みなと君と妖精の店2
鳥籠ミニスカートのド派手なドレスを着ながら、店の外で作業をしている妖精を一先ず置いといて、店内へ足を一歩踏み入れる。
手に掛けた扉の内側には、装飾が施されていないシンプルな鐘の形をしたドアベルが、上部に設置されており、カランカランと俺たちの来店に喜びの声を上げる。
ヘイ、ラッシャイ! ヘイ、ラッシャイ!
店員の掛け声を美しく表現するならば、こんなかんじになるのだろう。多分なー
俺よりも先に入店するアイスの後ろ姿を眺めながら、ふと思う。
でも、自宅の玄関にこれを取り付ける家があるけど、開閉する度に音が出るのが鬱陶しくないのかな。夜中や朝方は、近所に迷惑が掛からないように、そーっと開け閉めするの面倒だし。
しかし、コンビニや飲食店、あと商店とかのドアに付いてるのは、逆に好きなんだよな。音が鳴るのって楽しいし。
これって不思議な感覚だ。
我が家のドアに、くっ付いてあるのは嫌なんだけど、余所にあるのは面白くて良い。
なんてことはない、許容範囲の問題なんだけどね。
「あの店長さんの背中に生えている羽ってさ、アイスと同じ羽だよな?」
棚に並べてある商品をチラ見しながら、アイスに話し掛ける。
「そうだが……ミナミナは、どうしてそんな当たり前のことを訊くんだ?」
どうやら、アイスは俺の質問の意図が理解出来ないようだ。
同族で顔見知りが相手だと疑問に感じられないもんだよな。うん、分かるぜ。そーゆーところ、俺にもあるし。
「いや、だってさ、そうだったら――男性ってことになるだろう?」
ギャルゲーの方の女性店長が男装していたら気になるし、乙女ゲーの方の男性店長が女装していたら気になるものだ。
これって日常茶飯事になってしまうと、気付きにくくなってしまう現象だよな。




