プラムの魔法
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プラムは横たわるユウスケの体を見る。
5か所の刺し傷で今にも死にそうだ。
プラムは念のためにユウスケの体から出る時にユウスケの魂を先程までいた空間に置いてきた。
これで精神が死ぬことはないだろう。
まったく奴をここまで痛みつけるとは……。
プラムの内心では不快と感じつつ少女に対する怒りが芽生えていた。
「私が不意打ちをくらってしまうなんて……何たる失態」
少女の止めを阻止するように不意打ちで《投石》が上半身に直撃していた。
刀を支えに少女は立ち上がるが、まだダメージが残ってるのか少しふらついている。
「我はあまり回復魔法は得意じゃないが、そうは言ってはいられん――《超回復》」
プラムはユウスケの体に向けて回復魔法を掛ける。
それによりユウスケの体が淡い光に包まれ、刺し傷が徐々に塞がる。
これで身体と精神の無事を確認できた。
あとは目の前の敵を排除しなければならない。
「ユウスケはもう戦えない、だから手を出さないでほしい」
「そんなの関係ない!」
少女は自分の影に向けて刀を刺そうと振り上げてから落とす。
だが、その攻撃は阻害された。
少女の腕には半透明な鎖が巻き付いていて動かすことができなかった。
「くっ……! これはなんだ!?」
少女は腕を動かして抵抗をしているが、鎖が外れることはない。
「貴様、私に何をしたっ!」
怒りの矛先をプラムに向ける。
「これは我というか昔の勇者と共に創った魔法じゃよ。 名は《魔ヲ壊スモノ》」
プラムの左手は前に出していて手の平から、少女の腕に巻き付いていた半透明な鎖が出ている。
「この魔法の効力は強力な故に魔力消費が激しいから一気に決めるぞ!」
プラムは手の平に出ている鎖を掴み、少女を引くように引っ張るとその力に抗う術はないので引き寄せられる。
「《大地の槍》!」
「ぐぁああっ」
地面からトゲのように円錐状に盛り上がり、少女の脚に突き刺さる。
脚の痛みにより立つことが困難で地面に着こうと手を前に出す。
「ぐぁああああああああああああっ!」
だが、その手は先程発動していた《大地の槍》により突き刺されている。
苦痛により叫びと呻きしか発することが出来ない。
彼女の周りの地面には血により赤黒く染まっている。
「なじぇ…まりょくが…だしぇない……」
「それは鎖がお主の魔力を吸って魔法疎かスキルも発動できん。 その魔力は対象者と術者も吸われるが術者に関しては魔法を発動できないほどではないがな」
どうやら少女は防御に魔力術を使って《対物盾》などを発動させようとしたが鎖によって発動ができなくなり攻撃をくらってしまったらしい。
この鎖は術者が解かない限り、続く。
「もう苦痛から解放されたいじゃろ」
少女は頷くことしかできなかった。
「そっか……。 お主の要望通り苦痛から解放してやろうかの」
少女はプラムの慈悲によりこの痛みから解放されると思ったが、
――「止めを刺して」
その言葉により絶望を感じてしまう。
「 《岩巨人の破壊拳》っ!」
虚空から5mほどの巨大な岩で形成された拳を出現させ、少女に向けて殴る。
少女は殴り飛ばされ、木々に衝突しながらも勢いは止まらなかった。
「どうやら我はここまで怒れるほどにユウスケに対して好感度を抱ているとはな」
そう言い、プラムはユウスケの魂と入れ替わるように中に入っていく。
ユウスケが目覚めたのは数分後。
普段はふざけながらユウスケと触れ合っていたが、この時から多少はじゃれ合い度が増えた。
ユウスケから吸う魔力に関して本心を伝えているという事実。
少しやり過ぎた感がある……。
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