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真実2
「親父がそんなことを?」
「きちんとお礼したかったのに名前を聞くことすらできまま、走り去ってしまったわ。」
香奈のママが話を続ける。
「9月の終わりだったかしら。香奈が学校から帰ってきて言うの。『ワタシを助けてくれたオジサンを見たって。』そして、車のナンバーを覚えていたの。覚えやすいナンバーだったからかもしれないわ。」
「わたしはそのナンバーをもとに探したわ。すぐに見つかり、拓実君のお宅にお礼にいったの。その時には、拓実君のお母様もいたから、拓実君のお父様もお母様にも会っているわ。」




