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復讐の狂鬼  作者: 赤岩実
待ち伏せ
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9

 古河はインターフォンを鳴らし続けたが反応が無いため風呂にでも入っているのだろうと思い、合鍵でオートロックを解除して入るとエレベーターで移動して部屋の鍵も合鍵で開けた。

開錠の音とともに雄治の体にさらに緊張が走った、女の部屋に来て多少は油断していたとしても、相手は暴力団だ、しかも体格からして本木や大久保のように簡単にはいかないと覚悟はしていたが、やはり一瞬の隙でも命取りになると思った。

 古河はドアの開けると、玄関が散らかっていることに驚いた。

「こんなに散らかしやがって、おい、悦子・・・」

 風呂場からシャワーの音が聞こえるため、玄関の靴などをどけて上がると、上着を脱ぎながら寝室に入ろうとした隙を雄治は見逃さなかった、上着の袖が両腕から抜けていないところで背後から上着を掴むと、力いっぱい大きく捻った。

「誰だ・・・」

 古河は驚いて声を上げたが、上着の袖で腕が締め付けられてうまく動けず顔だけ振り向くと、雄治は銃を持ったままの右手で顔を殴り、額に銃を突きつけた。

「大人しくしてもらおう、これがおもちゃではないことぐらいお前にはわかるはずだ」

「貴様・・・何者だ」

 雄治は上着を離して素早く古河の体を自分側に向けさせると、左拳を鳩尾に叩き込み前屈みに頭を下げた後頭部に銃底を力いっぱい叩き付けた、鈍い音とともにさすがの古河も気絶して膝から崩れ落ちた。

 素早く結束バンドで両手首と両足首を縛り、その体と膝の辺りをロープでしっかりと縛り上げてから猿轡をかませ、シャワーを止めてから寝室に戻って悦子を見た。

「邪魔したな、大事な彼氏は預かっていく」

 そう言って悦子の顔に布団を被せて額を撃ち抜いた。

 雄治は覗き窓を使って外を確認してから顔だけ出した、同じ階に人の気配が無いことを確認すると古河の巨体を担ぎ上げて部屋を出た。

 古河が持っていた鍵でドアに鍵をかけてドアの郵便受けにその鍵を落とすと、物音を立てないように慎重に非常階段まで移動して、何度か休みながら1階まで降りた。

 非常階段は内側からはドアが開けられるようになっていたため、駐車場に出てすぐに死角になっている場所に古河を降ろすと、パーキングに戻って急いで車を出し、駐車場に入れる手前でナンバーに泥を塗りつけてナンバーを隠してから駐車場に車を入れた。

 古河が目を覚ましていないことを確認してその巨体をトランクに入れようとしたとき古河のズボンのポケットで携帯電話が鳴った、雄治は動揺したが古河が目を覚まさないようにゆっくりと電話を取り出し、古河の体をトランクに押し込むと携帯電話を助手席に放り出したまま車を駐車場から出し、持っていた水でナンバーの泥を洗い流してから大通りへと車を走らせた。

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