學園公主
貌似古西施 蛾眉如畫圖
身弱而易破 遂欲衞此珠
入室公主座 徽音能抗無
豈忘與君談 評我不爲愚
猶憶白節事 受菓于校徒
笑使萬人愛 泣使萬人虞
卒業相遇三 疑天戲布途
驛舎交寸語 未具離四衢
唯知美未衰 我勞襟中蕪
懷終無利我 昔日寧見拘
【句形】
五言古詩、上平7虞。
【訓読】
貌は古の西施に似て 蛾眉は画図の如し
身は弱くして破れ易く 遂に此の珠を衛らんと欲す
室に入れば公主として座し 徽音能く抗ふ無し
豈に忘れんや君と談りしを 我を評して愚かと為さず
猶ほ憶ゆ白節の事 校徒に菓を受く
笑へば万人をして愛せしめ 泣けば万人をして虞へしむ
卒業してより相遇ふこと三たび 疑ふらくは天戯れに途を布いたるかと
駅舎にて寸語を交はすも 未だ具さならずして四衢に離る
唯だ知る美は未だ衰へず 我は労れて襟中蕪ると
懐ふとも終に我に利無し 昔日寧ぞ拘せられん
【訳】
その姿は昔の西施に似て、黒い眉墨は描いたように。
なよなよとした体に、ふと守ってやりたくなる。
教室に入ると姫君みたいに座り、その優しげな声には誰もがふりむく。
君と語り合ったことを忘れはしない。僕は馬鹿な奴だなんて言わないでくれた。
ホワイトデーの時にはクラスメイトから菓子を受け取っていたよな。
笑顔を見せれば誰もが愛したし、泣いてしまえばみんなを心配させる。
卒業してから三度再会してる。天は冗談半分でこう道を敷いたのか。
駅で短く話を交わしたが、深く立ち入る前に別れてしまう。
君の美しさはまだ変わらないが、僕の心は疲れ切ってしまったと知るだけ。
けっきょくは昔の思い出。囚われてても意味なんてない。