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隣の席の猫  作者: 卯侑
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3/6

至福の時



猫くんは人が居なくなったのを見計らって、口を開いた。


「鈴ちゃんって呼んでもいい?」


「うん。別にいいけど」


「ねぇ、鈴ちゃん。俺の髪の毛、ちょくちょく触ってるでしょ」


思ってもみなかった言葉にひゅっと息を飲んだ。


「気がついていたの?」


「うん。いつも眠いけど、いつも寝てる訳じゃないから」


「……ごめん。猫に似てたから、つい」


「……俺の毛って、猫に似てるの?ふーん」


猫くんは、少しだけ考え込むと、笑った。


「撫でたいなら、撫でていいよ。俺も、撫でられるのわりと好きだし」


「い、いいの?」


私が恐る恐る、といった感じで尋ねると、猫くんはまた考え込み


「鈴ちゃん、部活どうするの?」


と言った。

今から行けば十分に間に合うが、正直言って面倒くさかった。


「んー、サボろうかなって思ってる」


「じゃあさ……膝枕してくれる?」


いたずらっぼく笑った。


「ふぇ!?」


「だめならいいけど」


「だ、だめじゃない!」


「じゃあ、お願い」


私が必死に言ったのが、どこかおかしかったのか、笑われてしまった。


膝の上で眠る猫くんの頭をなでなでしているのは至福の時だった。

一、二時間膝枕をしていたため、足がしびれて家まで送って貰ったのは忘れたいが。




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