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復讐の狂鬼  作者: 赤岩実
最後の闘い
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 22時、都内の渋滞の影響もなくパトカーの職務質問に会うこともなく豊洲から有明へ抜けて暁ふ頭公園付近に到着して車を停めると、途中でトランクから移しておいた紙袋から赤外線機能の付いた双眼鏡を取り出し照準を合わせて成川組の奴らがフェリーターミナルに先着して待ち伏せしていないかを確認する。

 ターミナル付近にはそれらしき車や人影はなく、停まっているのはコンテナが載せられたままのトレーラーの後部車両だけで、成川組の者たちも飯田や山形もまだ来ていないようだ。

 雄治は車を出して有明埠頭橋を渡って有明フェリーターミナルの手前の暗がりに再度車を停めて後部座席に移ると、ミリタリーグッズショップで買っておいた迷彩柄の服と半長靴に着替えてアタッシュケースから全ての荷物を取り出し、携帯電話を使ってパソコンを接続してメールを確認した、情報提供者からは何も来ていない。

 上野のサウナで合わせておいた腕時計に目をやり、まだ1時間以上もあることを確認してから銃の入っていないホルスターをベルトに通した、銃に入っている弾倉を一度抜いて弾数を再確認して戻してからサイレンサーをはずし、スライドは引かず弾を薬室にセットせずホルスターに入れた。

 予備弾倉にも全て補弾されていることを確認し、弾倉帯としても使用できるようになっていると思って購入したベルトに全て挟んだ、まだ100発以上残っている弾は手荷物を無くすため全て箱から出して上着とズボンの両太腿の外側にあるポケットに全て詰め込んだ。

 最後に財布から写真を取り出した、恭子が写っている写真はほとんど恭子の両親に渡したが、たった1枚だけ、以前、恭子の誕生日にプレゼントを渡したときに最高の笑顔を返してくれた時に撮った写真を左胸のポケットに入れて双眼鏡を首から下げ、サイレンサーは右胸のポケットに入れた。

 ここへ来る途中にコンビニエンスストアで買ったパンと缶コーヒー、最後の晩餐になるかもしれないと思いながらも時間に追われるように流し込んでから灯りが外から見えないように気を使ってタバコに火を点けた、これからのことを考えるととても冷静にはなれそうになれなかったが、少しでも気を静めるようにゆっくりと2本を灰にした。

 タバコを吸ったところでこの胸の高鳴りは抑えられないような気がした、でももう戻れないと覚悟を決めると思って開き直って車から降りた、意味はないような気もしたが車の中に残されていた水を手に付けてから灰皿に残っていた灰を手に付けて馴染ませてからその両手で顔に灰を擦り付けた、正直気持ちの良いものではなかったが少しでも闇に紛れるため、そんな気持ちで手に付いた灰を擦り付けると、わずかに残っていた水で手を洗ってズボンで拭った、ペットボトルを車のシートに放り込んで鍵を付けたままドアを閉めると、ホルスターの銃、ベルトの予備弾倉、ポケットの予備の弾に触れて確認してから海沿いの道を闇にまぎれるように約束の場所に向かってゆっくりと歩きはじめた。

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