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復讐の狂鬼  作者: 赤岩実
形勢逆転
60/73

7

 雄治は少し大きな岩場の影に身を隠すと空になった弾倉を素早く交換し、走って近づいてくる男に狙いを定めて引き金を引いた。

 男には当たらなかったが、すぐ近くをかすめたようで男は尻餅をついて震え上がり、他の男たちも木の陰に隠れた、それを見て岩場から勢いよく飛び出すと林の中を回り込むように走り続け、なんとか小屋の裏手に回りこんだ、慎重に周囲を伺い小屋や雄治の車の周辺に誰もいないことを確認すると急いで車に乗り込み急発進させた、幸いにも鍵もそのままだったし車に細工をされたようすもない。

 バックミラー越しに走って追いかけてきた男たちの姿が写った、走り去る車に向かって撃ってきたが車をかすめることもなく、カーブを曲がって見えなくなると男たちは追うのを諦めたようだ。

 雄治は急いで山道を下った、爆発音と銃声を聞けばすぐに通報されて警察が来るに違いない、しかし一番近い村でも20キロ以上も離れた山奥だったために警察の到着にも時間がかかり、雄治は途中からあらかじめ調べておいた林道に入り、山へ向かってくるパトカーとすれ違うことの無いようにして山から離れると、しばらくして遠くにサイレンの音が聞こえてきたが、雄治の車を追ってくるパトカーは1台も無かった。

 林道を抜け東京へ戻るのとは反対方向にある街に入ったが慎重に車を運転した、検問は配備されていなかったが県外ナンバーで怪しまれやすいし、スピード違反などで捕まって車の中を調べられては元も子もないので、幹線道を避けるようにのんびりと車を走らせながらラジオを点けた。

『先ほど、群馬県の山中で銃撃戦があったもようです。現場には数名の遺体と、炎上した車が残されており、現在警察が現場検証を行っているとのことです・・・』

 速報として車が爆発したことは報じられているが、銃撃戦のことや成川組の男たちのことについて詳しくは言っていない、生き残った男たちもなんとか逃げたようだ。

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