みなと君と料理部7
部活動が終わったので、二年の先輩と一緒に下駄箱へ向かう。
いやー、料理部最高だった! 殆ど見ているだけで、最後の片付けをちょっと手伝ったくらいだけど楽しかった~~♪
みんなで集まってワイワイと作業するのって楽しいし面白いね。部活内の雰囲気も良いし、次の活動が待ち遠しいぜ。
「……純は、もう少し時間が掛かるみたい。とりあえず、返信するわね」
蛍都さんはスマートフォンを弄りながら言う。
純ちゃんと俺たちは一緒に登下校しているので、当然下校も基本的に三人で帰る。
なので、今日のように部活動や用事がある場合は、昇降口の方で待ち合わせをして、一緒に帰宅することにしているのだ。
今回は俺たちの方が早く終わったので、純一君待ち。とゆーわけで、純ちゃん、早く来い来い。カモカモ、カモーンなのさ。
現在、蛍都さんは無言状態で、指を高速で動かしながらスマホをタッチしている。多分純一の返事を打っているのだろうなぁ、御苦労様です。
「了解。じゃあ、まだ靴を履かなくてもいいね」
俺がそう言うと、蛍都さんは顔を上げて頷く。そして、再び下を向いてスマホに集中し始める。
蛍都さんが純ちゃんに伝えてくれるなら、俺は携帯を見なくてもいいな。返信内容が重複しちゃうし、別にいいだろう。
「あっ、部活終わった? 一緒に帰ろう」
「ん、待っててくれてありがとなのだー」
二年生の下駄箱から、なのだ先輩と男子生徒の親しげな声が聞こえる。
ま、まさか、なのだ先輩の彼氏!? ととと、ということは、彼はあの保護活動家なのか!! 人類に『なのだ』口調の語尾をプレゼンテーションして普及させる目的の謎の組織のメンバーの……のが多いな、おい!
気になる。
こっそりと声のする方向へ移動する。バレバレのデバガメ、デバガメ~♪
おっ、なのだ先輩、二年の先輩を置いて話し込んでいる。
かなりの親しき仲だ。ピピピ、俺のスーパー観察力で解析すると、これは付き合っていますね。なのだ先輩は部活で作ったおにぎり(真ん丸の形)を彼に渡しているし、絶対に付き合っていますね、これは。
「終わった……って、こんな所で隠れて何を見ているの?」
「あれだよ、あれ」
尋ねられたので、指で状況を示唆する。
俺が指した先へ視線を向けた蛍都さんは、興味津々に目をキラリ輝かせる。
「あら、あら、まぁ! 先輩の恋人が来てたのね」
やっぱり、蛍都さんもそう思うよね。
あの男子生徒は、なのだ先輩の彼氏に決定だな。二人が同意見なら、これは正解ってことだろうし。
ならば、俺が今やるべきことは唯一つ。
ヒュヒュー、ラブいですね、お二人さん~♪ ヒュヒュー、羨ましいです、よっ、お二方~♫
俺の脳内に住んでいるちんどん屋がノリノリで囃し立てている。
「あら、でも、なんだか様子がおかしいというか、急に変な雰囲気になったわね。何があったのかしら……?」
「ん~、先輩方たちが何かを発見して、それを二人に急いで伝えているかんじだね」
デース先輩は手を上下に動かしてアワアワと焦っているし、もう一人の先輩はコソコソとなのだ先輩へ耳打ちしている。
この短い間、二年生たちに何があったんだ?




