6
雄治は隙間から銃の先端を差し出すと慎重に狙いを定めて引き金を引いた、サイレンサーを通した鈍い発射音とともに、金属製のグリルに弾は当たり、跳ね返されたような金属音がする。
「野郎、撃ってきやがった・・・下がれ」
男たちは車の後ろに身を隠す、まだ古河が生きていると思っているのか簡単には撃ってこない。
雄治が2発目を発射すると確実にグリルに当たった感触があったのに弾が跳ね返された、貫通力が凄いなんて嘘じゃないかと落胆した。
今度は男たちも雄治が銃を構えているあたりを目掛けて撃ってきて山の中に銃声が木霊する、これだけの銃声が響けばサイレンサーを付けている意味は無いと思った時、サイレンサーは発射音を殺すとともに弾の威力も殺してしまうのかも知れないと思った、急いでサイレンサーをはずして再び車のフロントグリルを狙って引く金を引くと、今度はうまく貫通して燃料用のホースにでも当たってくれたのか、エンジンの熱でガソリンに引火し大きな爆発音とともにボンネットが跳ね上がり爆発炎上した。
爆発した勢いでラジエータからまだかなり高温と思われる液体も周囲に飛び散り、車に身を隠していた男たちに降りかかったのか、狂気とも思えるような悲鳴と逃げ惑う姿、そして洋服に引火し地面に転げまわる男の姿も見えた。
それを見た雄治はドアを蹴破って飛び出した、2本の予備弾倉を巧みに交換し、それらも全て空になって銃のスライドが開いて止まるまで威嚇射撃をしながら林の中へ走りこんだ。
「追え、追うんだ、逃がすな」
爆発と威嚇射撃のおかけが5、6人ほどの男たちが追ってきたが、林の中へ逃げ込んだ雄治にすぐには追いつくことはできず、雄治は木の間をジグザグに走っているため、男たちが撃ってきても全く当たらない。




