表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

15/15

第15話

「キルラ勇者、そろそろご指示を」


 12時30分。結構30分前なのでそろそろ配置につかないとな。


「お前ら、今日は俺達の初任務だ。今までいろんな事があった」


 語っていっく内に中退したやつのことが脳裏によぎる。


 なんであんなやつの顔が頭の中に! 気持ち悪い!!


 頭をかきむしり、話題を戻す。


「あぁぁぁ! もうとにかくだ。最初であるこの任務を成功させ、俺達の最高のスタートダッシュを切るじゃないか!!」


「そんなキャラだっけ?」


「違いますよミサリザ、きっと上手くしきれなかったから、ヤケクソに締めたんです」


「そっかぁぁぁ」


「じゃあまずは配置につくぞ。キガル村は円型の村だから、その円の皆の距離が均等になるように配置するんだ。今から円になるときの誰が隣で誰が隣か説明する」


「まず勇者パーティメンバーの間に丁度騎士団であるあなた達を配置する」


「そうか、場所の力が均等になるようにってことかぁ〜」


「そうだ。それで配置になったら時間が13時になった瞬間、ミサリザ、お前がなにか魔法で合図を出せ、なんでも良いから皆が気づくやつだ」


「りょうかぁ〜い」


「それからは各自連携を取って戦う。以上だ」


「ちょっと待ってください勇者様」


「どうしたファーラ?」


「力を均等に配置するより連携を大切にするべきです。なので距離関係は問題ないのですが、騎士団は騎士団で円の右側、勇者パーティは円の左側を担当するのがベストなのかなと」


 再びあいつの記憶が蘇る。「ねえ、その魔法使う時はもう少し詠唱時短できるよ? この箇所は省くのがベストなのかなって?」

 頭に暑い液体が登っていくのがわかる。それだけ奪っていこうとしたあいつに似ているのに腹が立ったのだ。


「ベストベスト言うんじゃねぇ!! お前ら一応俺達の下の立場無のわかってんのか?」


「カルガラまずいかも、あの人達禁句ワードに触れたよ……教えておけばよかったかな?」


「いや、教えなくて良しです。そっちのほうが面白い」


「どうなっても知らないよ……」


「とにかく俺の命令は絶対だ。いいな?」


「わかりました……」


 騎士団たちは渋々了承し、途中の森まで着いていく。


「じゃあここで解散だ。他に質問があるやつ?」


「特になしだ」


「ないよぉ〜」


「大丈夫です」


「なら解散!」


 その合図とともに四方八方に散り、目的の配置を目指した。


side.ミサリザ・ゴルドー


 あんな強い言い方してたけど大丈夫かな? あの人達。

 まあ考えても仕方ないんだけど。

 最悪私が抑えないとだよねぇ〜。そんな力ないけど。


 考えている内に予定の時間が来る。


 合図と言ったってどの魔法にすべきかな……とりあえず魔力消費を減らしたいからあれでいいか!


 的に察知されないよう小言で呪文を詠唱する。


「赤き熱は我が力を持って召喚されん。ファイアボール!」


 ミサリザの手のひらに真っ赤な火の玉が出現し、真上に打ち上げられる。


「頑張るぞ!」


side.キルラ・アルケリー


 右斜前の方角から赤い火の玉が打ち上がるのを見つける。


「来たか!」


 その瞬間、ぞろぞろと森の中から皆が出てくる。

 最初に動き出したのはオリバーだ。

 すぐさま見える範囲のゴブリンのヘイトを集めていく。


「あいつには劣るがナイスタンクだ!」


「雷鳴は我にまとい、力を与えん! サンダーソード!!」


 手から放出されるマナが、剣を伝い纏、電撃がパチパチと鳴り始める。


「この魔法はな、中級魔法で唯一初級魔法並に詠唱が少なく済むんだよぉ!」


 カルガラが引き付けていたゴブリンに後ろから向かってダッシュし、斬りつける。

 引きつけられていたのはおよそ十体で、攻撃が当たらなくとも、切られたゴブリンから流れる電流により、他の個体もスタンする。


「この剣の電圧は50vだ! しかも数十秒はそいつの体に残り続ける。簡易トラップの完成だなぁぁぁ!!」


 その調子で村の右側は、オリバーが集め、俺が斬りつけ、ミサリザがでかい魔法を放ち続けた。

 噂だけですぐに減ると思っていたゴブリンたちは、無造作に今出現しているのか?  というくらい永遠に襲いかかってくる。


「今何体目くらいだ?」


「もう少なくとも500体は倒したはず……」


「それってもう報告件数倒してんじゃねえか!?」


 眼の前には少なくとも100体以上はうろついている。


「どうしますか?」


 時刻は16時30分を回っている。そろそろこの村の奴らは片付けなきゃいけないのに……


「早く指示を!!」


 見える範囲味方を見渡すと、皆、怪我はないものの、汗の量が尋常じゃない。それに顔も疲弊しきっている。

 

 退散なのか? この勇者キルラが? いや違うだろ!!


「おいミサリザ! 最後にあれをやれ!」


「でも魔力と時間が……」


「魔力ならこれをやる。時間稼ぐからお前の最高火力ならやれるだろ!!」


 ミサリザの方へ体を捻り、鞄の中に合った魔素瓶を投げる。


「わ、わかった! やってみる!」


 ミサリザは魔素瓶の中身を鼻で吸い、魔力を高め最終詠唱へと入る。


「ここが耐え時だ! どうにかして時間を稼ぎきれ!!」


 


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ