1,5話 藤堂冬斗視点
1話の冬斗視点です。
「あれ?」
俺は、いつも通り(1週間だけどね)下校するため、靴箱を開けた。
中には、1枚の手紙があった。
正直に言うと俺はモテる。だから、この手紙も同じだろうと思った。
中は、名前がなく、綺麗な字で、『話したい事があるから、今から桜の木の下に来てほしい』と書かれてた。
正直、めんどくさかったけど、可哀相なので行くことにした。
「ウソだろ?」
指定された場所に行くと、案の定、人がいた。
だが、その相手は『春岡ゆうり』だった。
ー春岡ゆうりー彼女は、極道の娘である。
彼女自身も目力が凄いらしく、噂では、目が合っただけで誰もが畏れるらしい(俺は、何も思わないが)。
確かに顔は可愛いが、極道の娘はちょっと…
よし、きっぱり断ろう!
それが、俺が考えた結果だ。下手して、付き合ったりした方が後々が大変だ。
彼女もわかってくれるはずだ!!
断るべく話しかけた。
「あ、あの~この手紙を書いたのは、春岡さん?」
「はい!!て、あれ?手紙に名前が書いてありませんでしたか?」
やっぱりそうですよね~
てか、わざと名前を書かなかったわけじゃないんだ…
「名無しだったよ」
「忘れてた!!」
ちゃんと確認しようよ!!
「ま、それはいいけど。言いたいことって何?」
「私、初めて会った時、気づいたんです。あなたこそ運命の人だと!!」
「え!?それは違うかと…」
いやいや、絶対に違うだろ!!てゆうか、春岡さんって電波系?
「いえ、違くないです!私たちは運命のー友ーにきまってます!!なので、お友達になってください!!!」
やっぱり、こう来るか~
「ごめん、それはーって、今なんて言った?」
聞き間違えしてなければ、『彼女』じゃなくて『お友達』になってほしいと言われたんだけど…
「お友達になってほしいと言いましたが?」
「お、お友達!?彼女になりたいんじゃなくて?」
「「え!?」」
ウソだろ!?違うの!?
「ありえないです…」
「そう…」
『・・・』
俺ってまさかの自意識過剰!?てゆうか、めっちゃ恥ずかしいんだけど…
あ、友達の件どうしよう。春岡さんって、こう見ると悪い人そうでもないし、断る理由もないし、良いか。
「良いよ」
「え!?」
「だから、友達になるって話。」
「ほ、本当に?」
「うん。これからよろしくね、ゆうり」
「はい、冬斗くん」
俺が、勝手に勘違いしてただけだったけど、まあ、結果よければすべてよしだよね?
なんか、明日から色濃い日々になりそうだな。