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同窓会2
「浅井、久しぶり。」
「久しぶり。」
「焼けてるなあ。」
「海のそばに住んでいるからね。」
「浅井君。久しぶりだね。」
「久しぶり。」
「きてたんだ。」
「ああ。」
「こういうのに出席するのって、珍しいんじゃない?」
「そっ、そうかな。」
挨拶程度の会話。
居場所を探すが、みつからない感じ。
やっぱりこういうところは苦手。
同窓会が始まる。
しばらくして、同窓会の主役の”小五郎”とその相手”佐藤久美”が入場。
みんな、駆け寄る。
少し離れたところから、”小五郎”をみる。
緩んだ顔の”小五郎”。
そして、隣の女性。
彼女か、”佐藤久美”って。
高校3年の時、ときどき、屋上にでかけていた。
昼休みには混んでいた屋上も終業時間後は静かだった。
しばらくの間、屋上から遠くを見つめる。
そして、帰る。
これだけだ。
そこで何度か彼女を見かけたことがある。
違う学年かと思っていた。
彼女の遠くを見つめる横顔をずっと見つめていたことがあったことを思い出した。
彼女がそんな僕に気がついていたかどうかはわからない。