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インダに到着。そして〇ンジーとの出会い

「「「びゃああああああ!」」」


 リューに乗ったポトポト一行はジェットコースターに乗ったみたいな悲鳴を上げている。まあそりゃそうか。安全性一切無視。風も思いっきりぶち当たって来るし。


 こうして飛び立つ前、俺たちは工場敷地内の開けた場所に、出来立てホヤホヤの「タイプ7装甲車」を押し出すと、車内にポルシュの新式銃を満載した。


 なんかリボルバーみたいな回転弾倉の付いたライフルだけど……これがどういうモノかは現地でお披露目らしい。楽しみだ。


 そしてその武器の詰まった装甲車を、古代竜のリューにむんずと掴ませて、背中にポトポトの面々を乗せて、インダへ向かって飛び立つ。


 流石に俺までリューの背中に乗るわけにはいかなかったので、久しぶりに飛行ユニットを背中に付けての自力航行だ。


(ああよかった、このまま倉庫でまた朽ち果てるのかと)


(すまんなナビ。ソデザベスの城はともかく、事務所や工場は狭くて、飛行ユニット付けて入れないから仕方ないだろ?)


(まあ、大体あなたがやったことはログを確認すればわかります。アドバイス無しにもかかわらず、結構やる事やってますね。私が考えていたのよりエグいくらいです)


 そういや、ナビと話すのも久しぶりだな。


 最近は新聞作ったり、工場を回したり、ニセ札売り払ったりで忙しくて、それどころではなかった。意外とアドバイス無しでもなんとか行けたしな。


(ナビさん的には、俺のやったことへの評価は?)


(Cis. ポトポトを保護するという目的を基準において評価するなら、80点ですね)


(おお、結構高いじゃん!)


(100点満点ではありません。400点満点中なので、実質20点ですね)


(ファッキュー!!!)


★★★


 初めて降り立ったインダの印象は、なにこの超絶リゾート地!って感じだった。


 ヤシの木が揺れる、熱帯林の先に、緩い弧を描いた白い砂浜が広がり、その浜に、青い海からやってきた波が白い泡となって砕けて、砂浜に消えている。


 海の色を見る。うへ―すげえキレイ。遠くの海はめちゃくちゃに濃い青だが、こっちに近くなると、緑の混じった浅い青になる。それがまるでなんかの宝石みたいだ。

 すごないこれ?自然ってヤバくね?マジパない。


 イルカと海の絵を延々と描く人の気持ちがちょっとわかるかもしれない。


 生まれたての小鹿みたいになったミリアたちを背中からおろしたリューは、装甲車を木陰まで押して駐車させた。


 一行の様子は……とても海を楽しむという感じでは無いな。うん。

 ちょっと申し訳ない気持ちの方が勝ってしまう。


 これ、泊ってから帰った方が良いな?こっからとんぼ返りで飛んで戻るってなると、古代竜の背中が、ミリアのトラウマになるぞ。


「……想像よりも、ミリアたちに負担をかけてしまったようだ。リュー、数日、インダで休んでからイギニスに戻ろうと思うのだが、良いか?」


「ああ、戻るのは何時でもかまわない。そちらの都合に合わせる。」


「ああそれと、耳を塞いでくれないか?象人たちに、帰ったことを知らせるのでな」


 ……嫌な予感がする。


「……皆の者!耳を塞げ!」


「「ガァァァァァ!!!!」」


 音、というのは振動だ。伝わる速度は文字通り音速。

 なので大きい声、古代竜の咆哮というのは衝撃波ソニックブームを伴う。


 うるせえええええええ!!!そしてビリビリくりゅうううう!!!!


「……終わったか?」


 ロイとミリアにデドリーは、仲良く砂浜に埋まって、両足だけがにょっきと生えている。うむ、どう考えてもやり過ぎだ。


 ポルシュは……何かの防護具を付けている。工場とかで付けるイヤープロテクターか?でも卒倒してるから、意味はなかったんだな。


「ああ。すまん、これの加減が難しくて」


「普通にそれで戦えばよかったのではないか?火球より強いと思うぞ」


「そうなのか?今度試してみるか」


 それはぜひ、俺たちの居ないところで頼みたいね。


 さてしばらくすると、どたどたと十数人の象人がこちらにやって来る。先頭に立っているのは、丸メガネをかけ、白布の袈裟を着た象人だ。


 あとは、山羊と、糸車?なんだろう。何に使うものか、よくわからんな。


 先頭の象人は、お坊さんがするように手と手を合わせ、こちらに謝意を示す。


 俺が見よう見まねでその挨拶を返すと、穏やかで、さながら平和を体現したような物腰の象人は、自身の名を名乗った。


「機人様、お会いできてうれしく思います。私の名は、カンジーと申します」


「……機人だ。この出会いに感謝を、カンジー殿」


 カンジーは砂浜にとめられた装甲車をちらりと見て、俺を見据える。


「機人様は、象人に何をもたらすのでしょう。武器がもたらすのは、破壊と死では」


 むむ、もしかして、ひょっとしてこいつは、面倒くさい平和主義者なのか?

 どうしよう、俺宗教的な話とかできないんだけど?


(ナビさん?こういう場合、どうしたらいい?)

(そうですね、とだけ言って聞き流しておけばいいかと)


 ――だめだ!人の心の無いナビはアテにならん!

 ううむ、クソ、なんかそれっぽい言葉で言いくるめよう。


「機人に問います。復讐は、さらなる復讐を呼び込むのでは?」


 ほう、ありがちな問いだ。ええっと、こうか?


「……『目には目を』という言葉がある。つまり先に両目を潰した者の勝ちだ」


「反撃とは、中途半端な攻撃によって相手が生存した際に発生する。すなわち、強大な攻撃力でもって相手を瞬時に叩き潰すことが大事だ」


(あの、平和主義者相手に何言いだしてるんですかアナタ?気でも狂いましたか?)


 ゲーマーとしての脊髄反射で答えてるので、実は自分でもよくわかっていない。


「ではその狂気染みた破壊が、我々の正義の名で行われたして、死にゆく人々や孤児や浮浪者に対して、イギニスの破壊と、一体何の違いをもたらすのでしょう」


「……破壊は何の価値も意味も生み出しはしない。それは事実だ」


「ではなぜあなたは武器と死の種を作るのです?」


「……悪党に許しを与えるのは、悪党にナイフを突きつけている時だけ成り立つ」


「武器を持たない者が悪党を許す。それは奪われることを認めただけだ」


 カンジーは、最初したように、手と手を合わせ、こちらに謝意を示す。


 俺が見よう見まねでその挨拶を返すと、穏やかで、さながら平和を体現したような物腰の象人は、象人たちに振り返り、このように言葉を紡いだ。



「野郎ども!イギニス人どもをブチ転がして、柱に女王の首を吊るすぞ!!!!」


(なッ――「主義」が裏返るッッですって……?!)

(あるぇー?)

実は原作準拠っていうのが、この話の一番ヤベーところ。

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