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真実

「少し、おばさんの話を黙って聞いてね。」

「香奈が物心着く前に、主人と別れたの。それから女手ひとつで久美と香奈を育てたわ。」

「香奈が小学校に入った年だったから、久美と拓実君は小学2年の年のことになるわね。」

「暑い夏の日だった。家族で海に行ったの。私は泳ぎが苦手でずっと砂浜にいたわ。」

「突然、2人の娘たちの叫び声が聞こえて。見ると2人が溺れていてね。私はパニック。」

「すると、猛然と駆けていく男の人がいて、その彼が2人を助けてくれたの。」

「実は溺れた久美を香奈が助けようとして香奈が溺れたの。でも、小学1年生が溺れた子を助けられるわけがないじゃない。2人は助かったあと、泣きじゃくっていたわ。」

「私は助けてくれた彼に挨拶をした。すると、彼。『ちょっと、待っていてくだださい。』といって駆け出した。百メートル余り駆け、砂浜にあった白いビニール袋を手にして戻ってきた。『これどうぞ。娘さんと食べてください。割れちゃてますが美味しいはずです。スイカの目利きの自信ありますから。』『助けてもらったうえに。』『いいんですよ。息子とスイカ割の約束してて。割れたスイカじゃあスイカ割できないから。息子を待たせているから、これで。』そう言い残して、走り去っていった。もちろん、割れたスイカを持っていたわけではなく、助ける際、スイカを投げ出して割れたのだと思うわ。」


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