057 「とてつもない魔法」
ドクター・ディーは、世界の秘密が記された魔法書、「土曜日の本」を手に入れることなくイギリスへ帰ることとなった。
イギリスでジェームズ1世が即位した後には、不遇の時代が訪れる。
ドクターは貧困の中で引退後の生活を、送っていた。
でも、そのドクター・ディーの前に。
ウルリッヒが訪れたのよ。
プラハから。
「土曜日の本」を携えて。
それだけではない。
ウルリッヒと行動を共にしていたのは、エル・ドレイク。
エリザベス女王時代の大海賊。
彼はね。
歴史上では死んでいたのよ。
そのときには。
でも。
ウルリッヒは、エル・ドレイクを蘇らせた。キャプテン・ドラゴンとしてね。
「土曜日の本」を使えば、そのくらいのことは可能なの。
ウルリッヒは、とてつもない魔法を手に入れたのだけれど。
ウルリッヒは、追われていた。
バチカン、つまりカトリック教会は「土曜日の本」を異端中の異端として抹殺しようとしていたの。
ウルリッヒはドクター・ディーに協力を要請する。
バチカンの刺客の手が届かない。
遠い東洋の島国へいって、「土曜日の本」を研究するため。
共にきて欲しいと。
ちょっと。
リズ、あんた聞いてるの?
目が死んでるよ。
ていうか。
目あけて寝てる?