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同窓会5
小五郎と佐藤久美が会場の端にいる我々のところにもまわってきた。
まさに披露宴みたいだ。
「この度はご結婚、おめでとうございます。」
慣れない言葉をいい、お辞儀をする。
「拓実君、きてくれてありがとう。」
僕を拓実君と呼ぶのは小五郎先生だけだ。
ワキをはじめ、中学時代の友達は、“拓”と呼び、高校時代の友達は“浅井”“浅井君”と呼ぶ。
親や兄貴は“拓実”だ。
佐藤久美にも挨拶をする。
「おめでとうございます。」
「ありがとうございます。」
深々と
隣にいた佐藤香奈が言う。
「おめでとう。」
佐藤久美が答える。
「ありがとう。」




