#6 連絡待ち
あの後、大佐はまだ書類が終わっていないのか中佐の可愛い鳥に呼び出されて本部へと出向いていった。
私はと言うと神殿でブラブラしながら連絡待ちをしている。早くても1週間見ないと行けないからとは大佐には説明しているので大丈夫だけどね。
あっちでは大変だろうな。呼ぶのは簡単だけど到着がさ。朝だったら飛行機がベストだろうが、ダメだったら新幹線か寝台。半日以上かかるよね。親が又は本人が能力者なんだろうけどね。
とかぼーっと無駄な時間を満喫している次第です。たまに忙しくて愚痴の言霊を鳥として飛ばしてくるサイカをBGMにしながら。
~と携帯電話がなる。2日ぶりだな。あっちなら半日か…頑張ったなと思いつつ出る。着うたに周りにいた神官がビクッとしているのが目のはしに入ったが無視。
「はい?」
「待たせた。用意ができたが」
「それでは、私の居るところを確認してください。電話で“繋がって”ますよね」
「大丈夫だと思うが」「ですよね。天下の本家さんが、出来ないなんてないですもんね」と言いながら待つも中々確認ができてないようだ。時空の穴がちゃんと有ってしかも、その下にいるのにわかんないってどういうこと?大佐の加護でわかりづらいのかしら?
「待たせた。確認できたみたいだ。なかなか面白い世界のようだな。RPGみたいだと呟いていたぞ」
「そうですか。人間は奴隷で竜族とか猫族とかそっちでいう亜人系が社会を回してますよ。あ、探している人神子として崇められているので、好きにしてください。」と教える。
「わかった。確認でき次第。君の要求に答え」
「何をいっているんですか?情報提供だけで、身柄の保証と戸籍だっていってんですよ。出来ないなら切りますよ?わたし単体で次元を越すことも出来ますし。連れてくる人だって多少のペナルティが有れば、できるんですよ。社会的にも間違っていました。本人生きてますって言えば死亡なんて覆るし。記憶喪失って言えば身柄なんて直ぐ出来るんですよ?なんで、私が取引してあげたか解ってますか?勝手に私の身柄渡しましたよね?何を条件にしたか知りませんが、違法ですよね」
と言えばぐうの音を告げない。
「さて、どうします?判断はお任せします。覚悟が決まったらお電話下さい」といい切る。切ったらあちらの方で伸ばしていた探査も千切れたみたい。軟弱だな~
さて、親族会議は何時間続くのかな?とあちらの出方を待ちながら、ダメだった時用に時空を飛ぶ準備をしておく。対価は私の血肉と時間。前回は1ヶ月人形の様に過ごしてました。今回は大佐が着いてくるみたいだから私の対価+大佐の対価になるんだけど、大佐の対価って多分あの長い寿命だと思うんだよ。以前つまらない悠久の時と面白い短い時ならどっちが良い?って聞いたら面白い方だなって笑っていたから痛くも痒くもないだろうけど。
さて、連絡待ちながらご飯を準備しましょうか。神殿のご飯も飽きたし。何食べようかな?ガッチリ肉着けるために肉とか魚とかがいいかしら?そんなことを呟きながら市場でオカズを仕入れて夕食の支度。
ハンバーグ擬きにしますか。肉をミンチにして~と台所で肉と格闘したり。久しぶりに作ったハンバーグを自画自賛したりして夜は更けていった。
翌朝、息苦しさに目を覚ましたら大佐が抱き枕のように私を抱いて寝てました。仕事が終わって報告が来ないため見に来たら、私は熟睡していたためだと思います。熟睡しているとわかんないよねーマジで。
そんな感想を抱きつつ枕元の携帯電話を確認すると姉からメールが入っていました。
元気?と可愛い甥っ子の写真を添付してくれたみたいだけど、サイズが大きいって前にもいったよね?本当に!!と苦笑しつつふわっと幸せな気分を味わっていたら携帯電話をとられました。
ちらっと見て
なんだ?という顔して切りやがりました。人の幸せな気分を!!
「何するんですか!!姉からの手紙なのに」と抗議すると。うん?もう一度寝ろ。と布団を上げられました。温かい布団にくるまれていたらいつの間にかまぶたが落ちていたのでしょう。次に目を覚ましたら携帯電話を使用している大佐が目に入りました。
「あ、今起きた。替わるが?」と誰かと話してますが、人のを勝手に使わないで欲しい。おはようございますと共に携帯電話を渡されて出ると
「今の誰?」と興味津々の姉の声。響くな。「おはよう。こっちの保護者だよ。で、決定したの?長かったね」
「話は直ぐに決まったみたいだけど、報酬が長引いたみたい。あと一時間くらいしたら連絡するとか何とか」
「ありがとう。じゃ朝飯食べながら待っとる」と携帯電話をきる
「聞いたとうりです。今日・明日中には行けるみたいですが、やり残しは?」
「ないな。俺の後は然るべき人間が入る。もう大佐と呼ぶなよ」
「じゃ名前呼びですね」
「間違えるなよ」
「わかりました。ストロングさん」
「他人行儀だな」
「他人ですよ。たとえ肉親でも」
「そうか。ストロングと呼べ」
「はい。頑張ります」と恒例?の名呼び儀式を経て大佐改めてストロングと朝食をとる