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 VS 中途半端な魔物

 俺たちは、王都への帰り道に空が赤く光るのが見えた。神様が警戒しだしたので、何かあるに違いないと思い、俺はアメリアに頼み、赤く光った場所まで急がせた。

 

 走った先に見えるのは、この前戦った黒い魔物の大群と三人ほどの人間を確認できた。

一人は、有象無象のやつらより一回り大きいやつと戦っているが劣勢だ。二人の方は、何とか立ち回っているようだ、だがもう持たないかもしれない。


 「あれ……早く助けないと死ぬよ……」

 

 神様は、どこか暗い表情をして言ってきた。


 「どうしますか、ユウスケさん?」


 「そりゃ、近くで人が死にそうにしているのに助けないと、人としてダメだろ‥‥。 ということで、人を助けるためにアメリア馬車を止めて」


 「はいです!」


 馬車を停止させ、俺は《格納》を使い剣を取り出し戦闘準備をした。


 「ルナとアメリアは、二人の少女と一緒に交戦してきて、リルと一緒にリーダーらしきやつを倒すぞ!」


 「「分かりました(わ)!」」


 「はい、ご主人様!」


 「あのーお兄さん。私は?」


 「エシュテルが出るとすぐに終わるからなー……」


 「えー……」


 「んじゃ、行くぞ!」


 俺たちは、馬車から降りそれぞれの標的のとこへ向かった。


 



 

 敵は今にも赤髪の短髪の少年の頭を掴もうとしている。俺は、その少年の元へ全力疾走をしている。


 これじゃ……間に合わない……っ!?


 「リルなら間に合うか?」


 「私でも間に合わせません!」


 リルでも間に合わないんじゃ……どうするか……。

 ……間に合わないのなら、敵の動きを止めればいい。もし攻撃魔法を撃つとするなら、彼にも当たる可能性もある。それに、効果がなかったら意味がない。なら、デバフ系の魔法を撃つしかない……。

 なら、もっとも有効な魔法は時間魔法しかない……。


 「間に合え!《減速(ディセラレイト)》っ!」


 ディセラレイション。

 それは、対象の者のAGIを1/10に減少する魔法。


 これにより、敵の動きを減速した。


 「これなら間に合います!」


 「よし、行ってこい!」


 「はい、ご主人様!」


 リルは、音速を超える勢いで全力で走った。走りながら魔法 《氷爪》を使い、両手に氷の鉤爪を生成した。

 敵のところまで行くと、少年を掴もうとする手を右手の鉤爪で切り落とそうとするが、敵の左手がリルの右腕を掴んだ。


 「っ!?」


 獣の感なのか、リルは咄嗟に左手の鉤爪で敵の顔を切り裂こうとした。

 





 だが、それは叶わなかった。

 敵の顔に当たる直前、見えない壁らしきものがリルの攻撃を防いだ。


 「……《フィジカルシールド》」


 リルが攻撃をする前に敵が魔法を唱えていたのだ。


 フィジカルシールド。

 それは、STRが補正にかかる攻撃、物理攻撃を自身のVITによって防ぐ魔法。


 「……邪魔をするな。《黒炎弾》」


 敵は、右手をリルの顔の方に向けて手の平を広げて、黒い色の炎を生成し放った。速度はゆっくりだが当たればリルでも無事では済まない。

 リルは、敵が放った魔法を避けようと必死で捕まっている腕を放そうと、手や足を使って抵抗をしている。

 だが結局、解けなかった。


 (ご主人様……)


 リルは、目を瞑って覚悟を決めた。

 

 「俺のリルを放せ!《マジックシールド》、《水圧圧縮弾(アクア・カノン)》っ!」


 俺は、リルにマジックシールドを貼り、敵の魔法『黒炎弾』を防いだ。そして、『水圧圧縮弾(アクア・カノン)』を唱えた。水圧圧縮弾(アクア・カノン)は、似た魔法であるアクア・バレットの上位互換にあたる魔法だ。水の玉を十二個生成し、リルの腕を掴んでいる手に向かって放つ。


 「……無駄だ。《マジックシールド》。……これでお前の攻撃も防げる」


 無駄なのは、こっちのセリフだ!水圧圧縮弾は、単なるアクア・バレットの上位互換ではない。隠された特性がある。

 それは、通常のアクア・バレットは、INTによる魔法攻撃だけだが水圧圧縮弾は、魔法攻撃を含むが物理攻撃としても適用される魔法だ。

 マジックシールドは、魔法攻撃のみ防ぐ魔法。なので、物理攻撃としても扱える水圧圧縮弾には通用されない。

 どういう原理でそうなっているのかは不明だ。この世界に存在する魔法なので知らん。


 「……っ!?」


 水圧圧縮弾は、敵の腕に接触し左腕を消し飛ばし、リルを助けた。だが、リルは気を失っているようだ。


 「リル!大丈夫か!?」


 俺は、敵が俺の魔法に驚き、ひるんでいる隙にリルと赤髪の少年を掴んで安全な場所まで連れていった。


 「全く、しょうがない。 こいつは、俺一人だけで戦うか‥‥」


 敵は、俺の方に視線を向けた。だがそいつは、睨んでいるわけじゃなく表情が笑っていた。


 なんだ……、こいつ……。急に笑いやがって。


 「‥‥ふふ。お前は‥‥強いな。‥‥さっきの赤頭は少し期待したのに。‥‥期待外れだった。でも、お前は強そうだ。‥‥俺を楽しませろっ!!!!」


 敵は、笑いながら叫んだ。


 「戦闘狂かよ……」


 「……貴様に闇から逃げられないということを教えてやる《影の捕縛(シャドウステッチ)》」


 敵は、右手に黒い針を生成し、俺に向かって放った。


 「《マジックシールド》」


 早いっ!? マジックシールドが間に合うか……!?


 黒い針が当たる前にマジックシールドが展開したようだ。


 ふぅ……。何とか間に合ったか……。


 「っ!?」


 だが、マジックシールドを展開しているのに関わらず、黒い針は貫通し俺の影に針が刺さった。


 「ダメージがない……。ということは、デバフ系の魔法か?いや違う……。マジックシールドはデバフ系でも防げるはずだ……」


 では、どういうことだ……。黒い針自体は幻影か?それなら、マジックシールドは貫通する。幻影系魔法は、直接的に俺に魔法をかけているわけではないので、マジックシールドは適用されない。

 幻影なら大したことはない。


 敵は、気持ち悪い笑みをしながら右腕を前に出して俺の方に向けてきた。


 「……ここまでだ。消えろ、《死の境目(デッドライン)》」


 敵から出る薄紫色のした線が一直線上に伸びて、俺の方へ向かってきた。


 攻撃が来るっ!? 避けなきゃ!?


 俺は、敵の魔法攻撃を避けようとするが動かない。両手両足は動けるようだがこの場から離れられない。

 線が俺の方に迫ってきている。


 なるほど、そういうことか。あの黒い針は、俺の場所を固定する魔法なのか!?

 しくじった!クソっ!このままじゃ、ヤられる!?

 

 だが、その攻撃は俺に当たらなかった。


 「全く……。お兄さんは世話が焼けるね……」


 そう言ったのは、見た目は幼い女の子で、薄黄色の髪が肩まで伸びるポニーテールをした髪型の少女。正真正銘の神様だ。

 俺が薄紫色の線に当たる直前、神様は《テレポーテーション》を使い、俺をリルや赤髪の少年のいるところに空間移動させた。


 「神……様……」


 「こーら、ここでそんな名前呼ばないで」


 馬車で待っているはずだったのに、どうしてここに……。


 「お兄さんがピンチだったからに決まっているじゃない! 『死の境目(デッドライン)』はかなり危険な魔法なの。お兄さんはあの線を見た時『死ぬ』っていう恐怖に頭の中染まったでしょ?」


 「ああ」


 「それで合ってる。あれは、即死魔法なの」


 「即死魔法だと!それってかなりチートじゃねぇか!!!!」


 「うん、確かにチート魔法だね。でも、発動するのに自身の命を削る魔法なの。 そして、闇属性魔法でもレベル9ぐらいに覚える魔法だから、使える人は少なかったから油断しちゃった。 たぶん、今回の相手はお兄さんじゃ手に負えないほどの敵よ」


 「それじゃあ、どうすんだよ……」


 「今回は、私が殺ってあげるよ。お兄さんは、落ち着いてポップコーンでも食べながら見ているといいよ」


 神様は、「それじゃあ、行ってくるね」と言いながら《テレポーテーション》を使った。







 私は、《テレポーテーション》を使い、敵のとこまで空間移動をした。


 「……今度は女のガキか」


 敵は、私を見て笑っている。


 「私を見て笑っているなんて、あんたはロリコンなの?」


 敵は、言葉を話し、言葉を理解している。中途半端な魔物だが、ここで安い挑発をしてみる。


 「……余裕そうだな。……だがまぁ、その余裕がどこまで続くかな?《影の捕縛(シャドウステッチ)》」


 敵は、右手に黒い針を生成し、私に向かって放った。


 「私にそんな攻撃が効くと思っているの?」


 だが、敵はニヤリと笑みを浮かべた。マジックシールドでも防げなかった魔法。敵は当たると確信をしていた。


 「はぁ……、愚かね。私の強さも見抜けないようじゃ、ただの雑魚だね。《削除(デリート)》」


 私が魔法を唱えた途端、黒い針は無へと消滅した。

 敵は、「信じられない!」と言いたげな表情をしていた。

 

 「どうしたの?かかってこないの?」


 私は、敵にどんどんと挑発をする。

 敵は、挑発に乗ったのか次々と闇属性魔法は放つ。

 だが、全て《削除》という魔法によって、消滅させる。


 「……っ!? ……調子に乗るな!《死の境目(デッドライン)》」

 

 敵から出る薄紫色のした線が一直線上に伸びて、私の方へ向かってきた。


 「《削除(デリート)》」


 だが、一直線上に伸びていた薄紫色のした線が一つの魔法により消滅した。


 「えっ?なに?その程度なの(笑)」


 敵の表情は一瞬で絶望をしたのかというほどの表情をした。


 「ちゃんと本気だしてよ……つまらない……。・やはり、雑魚だったね」


 敵は一言もしゃべらなかった。


 「あっそ。返事がないってことは……終わりだね。それじゃあ、バイバイ。《削除(デリート)》」


 敵は、一瞬でその場から消滅した。


誤字・脱字あったらすみません。


感想、アドバイス、質問を待ってます。

悪口はやめてね。作者は豆腐メンタルなので泣いちゃうから‥‥(´;ω;`)

ブクマ登録お願いします!


※評価もしてください。お願いします。m(_ _)m


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


神様「今回もやってきた!魔法鑑定のコーナーだよ!」


ユウスケ「今回は、神様が使った魔法だな」


神様「私の魔法を紹介するなんて二回目だね♪」


ユウスケ「そうだな」


神様「ふふっ♪」


ユウスケ「嬉しそうだな」


神様「だって、このコーナーをやるのって久々じゃない!」


ユウスケ「そうだな」


神様「それじゃあ、いってみよう!。お願いします鑑定先生!」


鑑定先生「お任せください」


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 魔法 《削除デリート


・無属性魔法

・使用魔力 50000 

・生物、魔法、物質を対象にして消滅させることができる。

・魔法に対象した場合、魔法の効果も消滅する。


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ユウスケ「あれ?おかしいな。使用魔力の桁が間違っているぞ!まさか、壊れたのか?」


鑑定先生「壊れていません!(怒)」


ユウスケ「‥‥‥」


神様「私が言うのもおかしいのだけれど、チートすぎるわねこの魔法‥‥」


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■小説家になろう・宣伝交流サイト■サンクス・スクエア■

↓とあるVRMMOの廃課金ネカマプレイヤーが突如異世界転移して、異世界で自分のキャラを愛でる無双物語

ネカマおじさん、異世界TSする。 ~異世界で無双したい!~

↓作者のtwitterアカウント

抹茶プリン@kurogane_31

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