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雄治はリュックサックからペットボトルの水を取り出して一口飲んで大きく息を吐くと、残りの水を古河の頭にかけた、目を覚ました古河はよほど喉が渇いていたのか、頭から流れてくる水を必死に啜っている。
「古河さんよ、あんたの根性は認めるよ、それなら覚悟も出来ているってことだよな?」
その言葉を耳にした途端、古河の顔は青ざめて命乞いをはじめた。
「た、頼む、殺さないでくれ、俺はまだ死にたくない。まだやり残したことも、悦子も・・・」
雄治は呆れた目で古河を見下ろすと、冷たい口調で語りかけた。
「人の女を殺しておいて、自分の女は大切だぁ、ずいぶん勝手な言い草だな」
「頼む、悦子は俺の宝だ、あいつには何もしていないだろうな?」
「宝?お前な、別に俺はお前とそんなことで兄弟になる気はねえよ」
雄治はニヤリと笑って見下すようにして話を続けた。
「俺は母親が死んでからずっと孤独だった、恭子と出会って結婚も決まり、これから2人で幸せになることを夢見ていた、それをお前たちが自分たちの都合だけで奪ったんだよ、そんなお前が宝だから女には手を出すなだと、ふざけんな、糞野郎」
古河の顔を思い切り殴った、古河は口から血を吐き出すと雄治を見上げた。
「悦子は無事なのか?どうなんだ?頼む、教えてくれ!」
「そんなに自分の女が大事なら、なぜ他人の女を奪ったりするんだよ、結局は自分のことしか考えていないお前の願いなど叶うわけがないだろ馬鹿野郎が、さっき5人って言ったよな、女は先にあの世に行ってお前を待っているよ、でもな、あの子は天国に行けるかもしれねえが、お前は間違いなく地獄行きだ、だからもう会うことはねえと思うよ」
古河の顔にはっきりと落胆の色が現れ、すぐに雄治を睨みつけた。
「許さねえ、悦子を殺しやがって、絶対に許さねえからな。もう何も話すもんか、どうせお前は殺人犯だ、てめえもいつか地獄に落ちる」
「そうか、言わないか、それにしても勝手な言い分だな。確かに俺は殺人犯だ、俺も地獄に落ちるだろうな、でもお前も同じだ。しかし、お前だけは簡単には殺さない、まずはここで生き地獄をたっぷりと味わってもらう」




