少女の怒り
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二人を抱えて走ってるガルトに追い着くために、《強風蹴》を発動している。
脚に纏った風により走ってる速度が徐々に加速する。
「あの少女は危険だ。 とくに人質を抱えているガルトの前に塞がったら作戦が失敗する。だから、急がないと……!」
無我夢中に走ってると、いつの間にか気づかないうちに地面に倒れていた。
そして、痛みもその時に気づく。
痛みが発生している箇所を見ると、右太腿に何か鋭利な物に貫かれたような傷にドバドバと血が垂れている。
太腿がやられているため、力が入らず立てることが困難になった。
「痛ってぇ……」
傷を治そうと《ヒール》を使おうとした途端、少し離れた木影からさっきの少女が睨むようにこっちを見ているのに気づく。
目が合った瞬間手に持っていた吹き矢の筒を地面に投げ捨て、しゃがんで影から刀を取り出した。
少女は地面に倒れている俺に目掛けて走る。
走りながら徐々に前屈みな体勢になり、鞘を左手に支えながら右手で柄を持って如何にも居合をしそうだ。
今回復していると即時回復はできるが攻撃がかわせない。
かと言って、傷のせいで立てないので避けることが難しいが魔法が一発撃てる余裕はある。
「死になさいっ!」
俺が思考している間にいつの間にか目と鼻の先まで近づいていた。
考えている場合じゃない!
とりあえず防御魔法を貼っとかないと。
「《対物盾》」
体全体に自身の魔力で出来た膜を貼る。
何とか居合斬りが当たる寸前に貼ることが成功した。
だが、防がれたことにより少女は防御魔法が崩れるまで連続で斬りつける。
「クソッ! ちゃちな防御魔法がァ!」
連撃の速度と威力が高く防御魔法が耐えられそうになく、気を抜くとすぐに崩れる。
防御魔法に魔力を注いでいる間に少量の魔力で《ヒール》を使い、傷を直す。
防御魔法が崩れる前に《格納》で虚空から魔法断切剣を取り出し、タイミングを見計り剣で攻撃を受け止める。
予想以上に魔力を消費したため、あまり魔法を使わずに戦わないといけなくなった。
剣で攻撃を受け止めていると、自然と少女の剣の力量が大体理解してきた。
技を使わないで押し負かそうとして、俺を半歩ほど下がらせるあたり単純な力技でも強力だ。
「《強風蹴》」
脚を風で纏い、少女に向かって蹴る。
だが当たる寸前に後ろに下がって蹴りを避ける。
俺は攻撃を外したが、そのまま地を蹴って後ろに下がって距離をとる。
「ガルトの所には行かせねぇ!」
「別に行く必要はない」
「なにっ!?」
「安心しなさい。私の力ですでに身動きできない状態にしてるから、あなたを始末してから向かうから」
「そんなこと絶対にさせない。お前をここで止める!」
「無理ですね」
少女は刀を地面に刺したと思ったら、刀の刀身の上半分が消えている。
すると、脚から再び痛みが発生する。
脚を見ると、刀に貫かれている。
「私のスキル《影魔法》。 強者のみ許された力よ」
俺は痛みにより立つことが難しく、地面に片膝をついてしまう。
少女は自分の影で出来ている地面から刀を抜き、もう一度刺す。
次は右腕、その次は左腕と刺してくる。
「《ヒー…―「させない!」」
《ヒール》を唱えようとしていると、再び俺の影から刀が出てきて腹を刺してくる。
刺す痛みにより魔力操作が上手くいかずに不発で終わってしまう。
そして、地面に倒れてしまう。
「徹底的に潰します」
少女は狂気の笑みでこちらを見下ろす。
刺された箇所から血が垂れていき、意識が朦朧していき思考すらできない。
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