4話 色々な男達
ざわざわ『中間、藤堂が1位だって。』ざわざわ『アイツ、体力テストも1位だってよ。』ざわざわ『天才は全て持ってるから良いよな~』ざわざわ
みなさま、こんにちは。
つ、ついに、中間テストの結果が出ました!!
この学校では、上位10位までが学校に張り出されるんですが、みなさんが噂してる通り、冬斗くんは2位と圧倒的差をつけて1位でした!!
私はというと、10位とギリギリ入りました~
やった~♪
ちなみに、秋良くんは5位でした~
そして、今回は年の始めなので、体力テストも一緒に発表されました。
で、これも噂通りに、冬斗くんは1位でした~。
2位は秋良くんでした~。
二人ともスゴイですよね~。
え!?わたしですか?
私は、運動は得意ではないので、平均以下でした…
「あ、ゆうり、おはよう!!」
「ゆうりちゃん、おっはー」
「2人とも、おはようございます。」
冬斗くんと秋良くんは、お家の方向が同じなので、毎朝、一緒に登校してるようです。
良いな~私は方向が違うので、一緒には行けないんです。
「ゆうりちゃん、スゴイじゃん!!10位だなんて!!」
「と、言って、秋良くんは5位じゃないですか~!!」
「まあね、でも、やっぱり冬斗には敵わないよ、得意の体育でも勝てないなんて!」
「いや、何も努力してないように言うけど、ちゃんと努力しての結果だから…」
「「え!?そうなの?」」
「うん、そうだよ。それに、昔は勉強も運動も全然ダメだったしね~」
「では、冬斗くんは、『天才』ではなく『秀才』なんですね!!」
「厳密に言うとそうだね。」
「どちらにしろ、すごいことには違いないけどね。」
今日も充実した1日でしたね~
冬斗くんは、実は努力家だったんですね。
人って、努力したらちゃんと報われるんですね!!
私もこれを見習って、毎朝、ランニングでもしなければ!
そうこうしてる内に、家に着きました。
『ガラガラ』
「ただいまー」
「「お嬢、おかえりなさい!!」」
「お嬢、学校はどうだったですか?」
「お嬢に近づこうとする、不埒な奴はいませんでしたか?」
この人達は、私の父の舎弟さんです。
何かと私を心配してくれる、良い人達なんです!!
「今日も、楽しかったです。残念ながら、私に近づこうとする人なんていませんよ!!」
「もし、いたら、俺らに言ってください、退治しますんで!!」
「お気持ちだけで、充分です!!」
この人達が、本気になったらコワいので遠慮しときます…
ホントに怒ったらコワいんですよ、この人達…
『ダッダッダッ』
「ゆうり!!成績はどうだったか?半分より上だろうなー!!」
この人は、私の父です。
顔は男前ですが、中身が残念なんです…
「もちろんです。なんと、10位だったんです!!」
「なんだと!おい、母さんや、今日の飯はタイの塩焼きに赤飯だ!!」
あ~出ましたよ、親ばかが…
お父さん、恥ずかしいので、やめてください…
と、その時、
「何、馬鹿げたことを言ってるんですか!!」
この声の主は、私の母です。
父とは違って、とっても、男前な性格なんです!!
「だって、母さんや、ゆうりが学年10位だったんだぞ!!」
「確かに凄い事ですけど、甘やかしてはいけません!!」
「だって~」
「だっても何もありません!!」
「はい…すみません」
そうなのです。
ご覧の通り、我が家はかかあ天下なんです。
結婚する前からこうなのだとか…
『バタバタバタ』
「なんだって!?ゆうりが、学年10位だと!!」
煩く登場したこの人は、私の兄です。
兄は中卒で、とてつもなくバカなのです。
そして…
「ゆうり、おめでとう。お兄ちゃんは、ご褒美に何でも好きなものを買ってやるぞ!!」
「こら、ゆうりを甘やかしたらいけません!!」
「だって、ゆうりが可愛いから…」
「だっても何もありません!!」
そう…
兄は、シスコンなんです。
顔は悪くないのに…
なぜ、我が家の男たちは、こうも残念なんでしょうか…
「「ゆうり~」」
「アンタ達、ゆうりゆうり、煩い!!」
「「「は、はい!!」」
ゆうりの家族構成は
父:慎太
母:朱里
兄:悠太
と舎弟達です。
次回は、だいぶ話が飛びます。