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公共投資の乗数効果は0.7だという学説

 2ちゃんねるの経済板で「リフレ派の主張はねずみ講である」というスレで、三橋信者と議論していたのですが、そこに、わたしとわたしの論争相手を圧倒する論客が現れました。


 その論客は、現在の近経論文、ザ・モデル論文によれば、公共投資の乗数効果は0.7だといいました。それまでは、三橋信者は、「公共投資の乗数効果は1.5ぐらいだといわれていますね」という主張をして、それを根拠に議論していたのですが、公共投資の乗数効果は最新の経済学では、0.7になるそうです。


 その論争で紹介された加藤涼(日銀職員)の書いた、今の経済学部大学院のほとんどの人が読む教科書だとして、「現代マクロ経済学講義 動学的一般均衡モデル入門」という本を買って読んでみました。


 内容は、行列をたくさん使い、非常に難解ですが、この本によると、1980年代にマクロ経済学というものは崩壊しているのだそうです。具体的には、IS-LM理論(利子率と生産から、投資貯蓄曲線と貨幣需要供給曲線の最適値を求める)が現実とあっていないことが判明してしまったのだそうです。


 IS-LM理論は、2000年のわたしの大学の経済学部の講義でも使われており、わたしはあまり深くは理解していないものの、勉強したことは覚えております。それがまちがっている理論だというのです。そして、その本は、NEW IS-LM理論というものを導き出します。


 残念ながら、このNEW IS-LM理論も、2005年の段階ではまだまちがっているとわかっている理論ですが、当時の日本の経済政策について、具体的には、不良債権処理問題、0金利政策、インフレターゲットについて、数理的モデルを用いて説明しようとします。


 わたしは、この本を、公共投資の乗数効果が1より小さいという証拠がのっていると期待して買ったのですが、残念ながら、そのような特定な政治見解を支持する立場はとっていません。教科書だからでしょうか。


 ただし、「公共投資の乗数効果が1より小さくても、公共投資は量より質だ。必要な公共投資は行うべきだ」ということが書いてあります。暗に、公共投資の乗数効果が1より小さいことをほのめかしているわけです。


 しかし、景気対策としての財政出動は、暗に否定されています。



 結局、せっかく買ったのに、知りたいことは書いてありませんでした。


 2ちゃんねるに現れた論客によれば、公共投資の乗数効果は0.7なのだそうです。


 財政出動で景気浮揚などは行わない方がよいでしょう。


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