第一王子
宮殿に来ると、使用人に両開きの扉の前まで案内された。
使用人が扉を三回ノックをすると、「失礼します」と言い、扉を開ける。
中にはキングサイズのベッドが真ん中に置かれているが、この部屋に置いても窮屈にならないほど部屋が広い。
そしてベッドに寝ているのは現国王だ。
だが様子がおかしい。
寝返りする様子もなければ、寝息も聞こえない。
まるでそこにいるのは国王の型をとった人形が寝ているような静かさだ。
すると、いつの間にか隣に執事がいた。
「炎帝様……旦那様はもうお亡くなりになっています……」
と、国王の傍に行き布団をはぐ。
すると、国王の胸には数か所の穴が空けられていた。
ガラス玉がすっぽりと収まるほどの大きさだった。
「このことは……「ええ、ご氏族と側近には伝わっています」」
「じゃ、じゃあ。 もう次期国王の選抜は動き出してるということですか?」
「左様でございます」
「それで、執事さん。 俺は何のためにここに呼ばれたのですか?」
「それはワルーイお坊ちゃまがそれぞれの四帝様をお呼びましていましたよ」
「そうですか……、じゃあ、これからワルーイ王子様に会いに行ってきます」
「お待ちください、炎帝様」
「ほかにもあるのですか?」
「我ながらいいお世話と思っているのですが、炎帝様にだけお願いしたいことがあります」
「それが重要な案件?」
「左様でございます」
「国王の殺害者を探してほしいのです。国王様には返せないほど恩義があります故、この事件は我ながら誠に許せないでございます。どうか、この老いぼれの最後の願いを叶えてください」
と、深々とお辞儀をする。
俺も恩義があるのは同じだ。
「分かりました。その依頼、誠心誠意お受けします」
「ありがとうございます、炎帝様」
執事は涙を流しながら、お礼を言ってくる。
この人が涙を流しながら、お礼を言ってくるなんて……。
これは期待に応えないと……!
「それで犯人の目星はついているんですか?」
「いいえ……。 ですが、国王に近しい者だと分かります」
「勘ですか?」
「勘でございます」
この人の勘はよく的中する。
それは、固有スキル 《占眼》だからだ。
占眼。
自分の知りたいことを占うことができ、その的中率は七割というほぼ未来予知だ。
さらに無条件でノーリスクで発動できるため、予知系というとても珍しく、価値が高いがその中でも価値が高い。
そのせいで、男女関係なく奴隷に売られたり殺されやすい。
因みに、固有スキル 《危険察知》も予知系だ。
「分かりました。ではワルーイ王子の元に出向いていきます」
「それと、もう一つ。 くれぐれもワルーイ王子お坊ちゃまにお気をつけて」
「はい」
ちゃんと忠告を頭に残しつつ、第一王子の元へ向かう。
◇
第一王子の部屋の前に来て、ドアをノックする。
「入れ」
許可を得たことで、扉を開き中に入る。
そこには、椅子に座るワルーイ王子と、それに横に並び立っている騎士風の美少女。
彼女たちは、ワルーイ王子の護衛という名目でいる、王子のご趣味だ。
だが、実力は騎士隊長並みと王子は言っていたことがあった。
「それで、ワルーイ王子様。何の様でお呼びになったのですか?」
「それはな、もう少しで次期国王選抜があるだろ? 貴様に私の元についてほしい。四帝がつけば、国王選抜では有利になる。 四帝に信頼されているというステータスになるからな。それでどうかね?答えを聞こうではないか」
「誠に申し訳ありませんが、それは御応えすることはできません」
「そうか……。 まぁ良い。 いずれ貴様は私の元に着くだろうからな。ふふ……」
「それってどういう――「もうよい、また今度もう一度、問う。 そのときにまた応えを教えてもらおう」」
俺は「失礼します」といい、この部屋から出ていった。
そして、そのまま皆がいる宿へ向かった。
◇
「テーレはいるか?」
炎帝が出て行ったあと、地帝の名前を呼ぶ。
すると、俺の目の前に土でできた両開きの扉が出現した。
勝手に開くと、中から体の一部が黒く染まっている男が現れた。
「何だ、王子殿?」
テーレは薄笑いで聞いてくる。
「き、貴様! いくら四帝殿とは言え、王子様に馴れ馴れしいぞ!」
と、右にいる青色の髪が美しい赤目のポニーテールの子が吠える。
腰には刀をつけ、左手に鞘と鍔を持ち、右手に柄を添えて今にも切りかかろうとしている。
「そう吠えんな、小娘」
「こ、小娘!?」
すると、テーレは少し殺気を漏らしポニーテールの子を怯ませ黙らせる。
「少し下がれ、サヤ」
「畏まりました」
そういい、サヤは一歩下がる。
「テーレ、例の件はどうだ?」
「氷帝は第二王子に着き、風帝は第三王子とそれぞれに着いたぞ」
「やはりか……、騎士団長はどうせ第二に着くだろうし、やはり炎帝を我に着かせないとな……」
「なら従うように、例の計画を実行するのか?」
「そうだろうな。 なら数日後に実行してくれ」
「今じゃダメなのか?」
「さっきあんなことを言ったからな。警戒してる可能性が高いから今は大人しくしようではないか」
「王子殿はあの坊主に何て言ったんだ?」
「ふっ……。 さあな……」
この計画が着々と進んでいくと思うと自然と笑みが浮かぶ。
「それにしても、いつも王子殿に美しい子が近くにいると羨ましいな」
「ならこれを持っていけ」
俺は懐から金が入った麻袋をテーレに投げると、それを受け取り笑みを浮かべる。
「はいよ。 じゃあな」
テーレは扉の中に入っていき、土の扉が崩れる。
「掃除しておいてくれ」
「「「畏まりました」」」
あとはこの子達に任せて、俺は部屋から出る。
誤字・脱字あったらすみません。
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悪口はやめてね。作者は豆腐メンタルなので泣いちゃうから‥‥(´;ω;`)
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