ヤンデレ少女は大好物です
主に会話シーンです。
評価、感想お待ちしております(*´▽`*)
「その声は……桔梗か?」
「覚えてくてたのね、嬉しい♪」
姿は見えないが、たしかに桔梗の声だ。
「そっか、見えなかったよね」
出口の方から足音が聞こえて徐々に姿を現した。
前世では幼馴染だった桔梗。
身長は160cmで髪は明るめの紫のハーフアップ。
そして、背には純白の羽?
「久しぶり、雄介♪ 会いたかったよ、むぎゅー♪」
俺の元へ走っていき、満面の笑みで強く抱きしめてくる。
「はぁ…はぁ…、雄介の匂い……」
「お、おい。 ど、どうしたんだよ。 というか、この羽はなんだよ!?」
「あぁ、この羽ね。 ――解除。 この羽は気にしないで、魔法みたいなものだから」
羽が粒子状になって消える。
「積もる話があるからゆっくり話そうね」
「あぁ」
「ここでは話しづらいから二階にいかない?」
「そうだな」
彼女が握りつぶす仕草をした瞬間、デビニルを包んでいる黒い霧が消える。
「さぁ、行こうか」
◇
二階にあるリビングのような間に行き、彼女は俺の隣でソファーに座る。
《格納》からコップとポッドを取り出し、紅茶を注いで彼女に渡す。
「ありがとう。 さて、何から話そうか?」
「デビニルをどうした?」
「さっきの魔人ね。 神様の依頼でね、転送したんだ」
「神様って……」
「雄介が知ってる神様じゃないよ。 名はイビルちゃんだよ。 雄介が好きそうな褐色幼女ちゃんだよ」
「ロリコンちゃうわ!」
「……えっ? 違うの?」
「何その反応……」
「だって、お仲間だって小さい子ばかり侍らしてるし、ゲームだって背の小さい女の子ばっか攻略してんじゃん」
「おいいいい、何言ってんの!? べ、別に小さい子ばかりじゃなくてほかの子もやってるぞ!? てか、何で知ってんの!?」
「だって、パソコンにデータがあったんだもん」
「マジか……」
「安心して! 雄介の私物のほとんどは私の部屋に移したから加奈ちゃんやお義母さんやお義父さんに見られてないよ!」
お義母さんとお義父さんって、言い方間違ってますよ!?
「いや、安心できねぇよ。 私物って何を移したんだよ!! というか、何で俺のパソコンのパスワード知ってんだよ!!」
「一気に質問しないで…ね。 順番に話すから落ち着いて」
「いや、落ち着いてたまるかよ!」
「まずは私物からね。 えっとねー、ラノベ全巻、ギャルゲーにR18作品、フィギュア、私服に下着と枕かなぁ……?」
「怖っ!? いや怖いよ! 桔梗がそんなことをする子じゃなかったのに……、どうしてこうなってしまったんだ……」
「ごめんね……、私匂いフェチなの……」
「唐突に性癖暴露やめて!? 匂いフェチだからって枕とか私服盗むなよ!!」
「だって……、雄介が悪いんだよ?」
おい、涙目になってうるうると上目遣いするなよ。
ドキッとするじゃねぇか。
「私ね、雄介死んじゃってね、凄く悲しんだよ。 ……毎晩、雄介の枕で泣いてんだよぉ」
「おい、今のはおかしい」
「いつも隣にいた雄介がいなくなってから毎日が、すごく生きてるっていう感じがしないの。 心に大きな穴が空いた感じに……。 そこでね私、気づいたの。 今まで家族だと慕ってたけど違うんだって。 好きで好きで好きで好きで愛しくて雄介が居ないと生きていけないんだなって……」
「お、おう。 唐突の愛の告白をありがとう」
「それでね。 ある日、教室で授業を受けてると唐突に床に魔法陣が展開してね。 気づいたらこの世界に着ちゃったの」
「急展開だなっ!? それって所謂、クラス転移か?」
「そうだね。 しかも、みんなチート持ちだよ! 何故かみんな、固有スキル持ちだし、この世界の住人より成長力が高いんだって!」
「はぁ? ズルじゃん」
「神国から儀式によって召喚されて、クラスメイトたちを勇者という野蛮人をこの世界に解き放ったの」
「えっ? そこは魔王を倒せとか言われてなかったのか?」
「う~ん、言われたような、言われてないような……うん、覚えてないや、あはは……」
「何でそんな重要なこと覚えてないんだよ!」
「だって……、雄介が居なかったからどうでもいいかなって」
「どんだけ、俺のこと好きなんだよ……」
「うん、だぁ~いすきだよ♪ でね、ある日神様と名乗る女の子に出会ったの。 「君が会いたがっている人、私知ってるよ」って言われてね、いきなりモニターが出現したの、そしたら雄介がね映ってたの! ほかの女の子と一緒に…………」
「虚ろな目でこっち見んな、怖ぇよ」
「嫉妬もしたけどね、それ以上に雄介が生きてるって分かって凄く嬉しかったのっ!!」
ガシッと隣にいる俺の右手を繋ぎ指を強く絡ませる。
もう離さないという意思を感じる。
これが恋人繋ぎか、痛ぇな。
「それでイビルちゃんと約束したの、このお兄ちゃんに会わせてあげるから私に協力して、と」
「それで今日、念願の夢が叶ったと」
「そうだね。 でも、偶然だけどね」
本来は別の形で再開してたのか。
「それで、協力って何?」
「そこまでは言えないかなー……、ごめんね、本当は言いたいけど口止めされてて……」
「それなら仕様がないな。 で、桔梗は味方かそれとも敵なのかどっちだ?」
「う~ん。 場合によっては敵になっちゃうのかな? 絶対に敵対したくないけどね……」
イビルちゃんの協力ってなんだ……。
すごく気になる……。
ちょっと強引だがこのスキルを使うか。
「桔梗……」
「え、え、な、何っ!?」
俺は彼女の頬を片手で掴み、顔を近づかせる。
彼女はボンって煙が出そうな感じに顔が真っ赤に染まる。
「《精神操作》」
初めて使うが、こんな感じでいいだろうか。
「協力のこと、詳細に話して」
…………。
「……残念。 その手のスキルは効かないよ。 ちゅっ❤」
彼女が急に冷静になったと思ったら俺の唇にキスをしてきた。
俺のファーストキス……。
じゃなくて、なんで精神操作が効かなかった!?
「雄介のファーストキス……もらっちゃったね、えへへ……」
彼女は頬に片手を添えて嬉しすぎて悶えている。
おいおい、可愛いな……。惚れそうになったわっ!?
いや、もう惚れてんのか?
でも、少なからず好意は抱いている……。
男って単純だな。
「名残惜しいけどイビルちゃんに呼ばれたから、そろそろ行かなくちゃ。 また会おうね雄介♪」
「あぁ、あんまり悪いことするなよ」
「うん、わかってるよー。 今日は人生で最高の日になったよ、雄介に会えて凄く嬉しかった……。 あっ、最後に忠告しとくね。 元クラスメイトやイビルちゃんには気を付けてね♪」
「じゃあねー」と言いながら、もう一度唇にキスをしたと思ったら《テレポーテーション》で一瞬でその場から去った。
「クラス転移で勇者かぁ……。 厄介事が起きそうな予感。 テンプレ通りに敵対しませんように……」
ヤンデレって可愛いよね!(❤ω❤)




