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第12話 セプバーロ大森林での魔物狩り3

 冒険者ギルドに戻り、換金をする前に依頼掲示板を確認する。


「あった」


 黒毒蛇ニーグルムセプスの毒袋の納品の依頼書をもって受付に行く。


 通称、事後受注といってたまたま実施したことが掲示板に張り出されていれば、それを受付に持って行くことで受注と同時に依頼完了となり、この分の報酬がもらえるようになっている。

 今回の場合、黒毒蛇ニーグルムセプスの毒袋の報酬1万サクル(10ギルドポイント)が魔石と別カウントで手に入る。


 先ほどの依頼書とオオグモ分は除いた魔石を受付に提出する。


 受付に魔石を渡すと

 Cランクの魔物

 オーガ 14匹

大イノシシ(メガアプルム)1匹


 合計15匹で15万サクル


 Dランクの魔物

 ホブゴブリン 2匹

 オーク 3匹

黒毒蛇ニーグルムセプス1匹


  合計6匹で3万サクル


 Eランクの魔物

 ゴブリン 10匹


 2万サクル


 Fランクの魔物


 タテガミネズミ(ユゥバムース)10匹


 1万サクル


 依頼票:黒毒蛇ニーグルムセプスの毒袋 1万サクル


 合計22万サクルで220ギルドポイントだった。


 前回の290ポイントに足すとCランクまでの状況は510/3000

 かなりいいペースではないだろうか。このままいけばCランクになるのはそれほど時間がかからないだろう。


 一通りの査定が終わった後、オオグモの魔石を受付に差し出した。


「これもお願いします」


 受付の担当者は、「どうして最初にまとめて出さなかったのか」と言いたげな表情を浮かべながら魔石を受け取る。しかし、鑑定を進めるうちに、突然動きを止めた。


「えっ……? これ、何ですか? 少々お待ちください」


 そう言い残し、慌ただしく席を立つ。どうやら誰かを呼びに行ったようだ。


 しばらくして、上司らしき人物を伴って戻ってくると、二人は魔石を見つめながら真剣に相談を始めた。


 ――やっぱり新種の魔物なのか?


 そう思いながら様子をうかがっていると、やがて二人は結論に至ったようだった。


「ギルドに登録されていない魔石です。新種の魔物の可能性があります」


「詳しくお話を伺いたいので、この後、お時間をいただけますか?」


「はい」


「では、応接室へご案内します」


 案内された部屋で席に着くと、飲み物が出され、しばらく待たされた。やがてノックの音が響き、二人の人物が入ってくる。


 一人は先ほどの受付嬢の上司らしき女性。もう一人は、体格が良く、立派な装いをした初老の男性だった。


 こちらも立ち上がる。


 まず、初老の男性が「ギルドマスターのアルベルトだ」と名乗り、続いて女性が「受付課長のセリシャです」と自己紹介する。


 こちらも名を告げ、再び席に着いた。


 まず、ギルドマスターのアルベルトが口を開いた。


「時間を取らせてしまい、申し訳ない。早速だが、先ほどの魔石の魔物について詳しく聞かせてほしい」


その問いにキュレネが答える


「足を広げると3~4メートルほどの大型の蜘蛛の魔物です」


「今までの未確認魔物の目撃証言と照らし合わせると、どうだ?」


 その問いには受付課長のセリシャが答える。

「はい。確かに『巨大な蜘蛛を見た』という情報はあります。他にも、『5メートルはあった』とか、『足が無数にある巨大な虫だった』という証言もありました。最近噂になっている魔物と一致する可能性があります」


「他に、特徴的なものはなかったか?」


「初めて見る魔物だったので、参考までに足と糸を持ち帰りました」


「何? それは素晴らしい。ぜひ見せてくれ」


「その代わり、そちらが持っている情報も私たちに教えてもらえますか?」


「わかった。いいだろう」


 そう言うと、持ってきていた足と糸を手渡した。



 ギルドマスターは足と糸を手に取り、しばらく確認する。やがて、少し険しい表情になり、低く呟いた。


「初見では、Bランクのパーティでも苦戦しそうだな……」


「これは、君たちが倒したのか?」


「そうです」


 キュレネは何の躊躇もなく、平然と答える。


 雷が落ちて死んだことにしたんだけどなぁ。

 私が倒したってバレてる? それとも、倒せる自信があるから、私たちが仕留めたことにしても問題ないってこと?


「とりあえずの攻略法としては、物理攻撃なら関節を狙い、魔法攻撃なら火属性が有効です。その糸も、熱に弱いことを確認しています」


「この前、冒険者になったばかりと聞いていたが、ずいぶんしっかりしているな」


 ギルドマスターが感心したように言った後、セリシャが実務的な口調で続ける。


「この足と糸をギルドに提供していただきたいのですが、よろしいですか? その分、報酬は上乗せします」


「はい」


「あと、この魔物と遭遇した場所を教えていただけますか?」


「セプバーロ大森林の地図はありますか?」


「はい、お待ちください」


 そう言って、棚から地図を取り出す。大雑把な地図だったが、ムートは迷いなく遭遇地点を指し示した。


 ムートって、GPS機能でもついてるの?


「ほう、ブランカ山のあたりか……」


「それから、蜘蛛の魔物の姿を魔法絵師に描いてもらおうと思います。この後、ご協力いただけますか?」


「はい」


「今回の情報と魔石の報酬については、後日改めて清算させていただきます」


「それでは、私はここで失礼する。今回の情報提供に感謝する。これまでの情報については、調査を進めているパーティに説明してもらうので、後日、日程を調整させてもらう」


 そう言って、ギルドマスターは部屋を後にした。


 こうして打ち合わせは終了し、セリシャさんに連れられて魔法絵師の店へ向かう。前回と同じ店だ。


 はっきり目撃したのは私だけだったので、私の記憶をもとに絵を描いてもらう。


 二度目だったので、今度はばっちりだ。

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