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何があっても「そのまま受け止める」

「だまってあがってきて、モノもいえへんし、はらたつねん!」誰でしょうか?その(1)

2005/4/26(火) 午後 1:29

某月某日 母は頑として、、、。母が言うには「廊下に、どこかの白髪のお婆さんと白い服を着た子供が、勝手に上がりこんで、遊んでいる」と主張するのだ。


私が、廊下とリビングの間仕切りになっているドアを開けて。


「お袋ちゃん、見てみぃ~な~、誰もいてへんで、ほ~ら、」と、言うと。


「さっき、そこに、おったわー!、にいちゃんがあけたから、にげたんやわー!」と、こうなのである。


「僕、玄関から入ってきたけど、お婆さんも、子供も、おれへんかったで~」


「わたしは、いつもみてんねん、ふたりであそんでんのん!」と、腹立たしそうに言う母。


「そやかて、おれへんで~」


「そやから、ゆうてるやろーっ、あんたが、きたから、どこかにかくれたんや!、それもわからんのーっ!」


「そんなこと、ないと思うけどな~」と、母には聞こえないように呟いたつもりだが。母は、憤然として怒りだした。(やっぱり、地獄耳の母だ、聞こえていたのだ)。


「あんたわっ!、みてないから、そういうことゆーうねん、わたしは、いつもみてるから、わかってっんねん!」


「そやけど、その二人、なんで、お袋ちゃんが居てるときだけ、来るんかな~」真っ向勝負を避ける私。


「わたしをな~、としよりやおもうてバカにしてんのやっ!」成る程、母の言う事は筋が通っている。


「そんなこと、ないと思うけどな~、それより、お袋ちゃんな~、そんな、変な、二人が入って来てやで~、遊びだけで、お袋ちゃんには、何か、悪さ、せ~へんのかあ」


「わるいことは、せ~へんねん、そこで(母は廊下を指差し)、わたしが、とおられへんようにしてんねん!」


「そんなこと、するん!」思わず、私も母に同調した(えーっ俺どうしたんかなー)。


「そ~やねん、にいちゃん、なんとか、おいだして~なー」


「何も、悪いことせ~へんかったら、遊ばしといたったら、どう~や」


「だまってあがってきて、モノもいえへんしぃ、はらたつねんっ!」この話、母が止めるまで、終わらないのだ。



 「こわいっ?、なんでこわいのん?」誰でしょうか?、その(2)

2005/4/27(水) 午後 0:56

某月某日 夕食後、私は竹で目釘抜き(刀剣に使用する道具)を作り始めた。母はテレビのCMが面白いのか。


「にいちゃんみてみ、はっははは~っ!」と、満面の笑み。ほんとに可愛らしい笑顔である。その直後、母の声のトーンが変わった。


「またきてるぅー、ほんまにぃーっ!」と母が、リビングと廊下のドアを睨みつけながら、私に訴える。


「どうしたんな~、お袋ちゃん?」私は、竹細工用の小刀を置いて、母に声をかけた。


「また、きてんねんでぇー、おばあさんとあのコがっ!」


「廊下の向こうにいてるんか?、何してるのん?」


「ふたりでな~こっちみて、こそこそ、なにかしらんけど、はなしてるわー!」


「お袋ちゃん、聞こえてんのんか~?」


「うん、ハッキリせ~へんけど、きこえてるぅ!」


「そうか~、あんな狭い廊下で、何話してるんかな~」


「わからん?、そやけど、ずぅ~と、わたしをみてんねんでぇ!」


「お袋ちゃん、気のせいちゃうか~」取りあえず、言ってみた。


「なにゆーてのん、みてみぃーな、あそこに、おるやんかー!、あんた、みえへんの?、なさけないっ!」(可哀想なやつやなー)と言わんばかりに母が私を見る。


「うっう~ん、、、、、、」(私には見えない、修行が足りないのか)。


「ほんだら、ちょっと見て来たろうか?」


「うん、にいちゃん、はよいって、みてきてぇ、もうきたら、あかんでぇ、ゆ~て、ゆ~ときやっ!」


「分かった、言う~たるわ」私は、ドアを開け、廊下の中ほどまで行き。


「もう遅いから帰ってちょ~だい、うちの、お袋ちゃんなあ、怒ったら怖いよ~、早よ、帰りぃー!」と、誰もいない?、廊下の向こうに向かって叫んだ。


「でていったかー、にいちゃん!」と母の声。


「うん、帰ったわ!」


「もう、きたら、あかんゆ~てくれたかぁー」


「うん、ちゃんと、言う~たよっ!」


「やっぱり、にいちゃんにゆ~て、よかったわ~」


「お袋ちゃん、あんなあ~、知らん人が勝手に入ってきて、何~んも怖ないんか~」


「こわいっー!、なんでこわいのん?、ここは、うちのイエやでぇー」まあ~、そういう意味で聞いたのではないのだが。(お袋ちゃん、腹座っとるなー)。



「いけへん、ねむたいゆーてるやろっ!」

2005/4/28(木) 午後 0:36

某月某日 そろそろ、母を起こして、デイに送り出す準備の時間だ。さっき母が、何時ものように。「おかあさ~ん、もう、おきてもよろしいか?」と言っていたから、天気も良いし、さぞやご機嫌で。


「お袋ちゃん、さあー、起きよか~?」と布団をめくると。


「きょうはしんどいねん、いややー」


「そやけど、さっき、起きても、え~かー、言うて、言うとったやんかあ」


「そんなこと、ゆーてへんわ!」そりゃそうだ。(さっきは、もう過去やもんなー)。


「温いお湯で顔洗うたら気持ちえ~よ、起きて、はよ、顔洗お~な、おしっこもいかなあかんしぃ」


「おしっこ、でーへん!、かおあらいたないっ!」(わーっ、何時もハッキリしてるわー)心中感心する私だ。


「そんなこと、言う~たらあかん。お袋ちゃんの好きな学校行く時間に遅れるでぇ!」


「びょうきやゆーてるやろっ!がっこうなんか、いったことないわっ!」こんな会話をしながら、なおも、私が、母の毛布を取ろうとすると、母は激しく抵抗。私の頭や腕を。


「なにすんの、いやや、ゆーてるやろーっ!」と言いながら、か細い手で叩き始める。


「なにすんのん、痛いやんか~!」と私。


「はよ、かぶしてっ!、そんなことしたら、タタくでー、もうー!」と母。


「分かった、わかった、ほな、もうちょっと寝ときぃ~、え~天気で、青天やのになー!」


「なにが、あおてんや、はよ、かぶしんかいな!」少し、時間を置くしかない。慌てると、事態は益々悪くなる。私の経験則がそう言っているのだ。デイに送り出す、ギリギリの時間を見計らって。


「さあ~、お袋ちゃん、起きるよう~、おしっこ行こうか?」


「いけへん、ねむたいゆーてるやろっ!」と、一喝された。今日は、手強い。(まあ~流れるままに、、、)。

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