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嫌な夢

作者: のざわな

自分が見た夢について。小説というより日記に近い形。殴り書き。

その日はとても楽しかった。

風邪をひいてから1週間、まともに体が動かなかったのが良くなり、久しぶりに夫とゆっくり時間を過ごせたのだ。

彼はご飯を食べるのが大好きで、要は愛情のこもった手作りの食事を生きがいにしているのだ。

それをここのところずっと作れなかったから、彼は精神的に参っていた様に見えていた。私は体調がすぐれないと家事仕事ができない人間なので、彼にご飯を作ってあげられないことに心を痛めていた。

その日はやっと調子が戻り、彼の大好きなご飯を3食作れたのだ。ついでに配信サービスで映画を2本も見た。その続編が最近やっているから今度見に行こうという話もして。

久しぶりに彼の美味しいとご飯をほおばる顔が見れたこと、ゆっくりと他愛もない会話のやり取りを出来たことがとても嬉しかったのだ。寝る時も、彼がハグをしてくれながら寝付けられたのだ。





だというのに。

私の過去を抉る様な夢をみた。



それはある宗教施設の団体の施設にいる夢だった。

私はそこの信者で、その教えを守っていれば世界の平和が訪れると信じている。

夜、電気はつけず蝋燭のみの灯り。その蝋燭の前に教えを伝える「先生」が5人ほど、パーテションで席ごと区切られ座っていた。

「先生」は黒いフードを被り、また前屈みで座っているため、顔がよく見えない。何を考えているのか分からない、不気味な雰囲気だ。

私以外にも4人「仲間」と呼ばれている仲の良い信者同士が集められていた。

それぞれ1対1で「先生」に教えを乞う、という夢だ

った。

夢なので何を聞いたのかだとかの詳しい話は全く覚えていない。

ただ、話を聞いているだけで漠然と安心感や自信が出てくる様な、そんな感覚を覚えた。

私はこの教えでまた生きることができる。そんな信仰心と呼んでいいか分からない感情で胸いっぱいになった。


教えを乞いた数日後、夜の帰り道に警察に事情聴取をされるという場面にいきなり切り替わる。

警察曰く、「先生」が全員公金横領の罪で捕まったと。捕まる前に会った信者が貴方だから、どんな事を話をしたのか確認されたいと言われた。


私はいつもの様に教えを乞い、「仲間」と語らい楽しく過ごして家に帰ったと伝えた。ついでにその教えは素晴らしいものだと軽く布教の気持ちで伝えた。


だが、警察の話だと私たちが献金しているそのお金は、教義の世界平和に使われているのはごく一部で、大半は宗教の政治的活動にあてがわれ、自分たちの教義通りに物事が動く様に使われていたんだと。上層部のリークからこの話が持ち上がり、関わりが深かった大物政治家が自身の保身の為この宗教との関係を断ち切るため逮捕に至ったそうだ。


今後当然社会問題になるだろうし、きっと解散させられるから、貴方の様な善良な方は離れた方がいいとも警察に指導された。




ただただ私は、呆然とする。変えることのできない事実を受け止めることしかできない。後に、今までの人生を裏切られたという気持ちが沸き起こった。

という夢だった。









目覚めは最悪である。

実は、似た様なことを現実でも体験したことがあるのだ。(私の身の回りで逮捕された人はいないのだが。)

私の中では人生を狂わされた出来事で、今でもトラウマである。その為に前に進めていない様な感覚が、出来事が起こってから5年も経つというのに心の中で黒い塊のようにこびりついているのだ。


せっかく、風邪が治って夫と楽しい1日を過ごすことができたのに。

外はカラッとした風が吹く晴天なのに。

私の心は、過去に囚われてしまう。何も動けなくなってしまう。


昔は、月一でトラウマを呼び起こす様な夢を見たものだったが最近は少なくなっていた。だから余計に腹が立つ。まだ私の中にいるのか、と。


だが、今までの自分とは私は違う。

この文章を書いているからだ。


文字で自分の気持ちを吐き出すことで、心の奥底に癒着しているこの黒い気持ちを取り出したい。とやっと思えたのだ。

今までは溜め込むだけで、一日を費やしてしまっていたが、今日からは違う。

自分がやりたいことを好きな様に行って良いのだ。と良い聞かせて、前に進もう。



夢の話はもう終わり。今からは楽しい現実に生きよう。

そう、夫との幸せな日々を。

今から、おかずをいっぱい作って彼が帰ってくるのを待とう。

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