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後輩に恋した私  作者: 楓璃音葉
5/5

休日

家に帰った私は描き途中の絵を仕上げてピクシルに投稿した。

するとすぐに、MIZUさんからいいねが来た。

いいねと一緒に新しい絵が投稿された。

私もすぐにいいねを返した。

 もし、陽菜が私の告白を断ったとしてもMIZUさんのファンだということは変わらない。と、思いたいが、実際どうなるか想像つかない。次陽菜と会うのは来週の月曜日

土日は陽菜の事で頭がいっぱいになる。土日は気を紛らわすために絵を描こう。

 スケッチブックを開いて、ラフ画を描きペン入れを始めた。図書室で本を開く女の子、それを少し遠くから見る女の子。本好きな彼女に片思いしているような感じ。線画の時点でとても可愛い!尊い!いつものイラストより良いような気がした。

色塗りも順調に進んだ。今回はいつもとは違うペンではなく色鉛筆で塗ってみた。

 そして何とか一枚描き終わった。色鉛筆だと温かみが出るから好き。

その後は、気分転換に気になっていたアニメを見始めた。日常アニメは私のお気に入りのジャンル。

日曜日は、新しく線画を描き始めた。

線画を描き終わったら部活で使う画材を買いに行った。

画材はいつも電車に乗って買いに行く。近くに文房具店はあるが、品揃えが少ないのであまり行かない。

電車に乗った私は、何気なくピクシルを開いた。画面には私の絵とMIZUさんの絵が並んでいた。本を開く女の子と絵を描く女の子二つの絵が私には一つの絵に見えた。

私はその画面をスクリーンショットしてアルバムに保存した。

 駅に着くと私は、文具店に行く前に、ある匂いにつられて気づいたら列に並んでいた。

その匂いの正体はクロワッサンの専門店だった。甘いシロップの匂いだけでも中毒性がある。

 私のお気に入りは、プレーンとさつまいも。他にはチョコ、オレンジ、めんたいこなどがある。お気に入りの2つを買って、近くの公園で食べることにした。ほんのり温かく、外はカリッと、中はもちっとしていてとてもおいしい。

腹ごしらえを済ませ、本題の文具店に向かう。駅中にあるためとても便利だ。

まずは、スケッチブックを2冊。次は絵具、プライベートで使うことはないけれど部活や学校行事で使うことが多い。使う用途としては、ポスターなどの大きい絵を描く時に使う。

使っているのはポスターカラーという種類だ。とても発色がよく使いやすい。

水彩絵の具も持っているが、上手く使いこなせなかった。陽菜の水彩画はとてもきれいで私はとても好きだ。

次は、一番お金がかかるかもしれないペンだ。

 ペンは、画材の中で一番お金を使うものかもしれない。

まずはミリペン。細かい所を描いたりする時には欠かせない。主に、05,03、01の太さを使うことが多い。他には、アルコールマーカー。色の種類が多く絵を描く人はほとんど持っているのでは無いかと思っている。製品はとてもいいが、一本300円ととても高価である。

 その後は、他のコーナーを見て回った。

金額は合計2万円ほどになってしまったが、高価な物ばかりだからしょうがない。

 買い物を終え近くの喫茶店で休憩することにした。案内されたのは、窓際の景色がとてもいい席だった。あまりお腹が空いていないのでチーズケーキとミルクティーを注文した。

チーズケーキは、このお店の人気メニューでしっとりとした生地がとても病みつきになってしまう。それと甘さ控えめなミルクティーとの相性抜群!

 カフェで休憩した後、駅に戻りホームで帰りの電車を待った。

ふと向かい側のホームを見ると、陽菜の姿があった。隣には、クラスメイトなのかわからないがとても親しそうにしていた。

それに、かわいい陽菜には甘い服が似合う。ぼーっと見ていると電車が来てしまった。

一つ気になったのは、陽菜がいつもとはの方向の電車に乗っていったことだ。

でも深く考えた所で解決はしないだろう。


 家に帰って早速買った画材でイラストを描き始めた。まずは鉛筆でラフを描いてその後ミリペンで線画を描く。やっぱり新しい画材だと普段より良いイラストが描ける気がする。今日は、絵を描く少女をモチーフにして描くことにした。いつも描く女の子より少し幼く可愛らしいイラストにした。

色は水性ペンで塗った。少し淡い色にして、あたたかな雰囲気になった。描き終わってピクシルに投稿しようと思ったけれど、なぜか気が進まなかった。

その日は、学校の準備を済ませ眠りについた。

 私は、いつも通り登校をした。教室には鍵がかかっていたから、職員室に取りに行った。教室に戻る途中階段で陽菜と出くわした。お互い一瞬足が止まった。

 その後、いつも通り自分の席でイラストを描いていた。

でもなんだかいつもと違う朝のような気がした。



 金曜日の放課後、私は先輩に告白された。すぐに返事は返さなかった。私自身もわからない。

明日は、予定があったので支度を済ませ早めにベッドに入った。 

 6時の目覚ましで起き、この日のために買ったリボンワンピースを着て家を出た。

今日は、幼稚園からの幼馴染と水族館に行く約束をしていた。集合は駅前に9時、集合場所に着くのは7時ごろだろう。それまで何をするかと言うと近くのカフェでモーニングを食べると計画していた。朝に弱い私にとってこのような時にしかモーニングを食べる機会がない。店の前にはすでに行列ができていた。開店3分前ちょうどいい時間に着いた。待ち時間は、ピクシルを見ながら時間をつぶした。

 順番が回ってきて案内された席は窓際の景色のいい席だった。このお店の人気メニューはチーズケーキ。私も好きだが、今日はモーニング、小倉トーストとホットココアを注文した。

トーストした黄金色のパンにバターを塗る。そしてたっぷりのあんこを乗せて一口かじる。口の中にしっとりとしたバター、それにあんこの甘さが口いっぱいに広がる罪深い味。

 優雅なモーニングを堪能していると、待ち合わせの時間が近づいていた。集合場所に行くと幼馴染はすでについていた。

「ごめんお待たせ」

「陽菜おはよう。リボン曲がってるよ、直していい?」

「うんっ、練習しても上手く出来なくて」

幼馴染とは幼稚園からの仲で、詩音と言う。

「じゃあ、行こっか」

「うん!」

改札を通って普段使わない7番乗り場。

「水族館楽しみだね」

「え!うん、そうだね」

「詩音なんか緊張してる?」

「え、そんなことないよ」

「そっか」

階段を登って行くと淡水魚コーナー。そこには、小さな川があってまるで森の中にいるようだ。

その奥には、大水槽。 1階から2階まで突き抜けているのはとても迫力がある。

「すごく大きいね!詩音」

「そうだね~」

私は、水槽を眺めながら魚になりたいと思った。ゆらゆらと泳ぐ綺麗な魚。きらきらと輝きながら泳ぐ魚。多分私は輝きたいのだろうと思った。ゆかり先輩と一緒に居る私は輝いているのだろうか。もし、輝いているのなら私は,,,,。

「陽菜!イルカショー始まっちゃうよ!」

私は時計を見た。

「ほんとだ!急がないと!」

「いくよ!」

詩音は私の手を引いてショープールに向かった。

その時私は、昔の事を思い出していた。一人では何もできなかった私のそばにはいつも詩音がいた。勉強を教えてもらったり、どこへ行くにもいつも手を引いてくれた。

「そんなに急がなくてもいいんじゃない?」

「そうかもしれないけど最初から見たいの」

前のほうの席は空いてなかったけれど何とか間に合った。

 イルカショーの後、レストランでお昼ご飯を食べることにした。

「私は、オムライスにするけど詩音は何にするの?」

「自分はハンバーグプレートにしようかな~」

「いいね!ハンバーグ!」

席は、イルカの水槽の真横!

イルカがゆったりと泳いでいるのを見ながらランチができるのはここだけだろう。私は、イルカに見とれていた。

「陽菜見て!ハンバーグおいしそうだよ!」

「そうだね」

詩音は、イルカよりハンバーグプレートに目を輝かせていた。

 ランチも済ませ次に向かうのはお土産コーナー。

お土産コーナーには、お菓子や文房具、キーホルダーなど種類が多い。

自分用のはもちろんだが、先輩の分も買ったほうがいいのか悩んだ。詩音は一人でルカのぬいぐるみの前で真剣に悩んでいた。

 「よし!ゆかり先輩にもお土産買っていこう!」

と言っても何がいいんだろうか。お菓子?文房具?キーホルダー?考えれば考えるほどドツボにはまっているような気がした。

「陽菜~お土産決まった?」

「えっ!あ、うん」

「キーホルダーとお菓子いいね!」

「うん、、」

「キーホルダーは誰かとおそろいなの?」

「あっ、うん、」

「そっか、そしたら自分達もおそろいでキーホルダー買おうよ」

「そうだね!」

私たちはおそろいでキーホルダーを買った。どうやら詩音には私が買ったキーホルダーは先輩とおそろいとはきづいてない。

 楽しい時間もあっという間で外は夕焼けが射して水平線に太陽が半分沈んでいた。

「陽菜夕陽、奇麗だね」

「そうだね」

「ねえ!写真撮ろ!」

「うん!」

夕陽を背景にしたツーショット。

その場所で私は詩音にあることを話した。

「詩音に話したいことがあって,,,」

「なに?話したいことって」

「実は私同性の先輩に告白されたの」

「えっ!そうなんだ!良かったね!」

「うん、ありがとう」


私は先輩に返事を返していない。詩音に話したからといっても変化はないような気がする。

 でも、次の部活で会った時、、、


私の思いを伝える決心がついた。


帰りの電車は寂しさと不安だった。



 月曜日私はいつもより早く家を出た。私自身もよくわからない。もしかしたら、先輩に会えるかもしれないという感情になっていた。

 教室には鍵がかかっていた。

「職員室に取りに行かないと」

私は中央階段を下りていった。階段の中間あたりで時が止まった。

ゆかり先輩と階段で出くわしてしまった。

「お、おはようございます」

「おはよう、、、」

その時は挨拶だけで終わった。











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