09 四回目のループ。どうしても思い出せない三回目のループの結末と三人目の目星。
【毎日昼の12時と夕方の18時の2回更新します】
オレはユナエリに連れられて県立烏沼高校の近くにある店に来ていた。
烏沼高校がある丘の上には、オレがさっきまでいた市立大鷹高校、そしてユナエリが来ていた私立鷺鳥高校の三校が隣接している文教地域なので、それぞれの校門を見ていれば違う制服の生徒が一目瞭然でわかるのである。
三人目を捜す前回の調査は無意味に町中を歩き回ってくたびれただけなので、今回はひたすら待ち伏せする作戦を立案したらしい。
ちなみに今回の四回目ループでも三人目が存在するのか? と、いう問題は当然オレにもユナエリにも頭に浮かんだ疑問だが「基本的に同じ一日を繰り返している」という今までの経緯から、今回もいる可能性が高いと結論した。
……いや、単なる願望ってやつかもしれんけどな。
オレたちが見張る場所は見通しのいい喫茶店だった。
オレはすでにコーヒーを四杯もおかわりし、ユナエリは三個目のパフェにスプーンを落としていやがる。
……っていうか他人のおごりってことをお前はわかってて注文してんだろうな?
そして、こんなんでホントに見つかるのか? オレはもう何度目かのため息をもらしていた。
そりゃあさ、ユナエリの記憶が戻ったときは正直うれしかったさ。
でもな、こうも長い時間、ただひたすら待ち続けるのに飽きてきたちまったんだよ。
……オレはね。
「一体全体ちなみにおまえはなにが原因だと思っている? あ、このループのことだけどな」
退屈まぎれにオレは尋ねてみた。
「知らない。でもあたしかあなた、もしくは三人目が原因だと思う」
ユナエリは窓から目を離してそうつぶやく。
「……おいおい、オレは神に誓ってもいいが絶対にそんな超能力者じゃねえぞ」
「あたしだって違うわよ。そんなのになりたいとは思わないし、もしそうだとしたらなにを好きこのんで時間ループの囚人にならなきゃならないの?」
「……いや、確かにいわれてみればそりゃそうだな。たぶん間違いなくオレもお前も違うよな」
「うん」
……オレはしばらく考え込んだ。
ループはどうして起きているのか? そしてオレたちはその原因と関係あるのか? だ。
まず第一に時間ループは存在する。
オレとユナエリが、毎回毎回、着ている制服と通うべき高校が違うのだ。
そしてそのことを互いに記憶している。
……ときどきどっちかの記憶が飛ぶけどな。
第二にオレたちにはいわゆる超能力者じゃない。
……そりゃそうだけどな。
時間を好きに操ったり、四月六日を延々と繰り返すことなんかできやしないし、そんなことをちっとも望んでもいないしな。
でも、……じゃあ、オレたちはなんなんだ?
……被害者?
こういう言葉がまず浮かんだ。
そう、オレたちは被害者なんだ。それも特別な被害者なんだろうな。
この時間ループが超自然的な現象が原因だとしても、超能力的な力を持つ誰かの意図なんかだとしても、その他大勢の人たちにはなんの実害もないんだが、オレとユナエリだけにだけは、どうしてなのか被害が及んでいるというわけだ。
……その被害とは四月六日がもう何度も繰り返されているということを知っていることと、毎回毎回、着ている制服と通うべき高校が違っていることだ。
……でも、なんでオレたちだけなんだ?
……わからない。
……オレたちには情報が少なすぎるんだ。やっぱりここは三人目を捜すしかないんだろうな。
……でも三人目って、いったいどんなやつなんだ?
そこまで思考したときだった。
オレにはある疑問が、ちらっと浮かんじまった。
それは最初はホントに小さなはてなマークだったんだけれども、考えるうちにそれはどんどん大きな疑惑になってきやがった。
「……なあ、今更なんだけどホントに三人目っているのか?」
オレはけっこう真剣な顔になってユナエリに問いかけたんだ。
「なによ? あなたがいい出した話でしょ? ……もしかしてあたしにうそついたっていうんじゃないでしょうね?」
と、ユナエリは怒り出す寸前みたいな顔になりやがった。
……一瞬、恐怖したぞ。
「あ、違うぞ。うそはついていない」
「だったら、なんなのよ?」
オレはあわてて訂正したんだ。
そしてたった今思いついた疑惑を整理してとつとつと話し出したのだ。
「あのさ。……前回のループで町中の高校生にあんだけ尋ねたのに、なんにも情報が得られなかっただろ?
それにオレの中学時代の友達からのメールにも、オレたちのように違う制服で入学してきた生徒がいたという返信がなかったじゃねえか」
「……そういえばそうね。でも三人目がいるっていい始めたのはあなたでしょ?」
「ああ。まあ、そうなんだけどな」
そうなのだ。
確かに三人目の存在をユナエリに伝えたのはオレだ。
……あ!
そこでオレはあることに気がついた。
……おいおい、なんで今まで気がつかなかったんだよ、オレ。
「お前さ、前回の時間ループをどこまで思い出しているんだ?」
「あたし?」
……そうだよ。面と向かって訊いてんだから、お前以外にいるわけねえだろうが。
「うーん。前回っていうことは三回目の時間ループよね。……そうね、まずは朝の公園であなたと出会って、あたしの部屋で日記帳を見て、時間ループを思い出して……。
あれ? おかしいわね。あたし今回の時間ループでもムサシの散歩帰りに日記帳見たんだよ。習慣だし。でも……」
ユナエリは口を両手で押さえた。
「……だろ? 今回の四回目の時間ループでは、そこにはオレじゃないオレが書いた走り書きはなかった、っていいたいんだろ?」
「うん。……でも、なんでだろ? 時間ループは基本的に同じ一日を繰り返してるんだと思ってたんだけどな」
「基本的には、ってことだろ?
……ってことは、だ。そのオレじゃないオレが書いた文章ってやつはイレギュラーな出来事だったんじゃねえのか?」
「イレギュラー? ……どういうこと?」
「基本的に繰り返される同じ一日のイベントじゃなかった、ってことだ。本来あり得ない予想外の事件だったってことになるだろ?」
「わかんない。……どういうことなの?」
「つまりだ、それは前回の三回目の時間ループの際にオレたちがやったからじゃねえのか?」
「どうやって? ……えと、だって前回の三回目のループのときは、あたしが日記帳を見て記憶を取り戻したでしょ。
で、それからあたしは鷺鳥高校のセーラー服を着て学校に行ったら、大鷹高校に入学するはずだといわれて、……ま、これは想定内だったんだけどね。
……で、それからあなたを見つけに捜し回ったら、あなたが烏沼高校に大鷹高校の学ランを着て、ぼけぼけってしてて……、それから……」
「それから、オレを茶道室に連れてったんだろ? ……それにぼけぼけっ、は、余計だ」
「いいじゃない。実際にそうだったんだから。
……で、それから茶道室を出て、あたしんちに行って、日記帳を見せて、街に出て三人目を捜して、それからお巡りさんに追っかけられて、公園に逃げて、あなたと指切りして、
……それから、……それから……?」
……やっぱり、お前もそうなのか。
「それから、オレたちはどうしたんだ?」
「お、憶えてない。わかんない。……ね、あなたは知ってるの? だとしたら教えてよ」
「実はな、オレも憶えてない」
「な、なによっ! じゃあ、あたしと同じじゃない」
ユナエリはオレの袖をむんずとつかむ。
……くそ、この馬鹿力め。
「そ、そうなんだけどな。……でも、そこからなにかが起こったはずなんだ」
「な、なにかって? なに?」
「……たぶんだけどな。
……そのあとにオレたちは、お前の日記帳に書き込みをするために行動を起こしたんじゃないか?」
ユナエリがオレから手を離す。
そしてまっすぐにオレを見た。
「どうやって? どうやって早朝のあの時間に戻れたっていうの? ……そんなの無理だよ。あり得ないよ」
そこでオレたちの会話は一時中断された。
気を利かせたのか、それとも長居は困るから気がつけよってサインなのかはわからんが、ウェイトレスのお姉さんが水をつぎにやって来たからだ。
やがて仕事を終えたウェイトレスがおじきをして去っていく。
「あり得ないってんなら、そもそもお前の日記帳に走り書きすることもあり得えんだろうが。
オレは前回の、……つまり三回目の時間ループの早朝の時点では、お前の名前も、部屋も、日記の存在も知らないんだぜ」
「うん。……そういえばそうなんだけど」
「オレはこう考えるんだ。
……朝から夜までを繰り返す一回の時間ループ内で起こったイベントすべては、必ずその一回のループの中で起きた出来事なんじゃねえか、ってね。
……だとするとだ。お前の日記帳にオレじゃないオレが書き込んだあの走り書きは、今の四回目の時間ループじゃなくて、前回の三回目のループで行ったはずなんだ」
……基本的に記憶以外はすべてリセットされるんだからな。
「うん。……その理屈はあたしも正しい気がする。……あ、そうか。だってそうよね? そうじゃない?」
ユナエリは目をきらきらさせた。
「だって、そうじゃないと、今回の四回目の時間ループでも、あたしの日記帳にあなたの文章がないとおかしいもんね。
……三回目のループにだけ日記帳に書き込みがあったってことは、三回目の時間ループ内で、あなたが書いていなきゃおかしいはずよね?」
「そうなんだろうな。
……そこでだ。もし今回の四回目の時間ループでもオレが書いたのだとしたら、今回の時間ループでも、オレの走り書きがなきゃおかしいってことになる」
「そうね。……やっぱりあの文章は三回目の時間ループで書かれた、って考えるのが自然ね。
それに今回も書かれていたんなら、あたしがムサシの散歩帰りの時点で記憶を取り戻したはずだし」
「……そういうことなんだろうな。
つまり、お前の日記帳に書かれた走り書きは、前回の三回目の時間ループのことのはずで、オレもお前も憶えちゃいないあの夜の公園で指切りした後に、なんらかの方法でオレたちが書き込んだ」
……そして新たな時間ループが発生して、三回目の時間ループ中に書かれたオレの走り書きは消去されたはずなんだろうな。
「そしてだな、今回の四回目の時間ループで日記帳にそれがなかったってことは、オレたちが今からこのあとに、それを書き込めなかったか、それとも書き込む必要がなくなっちまったか、だ」
「……待って、と、いうことは夜の公園であたしたちが指切りしたあと、あたしたちは三回目のループの早朝の時点に戻って、あなたが日記帳に文章を書き込んだ。
……つまり、あたしたちは時間ループを終わらせるヒントみたいななにかに気がついて、どうしてだかわからないけど、時間をさかのぼる方法を見つけたってことよね?」
「……だろうな。そうでなけりゃ、あの日記帳の走り書きの説明がつかない。
……でもだ、今オレたちがこうして四回目の時間ループを迎えちまっているってことはだな……」
「つまり、……あたしたち、失敗しちゃったってこと?」
オレは継ぎ足された水を一息で飲んだ。
「そうなるんだろうな。
……で、そこでさっきお前に三人目ってホントにいるのか? と尋ねたわけなんだ。
……いや、それじゃ説明不足だな。
オレがいいたいのは、やみくもに捜し回って三人目を捜さなくても、ヒントみたいなことを手がかりにしていけば、おのずと見つかるんじゃねえか、ってことだ」
「ど、どういうこと?」
「つまりだな。
……オレたちがその時間をさかのぼる方法を見つけるとしたら、今のこの時点では存在していない三人目が関係してくるって考えるのがふつうだろ?
つまり街頭インタビューやメール作戦では見つからない三人目に、オレたちはそんなに苦労しなくても今から会えるはずなんじゃねえのか?
……それにだ、前回の時間ループでオレたちが手に入れた情報と、今のオレたちが手にしてる材料に差があるか? ねえだろ?
……っていうよりも、前回でも今回でもオレたちが手にしている手がかりってのは、ほとんどないんだぜ」
「そ、そうね。そうなるわね」
「だろ? ……にも関わらずなんだが、前回の三回目の時間ループで入手した手がかりだけで、前回のオレたちは、今のオレたちよりも先に進んでいた、ってことになるんじゃねえか?」
「……」
「つまり、今のオレたちがあれこれ捜し回る必要なんて、ないんだ。……手がかりは、もう手に入れているんじゃねえか。……オレたちは」
「……と、いうことは、ま、まさか三人目がわかったっていうの?」
「いや。三人目そのものがわかったんじゃない」
「もう、回りくどいわね。いったいなにがいいたいのよ?」
「……つまり三人目の存在の手がかりが浮かんじまったってわけだ」
「……生徒会?」
オレがそう告げるとユナエリは同じ言葉で聞き返してきた。
「そう、生徒会ってのはどうだ?」
オレは大きくうなずいた。
そうなんだ、考えてみればオレは前回の三回目の時間ループのときに、私立鷺鳥高校のおせっかい生徒会長から三人目の存在を教えられたのだ。そのときやつは他校の生徒会と連絡を取り合っていた。
……だから、もしかしたらやつに会えば三人目が誰だかわかる……はずじゃねえのか?
「もちろんその生徒会長が、オレにそんなこといったってことを憶えてるのかどうかわからんけど……。
でも元々駄目もとなんだし、なんらかの手がかりはつかめるんじゃねえのかと思うんだけどな」
そこまでいったときだった。ユナエリは突然オレの襟首をつかみやがった。
……なにすんだよ?
「……あなたって」
「おう?」
「あ、あなたって……ホントにバカ、あきれるくらいバカ、同情の余地もないほどバカ。
……もっと早く気がついてよ」
ユナエリは泣きながら怒っていた。
……どうもこいつは感情が爆発すると怖くても怒ってても涙があふれてくるらしい。
それとな、頼むからせめて地団駄を踏むのだけはやめてくれ。さすがに恥ずかしい。……っていうか、お前の口癖はバカの三段階活用かよ。
とにかく、まあ、そんなわけで、オレはあきれ顔の店員にユナエリのパフェ分まで支払った。そしてユナエリとともに私立鷺鳥高校へと向かったのである。
その後のオレたちは下校する生徒たちの流れに逆らって歩いている。
真横のユナエリはまだ感情が収まらないようで目を真っ赤にしながら鼻をときおりすすっている。
……ただでさえ目立つユナエリを連れていて、その上美貌のこの女の子は涙を拭いているのだ。
だからすれ違う学生たちは必ず振り返った。
きっとオレはこんなかわいい子を泣かせたとんでもない悪い男として、彼らの目に映っているんじゃないかと思う。
……デートしている高校生には見えないかな?
……駄目だろうな。
到着したころは、陽はすでに傾いていた。
オレとユナエリが赤レンガ洋館の私立鷺鳥高校に入ると、もうほとんどの生徒は下校していた。
だから県立烏沼高校の濃紺ブレザーのオレとユナエリが校舎に入っても、それを見咎められることはなかった。
オレは以前のループでこの高校に来ていたこともあるはずなのだが、間取りはさっぱり覚えていない。
だけどユナエリはもうすでに熟知しているようで、渡り廊下を抜けて文化部の部室棟へとどんどん突き進んでいくのだった。
「確か、この突き当たり」
と、ユナエリが指さした場所に行くとそこは確かに鷺鳥高校生徒会室と書かれたドアが見えた。
「飛鳥井速人。ねえ、ちょっと気になることがあるんだけど」
と肩を並べていたユナエリがふいに足を止めた。
額に指をあててなんだか考えこんでいやがった。
「ねえ、三人目がいる、って聞かされたときのことをもっと詳しく知りたいんだけど」
「前にも話しただろ?」
「うん、そうなんだけどなんか引っかかるのよね」
……めんどくせーな。
なにを今更なんだ? とオレは思ったのだが、オレをまっすぐ見上やがるユナエリの視線がかなり真剣だった。
「確か、……この近隣の高校で君以外にあと二人、違う制服で他校の入学式に参加した生徒がいるようだとかだったかな? ま、そんな感じだ」
「……やっぱりやっぱりその話だと、あたしたちのように違う高校の制服で入学式に来てしまった生徒って条件だけ、みたいね?」
ユナエリは考え顔になる。
……こいつはなにがいいたんだ? やっぱりもなにもオレは最初に話したときとまったく同じことしかいってねえぞ。
「ねえ、こうは考えられない? あたしたちが捜していたのはあくまで一年生でしょ? つまり……二、三年生はノーマークなのよ」
ユナエリはいった。
「……なるほどな。確かにその点は見落としていたな。確かにそれだと町中を捜してもメールを送りまくっても見つからないわけになるよな」
「ねえ、そうでしょ? あたしたちあくまで一年生、つまりあたしたちと同じ新入生だけをターゲットに捜していたわけよね?」
「ああ、まあそうなるよな。……って、ことは、オレたちが捜しているのは入学難民じゃないってことになるよな?」
……どうでもいいが、こいつはときどきめちゃくちゃいい笑顔になるな。
「な、なによ? なんか問題ある?」
オレはうーんと考え顔になっちまった。
……いっておくべきだろうな。
「確かにお前がいうのも一理ある。……だがな、ユナエリさん。それはあり得んぞ」
「なにがあり得ないのよ?」
「うん。それなんだが……。上級生たちは、まずもって入学式に参加していない。
各校によって多少の違いはあったけど基本的に二、三年生たちは委員会とか部活とか補習授業とかで来ている一部だけだからだな。
……だから、自分が通っている高校ならいざ知らずだが、まして他校の入学式になんかに参加する上級生なぞ絶対に……いるはずが……はずが……あれ?」
「な、なによ? もったいぶらずにさっさといいなさいよ」
……いや、待てよ?
オレはユナエリの両肩をがっしりとつかんで振り向かせた。
とっさだったのでオレの顔とユナエリの顔は、かなり間近だ。
「え? ……ちょ、ちょっとなに? ……いきなりは、さすがにあたしでもちょっと……心構えとか……、それっぽいシチュエーションとか……初めてだし」
……な、なにいってんだ? 意味わかんねーぞ。
驚いてオレを見つめるユナエリの大きな目にオレが映っていた。
……心なしかユナエリの顔が朱に染まった気がしたんだが、まあ、それはオレの気のせいなんだろうな。
「いる」
「……なにが? ねえ、なにがいるのよ?」
「いや、いるんだ。……たったひとり他校の入学式に参加した上級生が」
オレは無言のまま廊下の奥を指さした。
オレは前回のループで大鷹高校で会ったこの奥にいる生徒会長の言葉を思い出す。
……大鷹高校と鷺鳥高校は伝統的に友好関係があって大鷹高校の生徒会長は鷺鳥高校の卒業式に、鷺鳥高校の生徒会長は大鷹高校の入学式でそれぞれ祝いの言葉を贈るのが通例になっている。
そうなのだ。
この奥にいる私立鷺鳥高校の生徒会長である風祭幸彦だけがオレたち以外に別の高校の入学式に行っているのだ。
「ホントなの? ……と、いうことは三人目の情報をもたらした張本人が第三の人物だったってことなの?」
「ああ。……たぶん、そうなんだろうな」
オレはうなずいた。
よろしければなのですが、評価などしてくださると嬉しいです。