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新しい女の子を口説こう。

 今いるのは、草木が生える平坦な道。一日に一度ぐらいしか馬車が通らないような道を歩いている。

 ここがどこの国か知らんがとりあえず神様のオススメにしたがって、王都に向けて歩き出した。

 俺はまだこの世界のことを知らない。なので、冒険者になって情報収集しないといけない。


 「エシュテル、王都までどれくらいまでかかるの?」


 「うーん、距離だと馬車に乘って三日くらいだね」


 「馬車だと……? それじゃあ、歩きだとその倍以上かかるじゃないか!」


 「お兄さん、なんでそんなに焦ってるの?」


 「べ、別に焦ってないし……」


 「動揺していますよ、ユウスケさん」

 

 ほんと、何焦ってんだか……。

 いつ冒険者になっても同じなんだし。

 俺は顔を叩いて、気持ちを入れなおした。


 「どうしたの、お兄さん。急に顔を叩いて」


 「分かってるくせに‥‥」


 「ふふっ♪」


 そう話していると、道の先に馬車が止まっているように見えた。

 遠くに見えるのでよくわからんが高級そうな馬車だ。


 「馬車が見えるなー。乗せてもらおうかなー」


 「乗せてもらえるの?」


 「さぁー?」


 そして馬車に近づいた。すると、さっきまで聞こえなかった声が聞こえてきた。









 「兄貴! こっちに高そうな物がありますぜ」


 「こっちには、いい女もいますぜ。 グヘヘ……」


 「や、やめてください……!」


 「へへ、今日は当たりだな。 この前の奴隷商の馬車では、邪魔が入ったがこの道はあんま人が通らねぇからな。 お前らぁー!奪えるものすべて奪えっ!!」


 「はいっす!」


 この馬車の護衛たちは、賊に無残にも殺され、馬も足に矢が刺さっており倒れている。

 そして、護衛対象であろ女は今にも賊たちに襲われそうになっている。


 「きゃ……っ!? 誰か……た、助け……」


 「へへっ、どんなに助けを呼んでも誰も来ねぇよ。 おとなしく俺たちと一緒に遊ぼうや」


 「やめ……て……」


 女は男たちに両手両足縛られ、目から涙が流れており光を失っている。 

 このまま人生が狂わされるだろうなと絶望している。

 

 「しっかしこの女、すんごい上玉だな。 しばらくは楽しめられるな。 グヘヘ」


 「いやっ…………! やめ……、それだけは……むぐっ……!?」


 女は男の手で口を塞がれ、もう片方の手に持っていた刃物で服を千切られ破られた。


 「んぐっ!? うぅん゛ん゛ん゛ん゛っ!」


 「いい声で鳴くじゃねぇか。 へへっ」


 男は、今にも食われそうになっている。



 だがそれは叶わなかった。


 「あのぉ~、そこにいると邪魔なんだけど」


 そこには、さっきまでいなかった人間がいた。

 その声を聞き、女はさっきまで目に光が失っていたのが光を宿った。


 「ぅんっ!? ん゛ん゛っ!」


 女は『助かる』と希望をもって必死で助けを求めてる。


 「なんだ!貴様ぁ!? お前ら、そこの男を消せ!」


 …………。


 だが、男の声は誰も反応しない。


 「おいっ!どうした、お前らー‥‥‥」


 男は、振り向き仲間たちの姿を見ようとした。


 「っ!?」


 そこには数体の男性の死体が転がっていた。

 その光景を見て、女の口から手を離した。


 「いやぁああああああああああああああああ! 助けてぇえええええええっ!!!!!!」


 女は、男の隙を見て叫んだ。

 








――少し時間をさかのぼる。


 男たちは、俺たちが馬車に近づいたことにまだ気づいていない。

 

 「お兄さんどうする? 助ける?」


 「懲らしめましょう! ユウスケさん」


 「そうだな」


 こりゃ、ひどい状態だな……、まったくうらやまけしからんな。

 俺も混ぜろや。

 と思ってたら、神様は虫けらを見るような目で俺を睨んでいたので、俺のそばから離れていった。

 いや、すみません。

 ほんと冗談です神様。

 軽蔑した目で見て離れないでください。

 

 「ちょ、ちょっくら助けにいってくる……!」


 「頑張ってください、ユウスケさん! あんなやつら、けちょんけちょんにしてやってください!」


 俺は、今からヒーローになるんや。

 あの馬車はめっちゃ高そうだからどこぞの貴族だろ。

 お礼とかめっちゃいいものくれそうだから、助けるんだからな。

 別に、女の子を惚れさせてハーレム候補に入れようだなんて思っていないからな。ほんとだぞ。

 まずは、取り巻きをやるか。女の子にあんなことするやつらに容赦しないぜ。

 

 俺は、忍び足で近づいた。

 取り巻きたちは女に目がいっていて、まだ俺に気づいていない。

 格納から剣を取り出し握った。


 俺は、首を目掛けて微風が吹いたような感じで静かに剣で切り付ける。

 取り巻きたちは、結局俺に近づくのを気づかずに絶命した。

 そして、取り巻きたちの死体は地面に転がった。

 

 賊のリーダーらしき男は、まだ気づかない。

 よっぽど、女に夢中のようだ。


 おいおい……、お前の仲間死んだのにまだ気づかないのか。

 しゃーない。声をかけるか……。

 

 「あのぉ~、そこにいると邪魔なんだけど」

 

 その声にやっと男は気づいた。








――そして今に至る。


 俺は、女の子が叫んだ瞬間に男の首を切り落とした。


 「そんな、バカなー……」


 それが、男の最後の言葉だった。


 「大丈夫? そのすばら…………ゲフンッゲフンッ、ひどい恰好して寒くないか?」


 俺は、女の子に手を差し伸べた。

 そして、女の子は俺の手をとって立ち上がった。


 その時の淫らな姿に少し凝視してしまったが、女の子はそれどころではないので、たぶん気づいていないと思う。


 「い、いえ……その、助けてくださりありがとうございます。本当にありがとうございます……ぐすんっ……」


 ものすごく怖かったのであろう。

 そのまま俺の手を握り泣きながら感謝していた。

 俺は彼女を安心させるために抱き着く。


 これは決して邪な行為では……ない。

 すみません。 嘘です。

 三割は邪な心を持ってました。


 「その恰好じゃ……そのー、目のやり場が……困るのだけれど」


 神様が「あんなにジロジロ見といて、何言ってんだか」と言ってるようにジト目で見ている。


 「~~~~っ!? あっ、すみません…………」


 一瞬で顔が真っ赤になった。

 なにこの反応。

 もうフラグがたったのか?


 よく見るとこの子すごく可愛いな、あられもない姿だが。王道の金髪ロングにウェーブが腰までかかっており、しかも金髪によく似合う蒼目でタレ目だ。歳は、俺くらいだろうな。身長が160くらいだ。しかも童顔だ。


 「エシュテル。 服とかもってない?」


 「はいはーい。持ってますよお兄さん♪ あちゃー、ひどい恰好だね……。 お兄さん、ずっとこの子を見て興奮しちゃダメだよ?」


 「み、見てないやいっ!」


 俺は誤魔化していると、神様は例の空間から白いワンピースを取り出した。

 そして、女の子にワンピースを渡した。


 「す、すごいです! ユウスケさん! あんな一瞬で賊たちをやっちゃうなんて!」


 ルナはすぐに俺のそばまで寄って、腕をつかみ興奮していた。


 「あ、あの! 本当にありがとうございました」


 「それさっき聞いたよー♪」

 

 「(わたくし)、アメリア・フォン・カリスと申します。 どうぞ顔をお見知りください」


 「俺は、タナカ ユウスケだ。よろしく」


 「……ユウスケさん。 はいっ! よろしくお願いします! あと、(わたくし)のことは、アメリアと呼んでください」


 俺が笑顔で挨拶したらアメリアは少しうっとりとしていたけど、すぐに笑顔で返してきた。

 さっき、小声でなんか言ってたけど聞き取れなかった。

 別に俺は難聴系じゃないぞ。

 美少女の声はずっと聴きたい派だから聞き逃さないけど、まじで聞こえなかった。


 「私の名前は、エシュテルだよー♪」


 「私はルーナ=サンチェスです。 それと、ユウスケさんと呼ぶのやめてください!」


 「っ!?」


 えっ? 俺が近くにいて聞き取れなかったのに何故ルナは聞こえたんだ?

 まさか……、口の動きで読んだのか!?


 「私とキャラかぶりします!」


 そっちかい!


 「ふふっ♪」


 神様はどっちのことで笑ったんだ?


 「別にいいじゃないですか! 私がどう呼ぼうが構わないじゃないですか!」

 「私がユウスケさんって、先に呼んでたんです!」


 「「ぐぬぬ‥‥‥」」


 ルナとアメリアは、お互いに睨めあっていた。

 うん、こういう時はこの言葉だな。


 「俺のために争わないでっ!」


 その言葉に反応したのか。一気に俺のほうに向いた。


 「「だったら、ユウスケさんが決めてくださいっ!!!!」」


 こっちに火の粉が飛んできた。


 「で、ですよねー」


 ちょっと神様、笑ってないで止めてよ。

 その心の声を聞いたのか、神様は俺に向かってウインクしてきた。

 これは、『私にまかせて♪』ということか?


 「ルナちゃんが先に呼んでたからルナちゃんでいいんじゃない?」


 「さすがエシュテルさん、話が分かります!」


 「じゃあ、私は何て呼べばいいんですか?」


 そういい神様はアメリアにそっと耳に近づき、ヒソヒソ話をし始めた。

 途端にアメリアの目がきらりと光った。

 そして、神様は笑いながらアメリアの肩をそっと叩いた。


 「それで決まったのか……?」


 「はいっ! ユウスケ様!」


 「っ!?」


 俺は、アメリアの笑顔に見取られた。

 

 「どうですか? 貴族っぽいですか?」


 「ああっ、アメリアって貴族なのか?」


 「そうですよー。 私はこの国の公爵家ですよ?」


 「やっぱりか」


 「あれ、あまり驚かないっ!?」


 貴族オーラが出てたからな。みんな気づいてただろう。気づかないほうがおかしいだろう。


 「私は、王都まで帰ってたのですけど、途中に賊に襲われてしまって……あ、あの、ユウスケ様はどちらに?」


 「あぁー、俺たちも王都まで行く途中だよ」


 「そうなんですかっ!?奇遇ですね!あ、あの……、私も一緒についてってもいいですか?」


 「俺はいいけど……」


 「私は別に構わないよ。 ね?お兄さん♪」


 「事故だからしょうがないですもんね……」


 「じゃあ、アメリア一緒に行こうか」


 「はいっ!」


 おぉ!こんな可愛い女の子が一緒に旅できるなんて、両手前に花だな! はっはっは、羨ましいだろう全国の男子どもー!


 「じゃあ、出発するかー!」


 「「おーっ!」」


 「お兄さん、すごいご機嫌だね♪」


 「…………」


 神様に聞かれたぁあああああああ!



誤字・脱字あったらすみません。


感想、アドバイス、質問を待ってます、てか送ってください。寂しい‥‥(´・ω・`)

悪口はやめてね。作者は豆腐メンタルなので泣いちゃうから‥‥(´;ω;`)


アドバイスも待っています。

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↓とあるVRMMOの廃課金ネカマプレイヤーが突如異世界転移して、異世界で自分のキャラを愛でる無双物語

ネカマおじさん、異世界TSする。 ~異世界で無双したい!~

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