ルナと廃村デート
~盗賊団 お頭視点~
――時が遡り、まだユウスケたちが廃村へ向かっているときのできごと。
「お頭っ!大変です!」
盗賊団の下っ端は、慌てて走ってきた。
「なんだぁ?今、奴隷ちゃんたちと遊んでいるとき邪魔しやがって、もしケソ情報だったら承知しねぇぞ
お前は……」
そういいお頭は、下っ端の鎧につけているプレートを見た。
「そう、下っ端F!」
「はいっす!」
そう、この盗賊団はすべての下っ端をA~Zで通している。
「それで、報告は?」
「はいっす!このアジトに向かってくる二人を確認してきましたとの偵察班のQとKが報告してました」
下っ端Fは、胸に右手の拳をあてて報告している。
「二人か?周辺に王国軍とかは?」
「ないとの報告です!」
「ない……っか。 じゃあ、この俺を二人係でやろうっていうのか?」
「分かった。偵察班はそのまま偵察していろ、何か情報を掴んだら報告しろと言え。 射撃班は配置につけ。 残りは、散らばれ班行動をしろ。俺は、奴隷ちゃんたちと遊ぶのに手一杯だ」
そうすると、奴隷3人が座っているテーブルに向かった。
「はいっす!」
そういい、下っ端Fは急いでほかの下っ端たちに報告をしにいった。
「さぁ、奴隷ちゃんたち遊びの続きをするぞ」
「「「はい…………」」」
そういい、テーブルに置いてあるボードゲームで遊びだした。
「クソっ!また負けた。運いいな、俺もあと少しで上がれたのによう」
そう、お頭と奴隷3人はすごろくをしていた。
「さぁ、続きしようぜ。 そんな暗い顔すんなよ。 何もしねぇよ」
「「「はい……」」」
そのすごろくは、ユウスケたちが来るまで続いた……。
◇
~ユウスケ視点~
「まず、どっからせめるか……」
「範囲魔法で一気に蹴散らすか……?」
「それはダメですよ!もし建物に子供たちがいたらどうするんですか!」
今俺たちは、廃村の一つの建物の影に隠れていた。
なんで、建物の影に隠れているかって?
そんなもん、真正面から行くという馬鹿の真似をするわけないだろう。
だから、廃村の周りにある木々に忍びに行って、建物の影に入ったというわけだ。
嘘です。
これは、ルナの提案です。
俺は真正面に突っ込もうとしました。
子供たちが捕まっているので下手に動けないでいる。
「じゃあ、サーチでもするか」
「《サーチ》」
ふむふむふーむ。廃村の周りの建物に盗賊団の反応がありと……。
どの建物にも3人は隠れていると。
そして、大きい屋敷っぽい建物に複数人の人間がいると……そこが、リーダーがいるところか。
「分かり……ましたか?」
「あぁ……、廃村の各建物に盗賊団が3人いるところかな。屋敷のなかに……」
「ふぇ……っ!? ~~~っ」
俺たちは、隠れているため声を出すとばれるので、ルナの耳元でしゃべった。
耳元でじゃべった途端にルナの顔が真っ赤になった。
「おい、ルナちゃんと聞いているか?」
「ふぁい……聞いていましゅ……」
それを見た俺は耳元から離れ、小声でしゃべった。
そして、少し待つとルナの顔色が戻った。
「それで屋敷に複数の反応、たぶん屋敷に頭がいる。 まぁ屋敷だし、リーダーぽいのがいるだろう。 囮の可能性もあるかも知れないけど……」
「とりあえず、周りの建物に範囲魔法撃っていいか?撃っていいよね、俺スッキリしたい」
「ユウスケさん……。 どれだけ魔法撃ちたいんですか! それに最後本音を言ってましたよ!」
「でも、手っ取り早いし……」
「まずは、情報収集しましょうよ、この盗賊団は、王国でも手を焼いているんですよ?」
「何故そのことを知っているの?」
「盗賊団を壊滅するために村にちょくちょく王国軍が来るんですよ。 でも、王国軍は誰一人も帰ってこないんです」
「だから、情報収集して手の内を調べるってことか」
「そうです。人の命がかかっている以上慎重にいかないと……」
「だな」
「まずは、この建物を制圧するか」
「はい」
そう言い、俺たちが隠れているこの建物に指をさした。
まぁ、まだ見つかってなければいいんだけど。
「ユウスケさん、激しい魔法を撃たないでくださいね?」
「お、おう」
「じゃあ、ルナ魔法を掛けるぞ。《リフラクション》」
「それって、どんな魔法なんですか‥‥ってあれ?ユウスケさん、どこですか?」
「ここにいるよ」
「ひゃっ……!?」
そういい、ルナの耳元でしゃべった。
今掛けた魔法は、光属性魔法の 《リフラクション》、リフレクターではないよ?この魔法は、掛けた物の認識をずらす効果がある。とても、便利な魔法だ。
この魔法を前世で使いたかった。
「じゃあ、建物の中に潜入するぞルナ」
「はい!」
俺たちは、気づかれずに建物の中に潜入した。
俺たちが入ったのは、ボロイ木造建築の民家だ。
そこには、盗賊団らしき人影が見えた。
剣を取り出し、そのまま踏み込んだ。
――ギィイ
「っ!?」
踏み込んだとたんに床から音が聞こえた。
「誰だ!」
盗賊団の一人が声をあげ、ぞろぞろと二人が現れた。
盗賊団も床が『ギィイ』となりながら俺たち前に現れた。
あちゃー。失敗したな。
「どうした?」
一人の下っ端がほかの下っ端に話しかけた。
「誰かがこの建物に潜入した。たぶん、このアジトに向かっていた連中だろう」
「何っ!? おい、J! 今すぐお頭に報告しにいけ、ここは俺たちに足止めする。 相手は二人、こっちには、Tと俺がいる。 いけ!」
「はいっすぅううう!」
Jと呼ばれた男は、窓らしきところから飛び出し走っていった。
えっ? JやらTやら名前とかないのか?
適当すぎるだろ!
というか鎧にプレートがあり、Lって刻まれている。
何こいつ、下っ端Lということか?
「L、敵は見えたか?」
「T、いやわからんが足音が聞こえたってことはこの近くにいる、油断するなよ……」
「分かっている」
まじで呼ばれたよ!隠れているとかまぁそうなんだけど、お前たちの目の前にいるぞ。
というか、下っ端のくせになんかかっこいいな。二人ともめっちゃごついんだけど
なんか、いくつもの戦で勝ち抜いたって感じで、顔にはいくつもの傷跡がある。
もう一人のTとやらはなんか目に傷跡があり片目で見てるよ。
そんなことしてる場合じゃねぇ。なんで俺たちこんなやりとりを見ていたんだ。
まったく……。
おれは、Tに目掛けて走りそのまま剣で首元を抑えた。
「動くな!」
「っ!?」
「死にたくなければ知っている情報をすべて吐け!」
「そうです。あなたたちはもう終わりです」
そういい、ルナはLとやらに杖を向け、魔法を撃つ構えをしていた。
「ふん、知ってても敵に情報を渡さねぇ、さっさと殺しな‥‥俺たちの負けだ」
なにこれ、めっちゃかっこいいんですけど。なんか俺たちが悪役ぽいんだけど!?
「《バインド》」
俺は、下っ端たちに闇属性魔法の 《バインド》で縛った。
誤字・脱字あったらすみません。
神様「今回もやってきた!魔法鑑定のコーナーだよ!」
ユウスケ「今回は、二つの魔法が出てたな」
神様「そうだね♪ 本当にお兄さん強くなったね♪」
ユウスケ「ま、そう……だな……」
神様「照れちゃって、ふふっ♪」
神様「じゃあ、行くよ。 お願いね鑑定先生!」
鑑定先生「お任せください」
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魔法 《リフラクション》
・光属性魔法
・使用魔力 50
・制限時間は、術者のINTの数×1秒
・相手の認識からずらす魔法
・相手と術者のLUKの差が大きければ大きいほどに認識が困難になる。
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神様「お兄さんみたいなステータス化け物が使えばかなり強いね……」
ユウスケ「これさえ、あれば……グヘヘ……」
神様「…………」
鑑定先生「次いきます」
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魔法 《バインド》
・闇属性魔法
・使用魔力 50
・拘束時間は、術者のSTR×1秒
・術者の魔力をひも型して、相手を拘束する魔法
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ユウスケ「この魔法も汎用性が高くて強いな」
神様「ほんとだよ……お兄さんが使うと、チート性能になっちゃうね……」
ユウスケ「これもあれば……グヘヘ……」
神様「…………」
ユウスケ「素晴らしき魔法だな両方とも。 最高だぜ!」
神様「言っとくけどお兄さん。 私にそんな魔法効かないよ?」
ユウスケ「え…………っ?」




