表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
124/132

124 「みっともないから泣いてんじゃあないよ」

気がつくと、傍らに黒の剣士がいた。

一緒にこの時空間へ飛ばされたはずの、エリカが召喚したのだろう。

でもだめだ。

黒の剣士に、出来ることなどない。

世界に辿り着く前に、光の矢に切り刻まれ、相討ちすらできないと思う。

黒の剣士は、剣を虚空に掲げた。

刀身が、闇色に輝く。

空間に亀裂ができ、中に封印されていた魂が解放される。

そこに、現れたのは。

わたしだった。

わたし、つまり春妃だ。

彼女は、夏の空みたいに青いワンピースを着て、ナチの軍用ブーツをはいており。

どこか邪悪な、笑みを浮かべる。


「みっともないから泣いてんじゃあないよ、わたし」


春妃は、薄く笑いながら、わたしを見ている。

わたしは、あんぐりと口を開け、大きく目をひらく。

ようやく、わたしは理解した。

わたしは、つまり春妃は、黒の剣士の使い手だったのだろう。

そして、自らの命を絶つときに、黒の剣士が振るう剣を使ったのだ。

春妃の心臓を貫いたであろうその剣は、アビリティーを発動して春妃の、わたしの魂を封印した。

なるほど、エリカが黒の剣士をわたしに使わそうとしなかったわけだわ。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ