第4話:退屈を切り裂く鉄の仮面と、肉の玉座の狂宴
東都秀英中学校の「完璧な生徒会長」としての日常は、俺(御堂司)にとって、ただただ息が詰まるだけの灰色の砂漠だった。
学年主任の白鳥や、保健医の星野くるみをフェロモンで雌豚に堕としたところで、所詮は狭い鳥籠の中の出来事。カンストした【筋力】や【敏捷】といった圧倒的な暴力を振るう機会は、平和な学校生活には存在しないのだ。
「……喧嘩、か」
夜の自室のベッドに寝転がりながら、俺は呟いた。
先日の『鬼怒』との一件は秒殺すぎて欠伸が出たが、それでも血の匂いと暴力は、この退屈な日常における僅かなスパイスにはなる。
だが、優等生の制服のままで夜の街を徘徊し、喧嘩に明け暮れれば、いずれ大鷹内閣の監視網(国家情報省)に目をつけられるリスクがある。
「……だったら、正体が絶対にバレない『別キャラ』を作ればいいだけだ」
俺は、カンストした【知能】と【器用さ】をフル稼働させ、自室の3Dプリンターと特殊素材を用いて、一つの「仮面」を作り上げた。
鈍い金属光沢を放つグレーの装甲に、血のように赤いラインが鋭く走る、近未来的なフルフェイスマスク。前世で見たロボットアニメの敵役のような、不気味で冷酷なデザインだ。さらに、首元から肩にかけて、ウェーブのかかったブロンドの付け毛をセットした。これを被れば、中の人間が黒髪の中学生だとは誰も想像できない。
服装も、ネットで手に入れた他校の制服をベースに、軍服風の装飾と黄色のラインをあしらった特注のコートに改造した。
「……よし。悪くない」
鏡の前に立つと、そこには軍事国家の闇から生まれたような、謎の怪人の姿があった。
俺は窓から夜の闇へと飛び出し、事前に学内の不良から聞き出していた、この地域で最も凶悪とされる暴走族『紅蓮蛇』の溜まり場へと向かった。
***
深夜十一時。東都郊外の、打ち捨てられた巨大な廃工場。
そこには、下品な重低音を響かせる改造バイクがズラリと並び、特攻服や革ジャンを着込んだ六十人以上の不良たちが屯していた。
ドラム缶で焚き火をし、安い酒を飲み交わしている男たちの傍らには、派手なメイクと露出度の高い服を着た、いかにもな暴走族ギャルが五人ほど、甲高い声で笑いながら男たちに媚びを売っていた。
ザッ、ザッ……。
俺が廃工場の入口から、わざと足音を響かせて歩み寄ると、六十人の視線が一斉にこちらに向けられた。
「……あァ? なんだテメェ」
リーダー格と思われる、顔に大きな火傷の痕がある男が、ビール瓶片手に凄んできた。
だが、俺の姿(ブロンドの付け毛に、赤いラインの鉄仮面)を上から下まで眺めた瞬間、不良たちは一斉に腹を抱えて爆笑し始めた。
「ギャハハハッ! なんだあのふざけた仮面! アニメのコスプレかよ!?」
「おいおい、ハロウィンのパーティー会場はここじゃねェぞ、オタクくん!」
「やだー、ウケるんですけどぉ! 仮面ライダー気取りぃ?」
五人のギャルたちも、俺を指差して下品に笑い転げている。
俺は、仮面の下で冷たく口角を上げた。
「……お前ら、毎晩毎晩、うるさいんだよ。俺の安眠を妨害するゴミどもは、片っ端からスクラップにしてやる」
ボイスチェンジャーを通した、機械的で重低音の響く声が廃工場に響いた。
「……舐めてんのか、このコスプレ野郎が!! 殺せッ!!」
リーダーの怒号と共に、金属バットや鉄パイプを持った十人の特攻服が、一斉に俺に襲いかかってきた。
「死ねェッ!!」
先頭の男が、フルスイングでバットを俺の頭部へ振り下ろす。
――遅い。止まって見える。
俺は一歩も動かず、振り下ろされた金属バットの先端を、右手の人差し指と親指だけで『カシッ』と摘んで止めた。
「は……?」
男が間抜けな声を上げた瞬間。
俺は指先に【筋力MAX】の力を込め、金属バットを飴細工のようにへし折ると、そのまま手首を回転させて男の顎に掌底を叩き込んだ。
ゴシャァッ!!
人間の骨が砕ける嫌な音と共に、男の体は数メートル後方へ吹き飛び、他の不良たちを巻き込んでドラム缶に激突した。
「な、なんだコイツ!?」
「ひるむな! 数で押し潰せ!!」
怒り狂った五十人が、四方八方からアリの群れのように殺到してくる。
俺は、大きな欠伸を噛み殺しながら、圧倒的な暴力のショーを開始した。
カンストした【敏捷】と【知能】が、六十人全員の動きを完璧に予測する。
背後から迫る鉄パイプを首の皮一枚で躱し、すれ違いざまに肘打ちを顔面に叩き込む。相手の歯が宙を舞う。
足元にスライディングしてきた男の顔面を無造作に踏み砕き、そのまま跳躍。空中で回転しながら、迫り来る三人の側頭部に回し蹴りを叩き込む。
バキッ! メキッ! ドゴォォォッ!!
悲鳴を上げる間すら与えない。
俺が歩みを一歩進めるたびに、五人の不良が宙を舞い、血を吐いて地面に沈んでいく。かすり傷一つ、服の汚れ一つとして俺にはつかない。ただの作業だ。ただの、ゴミの分別作業よりもつまらない一方的な蹂躙。
「ひ、ひぃぃぃッ! バケモノだッ!!」
開始から三分。すでに四十人以上が白目を剥いて倒れ伏す中、ついに恐怖に耐えきれなくなったリーダーが、懐からチャカ(改造拳銃)を引き抜いて俺に向けた。
「死ねェッ!!」
パンッ! という乾いた銃声。
だが、弾丸が銃口から飛び出すより早く、俺はすでにリーダーの懐に潜り込んでいた。
「……おせぇよ」
俺の右ストレートが、リーダーの鳩尾にメリ込み、背中の肋骨を突き破らんばかりの衝撃を貫通させた。
「ア、ガッ……」
リーダーは白目を剥き、崩れ落ちた。残った数人も、恐怖のあまり自ら腰を抜かし、その場で気絶していった。
開始から、わずか五分。
廃工場には、六十人の不良たちが折り重なるように倒れた「肉の山」が築かれていた。
「……はぁ。やっぱり、百人集まっても運動にもならねぇな」
俺は、仮面についた見えない埃を払い、大きくため息を吐いた。
「ひっ……あ、あぁぁ……っ」
ふと視線を向けると、廃工場の隅で、先ほどまで俺を馬鹿にして笑っていた五人のギャルたちが、恐怖で腰を抜かし、ガタガタと震えながら抱き合っていた。
真っ赤なルージュ、露出度の高いキャミソールにミニスカート、金髪やピンクの派手な髪。いかにも安っぽいが、若さと発育だけは無駄に良い雌たちだ。
「お、お願い、殺さないで……っ! アタシたち、何もしてないからっ……!」
涙目で命乞いをする五人。
俺は、気絶した六十人の不良たちが築き上げた「肉の山」の頂上に、王座に腰掛けるようにどっかりと座り込んだ。
そして、仮面の奥から彼女たちを見下ろし、カンストした【魅了・フェロモン】の蛇口を限界まで解放した。
「……俺は、ゴミはスクラップにするが、従順な雌には優しいぜ。……恐怖を忘れさせてやる。這ってこい」
俺のボイスチェンジャー越しの声と、空間を歪めるほどの圧倒的な「雄の匂い」が、廃工場に満ちた。
「っ……!?」
その瞬間、五人のギャルたちの瞳から、恐怖の感情が完全に蒸発した。
代わりに浮かび上がったのは、俺のフェロモンに脳髄を焼き切られ、理性を失った雌特有の、ドロドロに溶けた熱情だ。
「あ、あぁっ……仮面の、お兄さん……っ、いい匂い……っ」
「はあぁっ、だめ、アタシ、もうっ……」
彼女たちは、先ほどまで自分たちが媚びを売っていた不良たちの体(肉の山)を足場にして、這いつくばりながら、俺が座る頂上へと群がってきた。
五人の女たちが、俺の足元にひれ伏し、軍服風のズボンに顔を擦り付ける。
「……ほら、どうした? 好きなように俺を慰めろよ」
俺が短く命令すると、五人は狂ったように俺の服を脱がしにかかった。
「んちゅっ……ああっ、すごい、凄いですぅ……っ」
金髪のギャルが俺のブーツを舌で舐め回すというマニアックな奉仕を始める傍らで、ピンク髪のギャルが俺のズボンのジッパーを下ろし、解放された俺の絶対的な熱量に、息を呑んで顔を近づけた。
「……こんなの、初めて見た……っ。アタシが、アタシがお掃除するっ……!」
二人のギャルが、先を争うように俺の猛りに絡みつき、濃厚な唾液を絡ませながら、深い喉の奥へと俺を迎え入れていく。
「ああっ、アタシも、アタシも混ぜてぇっ……!」
残りの三人は、すでに自らの安っぽいキャミソールや下着を乱暴に引きちぎり、豊かな胸や、蜜でぐっしょりと濡れそぼった秘所を剥き出しにしていた。彼女たちは、気絶している不良たちの顔や体の上に膝をつきながら、俺の指先や、仮面の冷たい装甲に自らの熱い肌を擦り付け、嬌声を上げている。
「んんっ……あぁっ! 仮面のお兄さんの指っ、奥までぇっ!!」
俺は【器用さMAX】の指先を使い、俺の猛りを咥えていない三人のギャルの秘所を、同時に、そして正確に蹂躙した。
指先が敏感な粘膜を弾くたび、彼女たちは「ひぎぃっ!」という痙攣めいた叫びを上げ、気絶した不良たちの体の上に愛液をボタボタと滴らせながら、狂ったように腰を跳ねさせる。
「……さあ、口での奉仕は終わりだ。順番に、俺の極楽を味わわせてやる」
俺は、涎まみれになった猛りを引き抜くと、一番手前にいた金髪のギャルを引き寄せ、彼女の狭い蜜壺へと、容赦なく根元まで叩き込んだ。
「あぎっ!? 嘘っ、あぁぁぁぁッッ!! 割れるぅっ、でも、すんごいぃぃッ!!」
俺の【絶倫・スタミナMAX】による、正確無比なピストン。
彼女は一瞬で白目を剥き、気絶した不良の背中の上に仰け反りながら、痙攣するように絶頂を迎えた。
一人、また一人。
俺は肉の山の上で、ポジションを次々と変えながら、五人のギャルたちを順繰りに、そして同時に貫き、狂わせていった。
前を貫きながら、背後に回った別の女の口に指を突っ込み、さらに足の指で別の女の秘所を愛撫する。常人には不可能な、神業とも呼べる六人同時(6P)の快楽の嵐。
「あひぃぃぃッ! もう、もう何回イッたか分かんないぃっ!!」
「お兄さんの熱くて凄いのっ、アタシの、アタシだけのぉっ……!!」
「あばばばっ、イくっ、またイくぅぅぅっ!!」
気絶した六十人の不良たちという「敗者の玉座」の上で、五人の女たちが、俺の放つ絶対的な雄の力に打ちのめされ、ただ快楽だけを貪る獣へと堕ちていく。
廃工場には、血と汗の匂いに混じって、濃厚で淫靡な雌の匂いと、絶え間ない絶頂の嬌声が、夜明け近くまで響き渡り続けた。
***
数時間後。
空が白み始めた頃、俺は一人、静かに仮面の位置を直していた。
俺の足元の肉の山の上には、完全に精神が崩壊し、白濁した俺の熱を全身に浴びてピクピクと痙攣している五人のギャルたちが転がっていた。彼女たちはもう、この「仮面の怪人」の快楽なしでは生きていけないだろう。
「……まあ、いい暇つぶしにはなったな」
俺は乱れた軍服風のコートを整え、気絶したリーダーの顔面を踏み躙ってから、廃工場を後にした。
不良界隈の頂点に立ち、女たちを奴隷にした。
だが、俺の胸の奥にある虚無感は、まだ晴れない。
俺のカンストしたステータスを満たすには、この軍事国家そのものを盤面にした、もっと巨大で、もっと狂った「ゲーム」が必要なのだ。
仮面の奥で、退屈な神童は静かに、そして邪悪に笑った。




