認知症の介護の基本は「逆らわない、怒らない、大声を出さない(怒鳴らない)」
本書は「かいごさぶらい」ただひたすら母にさぶらうーのタイトルで、出版済み。
重度認知症の母と息子(筆者)の大阪弁での介護会話日記です。会話を通して、認知症がどのような「病」なのかを著したものです。
母を10数年介護してきた「会話を通した」体験記録を纏めたものです。分量が半端ではありませんので、読み通すのは、正直しんどいです。
その母も昨年逝きました。いまは「アメブロで看取り後」と言うブログを書いてます。http://www.ameba.jp/
上巻はこのサイトに投稿してます。
下巻は、母の一周忌が終わったら、投稿するかどうか考えます。
上巻、下巻の二分冊。
上巻は昨年1月刊行。ISBN:978-4-9904780-0-1
下巻は本年3月刊行。ISBN:978-4-9904780-1-8
B5版、ハードカバー、いずれも本文は220~230頁。
著者:介護さぶらい
発行所:㈱データクロス ブログ本販売処(無料で読めます。代金を払かどうかは、読まれた方がご自分で判断してください)。
大阪市福島区福島7-8-4黒田ビル内
※サイトのURLは下記の通りです。
http://www14.ocn.ne.jp/~pco/blogbon/
※「かいごさぶらい」で検索すれば、ヤフーブログ、FC2ブログ等で読めますから。
プロフィール
「逆らわない」、「怒らない」、「大声を出さない(怒鳴らない)」
「にいちゃん、わてどうなったん?あんた~にいちゃんやろ~?なんとかいいんかいなっー!」。この時の母の表情は、途方に暮れて、いまにも泣き出しそうだ。私は今でも、その時の母の何とも言えない表情が忘れられない。
私は母の両肩を抱きとめ、
「心配せんでもえ~、心配せんでもえ~、兄ちゃんが付いてるからな~」と、返事するのが精一杯のことだった。(私は、これが”徘徊”という認知症の、症状のひとつであることを、この時、知らなかった)。
阪神淡路大震災で我が家は被災した。家は半壊(後に全壊と認められた)。母と私は、震災で全壊した、我が家の直ぐ近くに出来上がったマンションへ、転居することになった。
当時、母は80うん歳。私は50歳目前。母と私の二人暮らし。大震災のショック(私の推測だが)で、母に異変が起こった。
母は痴呆症(当時はそう呼ばれていた、現在は認知症)になってしまったのだ。
マンションに移り住んだ直後から、母の症状は一気に進んだ。母は夜な夜な徘徊するようになり、突然怒りだしたり、泣いたり。そんな母を私は呆然と見ているだけであった。
認知症の症状は、私が思った以上に早かった。毎日進んで行くのだ。
私は、そんな母を見て直感的に母の言動や行動をメモることで、何とか対処しようとした。
そして、その結果、私は、母が、
何を言っても「逆らわない」ことに、
何をやっても「怒らない」ことに、
何があっても「大声を出さない(怒鳴らない)」
ことに、したのだ。母の全てを、そのまま受け止める。「認知症」は「不安」の「病」だと、直感した私は、母と「どんどん会話」することで、少しでも母の「不安からくる気うつ」症状が、緩和出来るのではないかと、思ったのだ。「会話」することで、母が「笑顔」を見せてくれれば、それで良い。母が「笑って」くれれば、それで良い。場当たり的、その場しのぎ、手探りの介護を始めた。
このブログは、そう思った私と母との「介護会話日記」である。(注)
(注)このブログの一部は既に、平成17年12月に「かいごさぶらい」のタイトルで書籍にした。(ブログをそのままダウンロードし、編集、校正を一切していない製本だけした、誤字脱字だらけの本である)。
本書は、それをリライトし、校正、加筆.訂正を行い、ほぼ1年分のブログ日記を掲載収録したものである。
認知症の母を介護させてもらって、私は「母」に感謝してます。人生観を一変させてくれました。何があっても「逃げない」ことを教わりました。で、編集刊行後期として「お袋ちゃん、ありがとう」のエッセイを書きました。