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日本タオル産業にみる高品質の商品の壊滅

 日本のタオルの品質は、ここ十五年ほどで、悪化しています。


 日本人は、質の悪いタオルを買わされ、質の悪いタオルを使わされているのです。



 おかしいですよね。経済成長とは、生活水準を向上させていくものであり、決して、後退などはしてはいけないはずです。なのに、日本のタオルは、ここ十五年ほどで質が大幅に低下しているのです。


 日本人に質の悪い暮らしをさせる経済構造とは何か。解明し、糾弾し、改善しなければなりません。



 それは、日本のタオルの原価が、海外で作った方が百分の一の原価で作れることにあります。


 一枚五百円のタオルの原価が5円~8円なのです。


 これは、中国、東南アジアで作った場合です。



 日本で作ると、タオルの原価は、百倍の500円くらいになります。


 この価格差によって、日本のタオル製造業者は壊滅したのです。



 なぜ、時代がすすんだのに、質の悪いタオルを使わなければならなくなるのか。


 中国、東南アジアで作られるタオルに比べて、日本で作られるタオルはふんわかして吸水性が百倍よいのです。あの心地よいタオルがなぜ、壊滅しなければならないのか。



 わたしが子供の頃は、「ソフランS」などが柔らかいタオルの宣伝をしきるに行い、より高品質のタオルを目指していたものです。


 それが、今では日本のタオル市場から、日本製タオルは姿を消してしまった。


 日本の消費者にとっては、大損です。


 やわらかく、心地よいタオルで体をふきたいものです。



 これは、産業の空洞化と関係があります。


 日本でタオルを作ると、原価が百倍だから、バカバカしくて、百分の一の値段で作れる中国、東南アジアのタオルを日本は買わされているのです。



 産業の空洞化によって、生活水準が落ちるっておかしくないですか?


 このように、日本は産業の空洞化によって、経済的危機を迎えています。


 柔らかく吸水性のいいタオルで体をふきたいものです。なのに、市場にそれが売ってない。


 この現象をもっと日本人は深刻に受け止めるべきです。



 海外の安い労働力を買って、企業は儲かったとしても、自分たちの生活水準が下がってもいいんですか?



 織機機械は、日本の豊田自動織機が世界シェア一位だと思いましたから、おそらく、中国、東南アジアのタオル企業も、豊田自動織機の織機機械でタオルを作っているのでしょう。


 それなのに、商品の質が落ちているのは、技術のノウハウが日本から中国、東南アジアへ継承されていないことを示しています。


 これは、日本企業がわざとやっているのか、その企画立案をする人がいなかったからなのかはわかりません。



 わたしは、かつての日本で売られていた柔らかい吸水性のいいタオルが使いたい。誰かなんとかしてください。



 また、これはユニクロの服がダサくなったのと関係しています。


 ユニクロは、企業当初は、おしゃれでシンプルな量産品を発売し、日本の顧客に大好評でした。


 ですが、そのユニクロは、工場を海外へ移転し、かつてのデザインセンスへの気配りを忘れ、ただ、安い量販店へと変わっていきました。最近のユニクロはダサいです。かつてのおしゃれでシンプルな量産品という商品はほとんどなくなってしまいました。


 これも、工場を安い海外へ移転し、日本の技術が意図してか意図せざることによってか、伝えることができずに、産業が空洞化したことと関係があります。



 繊維業において、日本の技術の海外移転は失敗しています。


 早く、その事実に気づき、高品質な繊維製品が日本に輸入されることを望んでいます。


 2008年の時点で、世界の繊維業の78%はアジアで作られており、41%は中国で作られています。中国、アジアの繊維業がおしゃれになれば、世界がおしゃれになる。中国、アジアの繊維業が洗練されていくことを期待しております。



追記。


 今、検索したら、普通に500円くらいで日本製タオルが売ってますね。中国製のタオルの値段も、500円から1500円くらいで、変わりませんね。原価はどうなっているんでしょうか?


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