」


 僕は駿に問いかける。このまま成長すれば、ボディビルでも通用するんじゃないかと思ってきていたからだ。


「200kg超えてるな」


「200kg!?」


 僕の考えは甘かった。まだ100kgにも届いていないのに。


「ベンチプレス競技じゃないから、重量がすべてじゃないけど、大胸筋は大事だからな。上位陣は当然のようにベンチも強いよ」


「僕はまだまだなんだね…駿が数年かかるって言ったことがわかってきたよ…」


 このジムにいる野生のガチムチたちも、長い年月をかけて仕上がってきたんだな。彼らを見る目が尊敬に変わってくる。


「涼のペースなら、あと1-2年あれば大会でもいいところ狙えるんじゃないかな。まだ上を見て悲観的になるタイミングじゃない」


「そうだね…まだ3ヶ月だ。がんばるよ。ありがとう」


 今の僕だと、大会どころか同じジムのガチムチにすら負ける。世の中こんなにガチムチが多いことが信じられないけど、彼らに負けない筋肉をつけないと。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ