第13話 スライムの正体
「こんばんは~」
「おお! クラ坊! 最近全然顔出さねえと思ったけどよく来たってちょい待て!? 依頼書を見ないでどこ行くんんだ?」
「どこって……ブラックストリートです」
「もしかしてここに来たのって……」
「はい! 場所が知りたかっただけです。じゃあもう行きますね」
「お、おう……」
場所を確認し目的地に向かって一直線に向かう。
「いらさい。今取ってくるから待ってろ」
「はい!」
カイトは後ろの方にある木の箱からガタゴトという音を出しながら探ってくる。
「あはは……大丈夫かあれ?」
「お待たせ。はいこれ。そうがん実態顕微鏡だっけ?」
「そうだよ! これ!!」
渡されたのは形は見本通りの双眼実体顕微鏡。
違う点は二つある。
一つ目は木製で、できているということ。通常の金属のものよりもはるかに軽く感じられて個人的には最高だ。
もう一つは──
「ちょっとばかし改良を加えた。付属品を見てみろ。レンズをガラスで作ったものと魔晶石で作ったものに分けた。これによって──」
「魔素の痕跡が見える! だよね?」
「そうだ。よくわかったな」
「まあね!」
正直僕はいつでもマナを目に集約すればそれができるけどそんなこと作ってくれた本人に言えない……
「この機能今の上の研究チームとかに売れば上手く行くんじゃない? すごい機能だと思うけど」
「そんな簡単じゃねえよ。俺らならず者だし普通の人でも会えないような立場の人に会えるわけない」
「それも……まあそうだね……」
「とりあえずまたなんか作ってほしくなったら来い。物によったら作らないこともない」
「必ずは作ってくれないの?」
「当たり前だ」
「冷たいねぇ~」
♢♢♢
「さて家にも戻ってきたわけだし早速始めましょうかね!」
もらった双眼実体顕微鏡を棚の下に収納し、キッチンへ向かう。
「ごめん母さん。ろくなナイフなんて昔に使えなくなっちゃったから包丁借りるね」
寝てて聞こえないはずの親に謝りながら、ゆっくりとした手つきで回収し部屋に戻る。
「さて、解剖タイムなんだけど正直ベタベタするとシャワー浴びなきゃだから嫌なんだよね……とりあえず一か八か試そう」
帰り際に買ってきた鉄の籠を下にしてスライムを抱きかかえ、ナイフに魔力を通しながら核以外の粘液をリンゴの皮をむくみたいに剝ぐ。
「やっぱりか。スライムは魔法を弾き返す修正があるけど魔法自体をはじいてるのではなく魔素を弾いてると思ったから自己魔素をナイフに注いだら予想通り粘液がはじかれてべたつかない!」
そのあとは容量をつかみきれいに剥ぎ取り深緑な核を取り出した。
核は透き通ってるとは言えなかった。
「さて、とりあえず粘液も仕舞っておいて、ようやく本番だな」
下の棚から再び顕微鏡を取り出しセットしていく。
「いやぁやっぱこのフォルム最高にかっこいいねぇぇぇぇ。こんな感傷は後でも浸れるんだからまずは終わらせよう」
緊張感と共にレンズに目を通す。その先に見えたのは──
「これは!? きれいだな……」
核の中に見えたのは大量の微生物だった。
すべて同じ種類だ。どの図鑑にも乗らない未知の生命体。
プラナリアに似ている見た目をしており、唯一違うのは100匹くらいいそうなその微生物たちがしっぽのような部位でつながっており、その中心に鼓動を鳴らす部位。心臓があったところだ。
ペンとスライムプランクトン交互に目線を移し替えながらスケッチを終わらせ、核を取り出しもともと入ってた檻に戻しシャワーに直行した。
「あんな生物がいたなんて……いやちょい待て? この世界にはもっとたくさんの種類のスライムがいる。ってことは全部同じ構造なのか? 倒し方は同じだからその可能性が高いだろうけど確認しないと実証されない。これからの行動が決まったな」
新しい目標を見つけ布団にもぐりながら目を閉じる。
きっとこれからも疑問が絶えないうちは生きていけるだろう……




