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作者: 一乗寺 遥

鏡のなかをじっとみてはいけません たいへんなことになるかも

とても嫌な感じがする



誰かに

じっと見られているような

そんな気がしてならない

それもすぐ近くから



そんなことあるわけない


私は今 洗面台の前に立ち

私の顔を見ている

私の後ろも見ている

私が私を見ているだけだ

誰が私を見ているというのか



気のせいだな

そうつぶやいて

鏡の前を離れる



でも

また嫌な感じがした

気になったので振り返る



鏡には振り返る私が写っていた

なんでもないよな つぶやく私

鏡の中の私も口を開き 

つぶやいている



鏡の前を今度こそ離れようとするが

また 見られているような気がする



振り返ると自分が見ている 



なにもおかしくはない 

だけど この嫌な感じはなんだ



変なことを思いついた

フェイントをかけてみようか

テレビ番組の怖い話でもあるまいし

などと考えながら



ゆっくりと振り返り

すぐ前を向いて

もう一度 

ぱっと 素早く振り返った



「あっ」



両手をべっとりと鏡に広げ

吸い付くようにこっちを見ている私がいた



鏡の向こうの私が驚いている



おいおい驚くのは私のほうだ

どっちも私だけど 


そう思ったら

なんだかおかしくなって 

笑いたくなった



笑いながら鏡に近づくと 

向こうの私が突然両手を広げた 

なにかをつまんで、閉じるしぐさをする



「ばたん!」 



途端に目の前が真っ暗になった



あーびっくりした 私の声だけが聞こえた


 

それきりだ

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