リルとお食事
俺は、今リルと一緒に街に出かけているとこだ。
「これからどうする? まだ時間があるみたいだし」
今は、仲間になったリルと打ち解けることが大事だ。
というか、仲良くなりたい。
「お肉‥‥‥食べたい」
さっき食べたばっかりなのに‥‥。
まぁ、リルが食べたいというのならやるしかないな。
近くに飲食店あるかな‥‥。
「‥‥‥あそこ」
俺は、飲食店を探していると、リルは尻尾を左右に揺らしながら、黄金に輝く建物に指を指した。
そこは、看板が牛の形になっており、『ステーキ』と彫られている。
扉の横には、木の板に『王族御用達』と書かれている。
そう、そこは王族が認めるほど飲食店にして、高級店なのだ。
「‥‥‥‥‥‥」
俺の残金どのくらいあるかな‥‥‥。
リルを買うのに、70万。リルの服を幾つか買って、10万。そして、これからリルの武器や防具を買うのに30万くらい欲しいから‥‥。
今使えるのは、30万くらいか。
高級店でも、せいぜい10万かかるぐらいだろう。
「んじゃ、中にはいるか」
リルはこの言葉に反応して、首を縦に振る。
中に入ってみると、派手な格好している男性や女性の客がいた。たぶん、貴族の人だろうか。
まぁ、そんなことはどうでもいい。リルが機嫌がよくなればそれでいい。
因みにこれは餌付けじゃないぞ?ほんとだぞ。
そして、入り口で待っていると、若い店員の女性が話しかけてきた。
「いっらしゃいませー♪ おぉ!これは珍しい恰好の貴族様ですね。 席をご案内します」
「ああ」
俺たちは、女性店員に空いている席に案内された。
俺が座ると、リルは俺の横に立っていた。
「リルは椅子に座らないのか?」
「いえ、私は奴隷なので‥‥ご主人様と一緒に座るなどと‥‥」
これは、お決まりパターンか。
「リル、一緒に食べようぜ。さぁ、椅子に座って」
「ですが‥‥」
「俺は、リルと一緒に食いたいんだけどなー」
少し、寂しそうな顔をする。
「わ、わかりました」
リルは、俺の向かいの椅子に座った。
だんだん、俺と話せるようになってきたかな?
「あの店員さん、おすすめは何?」
「はいはーい♪このお店のおすすめは一番高い部位のお肉だよー」
何その適当な答え‥‥。本当にこの店の店員か‥‥。
まぁいいや。
「メニュー表を持ってきてくれないか?」
「一番高いお肉を買ってくれないんですか‥‥」
店員は、悲しそうな表情をする。
くそっ!値段がどれくらいなのか知らんが、しゃーない。
「わ、わかったよ!一番高いやつにするよ!」
「ありがとうございます!」
メニューを頼んだ途端に、女性の店員は明るくなり笑顔になった。
「‥‥‥‥‥‥」
俺に一番高いのを買わせるための演技だったのか!?
何という店なんだ!
数分後。
出来上がった肉が、こちらの席に運ばれた。
厚さ4cmほどで焼き加減はミディアム。肉汁がはじけ飛ぶ。
そして、リルは目を輝かせながら肉を見ている。
おいしそう。だが、これはリルに上げるつもりだ。
でも、ちょっとは食べてみたい気がする。
「ほら、リル。肉食べてもいいよ」
「‥‥い、いいのですか?‥‥‥じゅるり」
「この肉はリルのために頼んだやつだからな、リルが食べないと。それに、俺はもう腹がいっぱいだからな」
「っ!? わかりました。 いただきます!」
リルは、美味しそうに肉をかぶりついた。リルの尻尾は、ぶんぶんと振っていた。これを見れば、いかに美味しいのか想像できる。
周りの客は、リルを睨みつけてきた。
だが、俺は睨みつけてきた貴族を『うちの可愛いリルに何睨みつけるんじゃ、ボケ!』と言うように睨みつけてやった。
食後。
リルは満足したのか、満点の笑顔になっていた。
俺は、会計を済ますために店員を呼んだ。
その後、カウンターに行って肉代を支払った。
値段は5万ほどだった。俺の予想より安かった。
「それじゃあ、リル。宿に戻るか。 俺の仲間を紹介しないとな」
「はい、ご主人様」
俺は、ステーキ店から出た。
誤字・脱字あったらすみません。
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悪口はやめてね。作者は豆腐メンタルなので泣いちゃうから‥‥(´;ω;`)
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