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復讐の狂鬼  作者: 赤岩実
トカレフ
26/73

6

 高速を降りてすぐにコンビニに寄り、おにぎりやパンなどの食料と、缶コーヒーを5本買った。

 近くにあったホームセンターにも寄って銃を分解掃除するのに使えそうな機械オイルや、道具の代用品になりそうな物を購入して山へ向かった。

 雄治には、この辺りにわずかだが土地勘があった、今までは山奥まで入ったことは無かったが奥に進むにつれて人影も少なくなり、鹿などの猟が解禁中であれば散弾銃と思われる発砲音が響くため、拳銃を撃っても誰も疑わないと考えていた。

 徐々に民家の数が減っていき道路が舗装されていない場所まで来ると、完全に人影や車は無く、猟に注意するようにと書かれた赤い看板だけが目立つ。

 さらに奥へ入って行き止まりになった所で他の車が無いことを確認し、拳銃と銃弾1箱、そして買っておいた食料や分解掃除用に使う道具を持って歩きだした、禁猟期間では無いため、遠くで銃声らしき音が聞こえる。

 雄治は木が伐採されていて少しだけ開けた場所まで歩いていくと、適当な切り株に腰を下ろして買ってきたおにぎりなどで腹を満たし、缶コーヒーを片手にタバコに火を点けて立ち上がった。

 辺りを見渡し20メートルほど離れた切り株までゆっくりとコーヒーを飲みながら歩いていき、切り株の上に飲みきったコーヒーの空き缶を載せて元の場所へと戻った。

 タバコを踏み消して火が完全に消えたことを確認し、荷物を近くに置いた切り株に再び腰を下ろしてトカレフを取り出すと、まだ慣れない手つきで弾倉を抜いた。

 ぎっしりと弾の詰まった箱から7発だけ弾を取り出す、インターネットで調べた情報では弾倉には8発まで入れられると書かれていたが、自動拳銃は確か全弾充填しない方が良いとも何かに書かれていたようなことを思い出し、7発の弾を入れて弾倉を銃底に差し込んでタバコに火をつけた、初めて銃を撃つと思うだけで緊張してニコチンが欲しくなるような気がする。

「ふ~っ」

 大きなため息と共に煙を吐き出してタバコを完全に消して立ち上がると、トカレフを右手に握り締めて左手で上部のスライドを引くと機械的な音とともに弾倉から弾が銃身に装填された。

 雄治は空き缶に向かって両手でトカレフを構えた、刑事ドラマや映画などの記憶を頼りに空き缶に狙いを付けて引き金を引いてみると、テレビで見聞きしたような豪音と銃身が跳ね上がるような反動はなく、どちらかと言うと軽い破裂音がして先端から白煙とともに腕に軽い衝撃が走り、右側に薬莢が弾き出された反動で銃身がわずかに左側に動いた。

 当然のごとく切り株に置かれた空き缶に変化はない、初めて撃って当たるはずないと思っていた。

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