あさぎいろ
私は息をすう。そらいろの空気を、からだじゅうに行きわたらせて。
ああ、葉っぱがみどりくって、いやになっちゃうの。
どうしたって木漏れ日は、あたたかなあさぎいろ。
私はかけっこする。流れていく雲を瞳の奥に置いてはいけないけれど。
ああ、海がみどりくって、いやになっちゃうの。
潮の匂いも夏になりすぎて、くらくら心地がいい。
私はお星さまをむすぶ。頭のてっぺんから足のさきっぽまで、もうからからだ。
ああ、夜がみどりくって、もどかしくなっちゃうの。
涙はしゃぼん玉になって、空からマシュマロがおちてくるの。
つたは絡みあって、たねがはじける。ねぼすけさんも、歌いだす。
おぼえているよ、ラムネの音を。すきとおったガラスの味を。
だって、おやこぐまはいつも一緒だから。何度だってまわりつづける。
森のなかだって、海のそこだって、夜のあとだって、空のはてだって。
ぜんぶぜんぶ、ほんとうは同じなんだって。
だからきっと大丈夫。私がオレンジで一杯になっても。
ながめてる、空はすかっとあさぎいろ。