人体実験
これは、ユウスケたちが王都に戻ったころ。
ここは、薄暗い建物の中。
白衣を着た白髪の老人がいる部屋は、病院の手術室のような実験室。
部屋の中央には手術台ような物があり、そこには男が寝ている。
そして、所々にあるガラス管に黒き魔物が入っている。ガラス管に入っているものはピクリとも動かない。
「まさかのぉ、お主ほど者が我らに協力するとわ」
老人は、台に寝ている男に話かけた。
「俺は、力が欲しい、じいさんは強力の戦力が欲しい。利害が一致しているからな。」
「お主は、儂の実験をどこで知ったのだ」
「ふん、さぁな。それよりも早く改造してくれよ」
「後悔はないんだな?」
「何を今更」
「では、始めるぞ 《スリープ》」
老人は、男を闇属性魔法『スリープ』を使い眠らせた。
近くにある机の上に置いてあるメスを持ち、眠っている男の胸部を切り、老人が白衣から取り出した袋を開け、中から青い六角形の形をした石を取り出した。
その石は、魔物の魔石、心臓部である。
そして、その魔石は火山に生息するクリスタルタートルの魔石である。クリスタルタートルは、火に強く、火属性魔法に耐性があり、防御力に定評がある魔物だ。
「この魔石を使えば、お主はさらに強くなるだろう。‥‥‥‥‥‥成功すればな。
では、いくぞ!《合成》」
「ぐぁ‥‥‥っ!?」
老人は、男の心臓にクリスタルタートルの魔石を合成させた。
男の心臓から魔石にある魔力が流れ、男自身の魔力と魔石の魔力が反発しあっている。魔力が逆流すると全身に痺れが発生し痛みがでた。
男は、今まで魔物に受けた痛みよりも想像を絶する痛みを受けた。
「とりあえず、様子見じゃな」
◇
実験から数時間後。
実験室の隣にある部屋のベッドで男は目が覚めた。
「どうじゃ? お主の体は」
「ああ。凄く力が漲っている。これさえあれば‥‥。ありがとな、じいさん」
「よいよい。儂もお主が初めての成功例じゃわい。儂もお主に感謝しておる」
男の体は、左腕、右足が黒く染まっていた。
「一般人では、こうもいかぬ、理性が失いゾンビ化する。それに比べてお主は理性がある、流石は四帝じゃわい。お主は、ヒュークリーチャーの完成系じゃわい」
「それで、これからはどうする?」
「まずは、王都を落とす」
「了解、じいさん。俺も早く新しい力を試してみたくて、うずうずしているんだ」
男は、ニヤリと笑った。
「あ、そうそう。近々に王都にいる女王が目覚めるらしいぞ。その女王を利用して、王国を潰すぞ」
「ああ」
「女王が目覚めれば、四帝を動かさずに負えない。女王に夢中な四帝を始末しろ。少なくとも炎帝を必ず始末しろ、あいつが一番厄介じゃ。特にあの目が」
「まかせな。あの若造ごときに俺が負けるはずはない」
「フラグを立たせるのはやめとくんじゃ!」
「なーに。俺を誰だと思っている。王国最強の四帝、『地帝』のテーレだぞ?」
「……元・最強じゃがな」
「聞こえているぞ!じいさん!」
「なんじゃ!最強だったら、儂の改造なんか受けておらんのじゃ!」
「なによー」
「儂とやるんか、若造が!」
そして、老人とテーレの取っ組み合いが始まった。
誤字・脱字あったらすみません。
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悪口はやめてね。作者は豆腐メンタルなので泣いちゃうから‥‥(´;ω;`)
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