ルナと、とりあえず世間話をする。
――俺とルナは、迷いの森から出たところ。
「それでルナさんや」
「はい、何でしょうかユウスケさん」
「盗賊団のアジトってどこにあるの?」
「すみません。私、必死に逃げてたのでわからないです」
「盗賊団のアジトの居場所とか、噂で聞いたこと?」
「すみません。村外れに住んでいたので、そういう噂を聞いていませんでした」
あっ、これは、詰んだか?
アジトを探さないと助けられないじゃん……。
どうするか……。
「役に立てなくて、ごめんなさい……」
ルナは、下を向き今でも泣きそうな顔をしていた。
「そんな、暗い顔すんなよ。俺が必ず見つけ出すから」
「はい……」
俺は、ルナを慰めるため頭を撫でた。
ルナは、みるみる顔が緩んでいった。
「えへへー……♪」
「まぁ、俺にまかせろ。 たぶん、盗賊団のアジトはこの近辺にあるだろう」
「なんで、そんなことがわかるんですか?」
「だってそうだろう?村の近くにアジトがなきゃ、村を偵察ができない、奴隷や子供を連れてこれないということだな」
「ルナは、村で何人もの行方不明になったとか聞いていない?」
「たしかに、村でよく騒がれていました」
「じゃあ、決まりだな」
こういうときに魔法を使わないとな。
イメージしろ!俺。
俺の魔力で周囲を察知するイメージ……。
魔法名は、《サーチ》だな。
「《サーチ》!」
俺は、体から魔力を放った。魔力操作により、周囲に魔力を散らばらせた。
俺は、目を瞑り魔力操作に集中した。
そして、俺の魔力に十数人の人型ものが脳裏に浮かんだ。
「なるほど、こんな感じに察知するんだな」
なれない魔力操作だったが、久々の魔法適正先生の力でコツを掴んだ。
「どうしましたか?」
ルナは、『?』っと頭の上に出ているかのように首を傾げた。
うん、その仕草可愛い。
「あっ、うん。 盗賊団のアジトを見つけたよ」
「本当ですかっ!」
ルナは、両手を合わせ『ぱぁあ』と笑顔になった。
本当に表情が豊かだな。その笑顔を写真で撮りたい。写真はないんだけど。でも、神様がもっていそうな気がする。修行が終わったら聞いてみよう。
「アジトはどこにあるんですか?」
「ここから、北へ2km先の廃村らしきとこだね」
「廃村ですか?」
「あぁ……、聞いたことは……」
「ないです……」
「そっか……。 とりあえず行ってみようか」
その前に、《サーチ》の能力をしらないから、鑑定しとこ。
《鑑定》
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魔法 《サーチ》
・無属性魔法
・使用魔力 放った長さによる。 半径1m以内は0
・自分の魔力を周囲に放てる。
・放った魔力は、生命体に反応し、魔力の持ち主に伝わる。
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なるほど、そういう効果か。半径1m以内ならずっとサーチしとこ。
これで不意打ちは怖くなくなった。
俺たちは、廃村まで来ていた。
「ルナ、気を引き締めるぞ。 ここからは敵の本拠地だ」
「はいっ!」
「俺のそばから離れるなよ、ルナ」
「えっ…………? は、はいぃっ」
ルナはユウスケに一瞬だが頭を撫でられたおかげで、顔が真っ赤になり両手で顔をふさいだ。
まったく……。
「おーい、しっかりしろ」
俺はそういい、ルナの頭に右手を置き、髪をぐしゃぐしゃにした。
「…………っ!?」
さっきより、マシになったがまだちょっと顔が赤い。
何これ?まさか、ルナを攻略してしまったか? なわけあるわけないか。
「じゃあ、乗り込むぞルナ!」
「うん‥‥‥‥」
俺は、《格納》から剣を取り出し、ルナは腰のベルトにある長さ20cmぐらいの金属の杖を取り出して戦闘の準備ができた。
さぁ、狩りの始まりだぜ! 盗賊団どもよ、俺の圧倒的強さに跪け!
誤字・脱字あったらすみません。




