058 「お話しの続きをしてよ」
はい。
リズです。
寝てました。
だって、エリカの話つまんないし。
それに、異世界にきていきなり徹夜で山を越えて命懸けで戦って。
疲れているんだし、しょうがないじゃん。
て、だめ?
船は、港についた。
そこで、物資と兵士の補給が始まる。
なによ、結局ローゼンベルクが支配してるのは王宮だけなわけ?
それ以外の場所ではエリカが普通にえらそうにしている。
とりあえず、皆忙しくなった。
わたしに唯一気を使ってくれていた日出男ですら、相手をしてくれなくなる。
港は。
案外普通だった。
多分、ヨーロッパの田舎にある港町だといわれても、信じただろうね。ヨーロッパ行ったことないけど。
暇なわたしは、船室のひとつを勝手に使って仮眠をとる。
気がつくと夕暮れだ。
船はまだ出港していないところをみると、多分明日になるのだろう。
さて。
目覚めたわたしはふらふらしながら、ドクター・ディーのところに行ってみる。
いるじゃん。
わたしの他にも暇なやつ。
「失敬だな」
ドクター・ディーはわたしを見るなり言った。
まだ何も言ってないのに、なんだそりゃ。
「暇そうだと思ったのだろう」
ドクター・ディーの言葉に思わず頷く。
ドクターは苦笑する。
「わたしには戦い以外の務めがあるが、まあいい。お嬢ちゃん、きみの相手をしようじゃないか」
じゃあさ、お話しの続きをしてよ。
土曜日の本が、それからどうなったのか。