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後輩に恋した私  作者: 楓璃音葉
2/5

活動が始まります!

「先輩お疲れ様です」

「陽菜お疲れ様」

「先輩!私決めました」

「ん、えっ、何を決めたの」

「それはもちろんデッサンする場所ですよ」

「デッサンの場所ね」

私は一瞬何故かドキッとした。

「それで、どこをデッサンするの」

「第2図書室です」

「良いね!第2図書室」

二人はデッサンに必要な道具を準備して向かった。

私は、デッサンの道具の他にカメラと部活以外の絵を描くスケッチブックをもって行く。

「先輩カメラ持って行くんですか?」

「うん、景色を描いたりする時は写真を撮っていたら景色が変わっても参考になるでしょ」

「確かにそうですね、私も写真撮るようにします」

 図書室に着いてドアを開けようとすると、鍵がかかっていた。

「あれ、今日は鍵かかっていますね」

「そうね、職員室に取り行きましょう」

あまり時間もないので急いで鍵を取りにいった。

「失礼します。美術部の中原です第2図書室の鍵を借りに来ました」

鍵が置いてある棚に行くと、第2図書室の鍵は見当たらなかった。

他の棚も探してみるけど見当たらない。

 すると、後ろから先生に声をかけられた。

「どこの鍵を探しているの」

「第2図書室の鍵です」

「第2図書室の鍵は丸山先生が持っているから図書館に行ってみたっらいいよ」

「わかりました!ありがとうございます」

私達は丸山先生の所に行った。

「丸山先生図書室の鍵を貸していただけませんか?」

「図書室で何をするの?」

「美術部で校内デッサンがあって私達は第2図書室にしようと思って」

「毎年恒例のデッサンね。でも、図書室生徒さんだけで使用できないの」

「そうなんですか……」

「そしたら誰か先生に頼まないといけませんね」

「でも、信用できる中原さんがいるなら鍵を貸してあげます」

「本当ですか!ありがとうございます」

丸山先生から鍵を借りて図書室に戻った。

「鍵借りられて良かったですね」

 図書室に入ってまずすることはデッサンの場所を決める。

図書室内のどこをデッサンするかそれが一番重要だ。

「陽菜、描く場所決まった?」

「はい、窓際の棚を描きます」

「窓際いいね!」

窓からの日が直接当たり本輝いて見える。

私は、持ってきたカメラを構えてシャッターを切った。

撮った写真は描きたい景色では無く外を眺める陽菜の姿だった。

陽菜の写真を見て一人ニヤニヤしていた。

「先輩」

「あ、うん、どうした?」

「ここからの眺めもいいですね」

「そうだね」

陽菜には写真を撮った事は気づかれていないようだ。

「よし、描き始めよっか」

 さっそくカルトンに画用紙を乗せ最初は構図を薄く描き全体の目安を決めてその後は陰になる所を描く。

私は陽菜の後ろでデッサンを始めた。陽菜の後ろ姿を拝みながらデッサンができるのはすごく幸せだ。

陽菜はデッサンに夢中だった。

 少し時間が経って私は、陽菜の様子が気になっていると目が合ってしまった。

「先輩どうしたんですか?」

「ちゃんと描いているか気になっただけ」

「先輩が心配しなくてもちゃんと描いていますよ。先輩はどうですか?」

「私もちゃんと描いているよ」

話をしていると廊下から足音が聞こえてきた。足音はだんだん大きくなってピタリと止まった。

「中原さん」

「はい!」

「先生もう帰るからここ閉めてもいいかな」

「わかりました、いま片づけます」

急いで片づけをして図書室を出た。

 その後私達は部室に戻った。ドアは開いていたが誰もいなかった。

「誰もいませんね」

「そうね、まだ戻ってきてないようね」

部活終了時間まであと15分終礼があるから帰ることができないしこれといってする事もない。

「あ、先輩!おすすめのマンガ持ってきましたよ」

そう言うと陽菜はカバンの中から紙袋を取り出した。紙袋はリボンで飾り付けがされていた。

「とりあえず3冊入れておきました」

「ありがとう、よく先生に見つからなかったね」

「今回は大丈夫でしたがもしものためにリボンを付けてプレゼントみたいにしておきました」

「確かにこれなら何が入っているかわからないね」

私は、陽菜から借りたマンガをカバンにしまった。

「先輩今日も一緒に帰りませんか?」

「え、良いの?」

「はい!もちろん!先輩と一緒に帰ると楽しいですから」

一緒に帰ることが楽しいその一言だけでもとても嬉しかった。

 部活の終礼も終わり二人で下校した。

「先輩はスケッチブックに何を描いているんですか?」

「風景とかも描くけどイラストが多いかな」

「そうなんですか!先輩のイラスト見てみたいです!」

「え、いや……そんなに上手くないから見せられないよ」

「そうですか……じゃあ先輩が上手くなったら見せてください」

「うん、分かった」

見せられない理由はそれとは別にある。私が描いているイラストの多くは女の子が多い。

それだけなら見せる事もできるが、女子同士の恋愛をモチーフにしたイラストが描かれているページもある。そんなイラストを陽菜に見せたら嫌われてしまうかもしれない。

今回は見られずに済んだがいずれ見せることにはなるだろと思った。

「陽菜は部活以外で絵は描くの?」

「はい!私はタブレットを使ってイラストを描いています」

「タブレットいいなぁ私も欲しいけどお金が無いから買えなくて」

「確かに値段が高いなかなか手が出せないですよね」

「陽菜は自分で買ったの?」

「高校の入学式祝いで買ってくれました」

「そうなんだ、そしたら頑張って描かないといけないね」

「そうですね!頑張ります」

陽菜が私のイラストを見たい気持ちと同じくらい私も陽菜のイラストを見たくなった。

「先輩私こっちなのでまた明日」

「うん、じゃあね」

「マンガ読んだら感想聞かせてください!」

「うん、分かった!」

 家に帰ってさっそく陽菜から借りたマンガを読み始めた。

内容は、学校帰りの男の子が交通事故に遭って異世界へ連れて行かれる話だった。

でも、大まかなストーリーはいつも見ている日時系マンガと変わらなかった。

夢中になって読んでいたからなのあっという間に3冊読み終わってしまった。

 翌朝いつも通り一人で登校していると後ろから声をかけられた。

「先輩!おはようございます」

「あ、陽菜おはよう」

「先輩マンガ読みました?」

「読んだよすごく面白かった!」

「気にってもらえてよかったです」

「部活の時に返していいかな?」

「良いですよ」

「先輩は昼休み空いていますか?」

「うん、特に予定は無いけど」

「そしたら一緒にご飯食べませんか?」

「良いよ!」

「それじゃあ食堂に集合しましょう」

「うん、分かった」

今日は部活の前に陽菜と会うことができる!

午前中の授業わきついけれど今日は頑張れそうだ。

 午前の授業が終わり私はすぐにお弁当を持って食堂に向かった。

食堂にはもうすでに陽菜の姿があった。

「陽菜来るの早かったね」

「前の時間の授業が家庭科だったので」

家庭科室から食堂までは階段を降りてすぐのとこにある。

「なるほど、それで早かったのか」

それから2人はご飯を食べながらマンガの話をした。

陽菜と共通の話題で盛り上がるのは私にとってとても幸せだった。

楽しく話していると昼休みの終わりのチャイムが鳴った。

「教室戻らないといけませんね」

「そうね、まだ話したかったのに」

「また部活の時話しましょう」

「そうね」

そう言って2人は教室に戻った。

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