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22時を回った頃、メールを見た山本から雄治の携帯に連絡が入った。
「斉藤くんか、よく見つけてくれたな、このほかに何か書かれているものは無かったか?」
「はい。ファイルはパソコンではなく、送ってもらった備品の中にあったUSBメモリの中にありました。私も中を読ませてもらいましたが、そこに書かれていることを裏付けるような資料は一切ありません」
「そうか」
山本の声がどこか安堵したように聞こえ、雄治は少し違和感を覚えた。
「明日、パソコンを持って行きます」
「明日は1日中社外の予定だから、夜8時に、いつもの焼鳥屋に持ってきてくれないか」
そう言われて会社の近くにある、行きつけの焼鳥屋が思い浮かんだ。
「わかりました、では夜8時に」
雄治は電話を切ると、USBメモリに入っていたファイルを全て自分のUSBメモリに移動し、恭子のUSBメモリを空にした。
そして、念のため恭子の会社のパソコンを起動して同じパスワードを試してみると、ログインすることが出来たが、特に報告書に関係するファイルは1つも見つけることが出来なかった。
「もし、恭子が偶然に殺されたのでなければ許すことは出来ない。俺はもう失うものは何も無い、早川、飯田、山形の3人を責め落とせば何かわかるはずだ、真実を暴き出して恭子の仇を討ってやる」
まだ少し興奮した状態だったがテレビを消して蒲団を敷いて横になった、確かに写真に写っていた3人を少し痛めつければ何かわかるかもしれない、しかし、下手をすると仇を討つ前に自分の命が狙われるかもしれない、それでは意味が無いようにも思えた。
何か良い方法は無いだろうか・・・そんなことを考えていたが、いつの間にか眠ってしまった。




