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勢いづく生産体制

 神聖オーマ帝国の各地、つまりチョコなんかの構成国で、簡単な部品をつくって、ポトポトやオーマで火縄銃を組み立てる。


 いわゆるノックダウン生産というやつだな。これは予想したよりも簡単に成功してしまった。


 オーマの各地では連弩と言う、火縄銃よりも複雑なものを、先に作っていたからだ。


 職人やその弟子による基礎工業力があったので、彼らが指導して労働者を育成して、パーツをモリモリ作っていった。

 そうなるとこんどは、組み立ての手が足らなくなるといった嬉しい悲鳴があがる。


 作っているのが新しいものとはいえ、しょせんシンプルな単発火縄銃だ。勢いがつくとすごい。


 生産ラインのメドが整うと、うまくいくのぉ?と様子見をしていた連中も、一枚噛もうと動き出す。

 我も我もと立ち上がり、オーマの工業界はにわかに活気づいた。


 新しく神聖オーマの宰相になった人によると、現在の規模感だと、月産1000から最終的に2000を見込んでいるらしい。


 ちなみに、ポルシュの提案した3連発式は、ポトポトで組み立てを行い、訓練を受けた兵が使うようにした。


 流石にド素人に使わせるにはちょっと操作が煩雑だ。

 売ったあと、手で銃身を回してロックする必要があって、それをしないと、最悪の場合、壊れてしまう。


 なにより撃った後、3発も弾を込めるのは大変だからな。


 そういえば前の宰相、確かネコマとか言ったか?その人はムンゴルとの戦争が始まった時期に行方不明になったので、恐らく死んだか、もともとムンゴルのスパイだったのではという事らしい。


 指名手配されているけど。全く情報が無いそうで。ムンゴルの諜報はかなり深部にまで入り込んでるんだな。


 とはいえ浄化も進んでいるそうなので、単発火縄銃は真似されるにしても、3連発式はしばらくは、うちの専売になるだろう。


 俺はたびたび、オーマに出かけては火縄銃の運用についてアドバイスをしているのだが……。

 まったくもって俺が想像もしていなかったことが、じわじわ起きつつある。


「「前へ~ならえ!!」」

 俺がやらせているのは、ほら、よく学校の校庭で、朝礼の時にやってる、あれだ。


 俺は中世を舞台にしたシミュレーションゲーム何かをやってた時、兵士は「ちゃんと並んで」いた。


 現実にはそうではない。

 好き勝手にばらばらと歩き、適当に周りを見て、それっぽい動きをする。

 いわゆるまとまとまりのない、群衆みたいなもんだ。

 何かあると、それにつられて一気に逃げ出してしまう。


 火縄銃の場合、それだと困る。

 列にしてまとまって発砲しないと、精度の関係で、せっかくの威力が発揮できない。


 かといって密集しすぎてもいけない。

 火縄銃の性質上、火の粉が飛んで隣りの銃が暴発なんて事も起きるからだ。

 なので、ちょうどいい距離感で列をつくってもらわないといけない


 どうしたもんかなと思って、俺の知っている人を並べる方法を提案しただけなのだが……


「機人どのは、やはり軍学にも造詣が深いのですな」


 俺をそうヨイショするのはデイツ王だ。最近はワサビを食わせすぎて、顔のシワが戻らなくなりつつあるな。正直すまんかった。


「……基礎の基礎だけだ。あまり頼られても困る」


 小学校の体育って、すごいね?軍隊の行進とかにも使えちゃうんだね。


「まぁー、ヒトブ…人風情では、機人さまの基礎戦術すら、身についていないわけですわ!ホホホ!」


 一応ヒトのまえでヒトブタといわんようにと、ミリアに釘を刺したが、隠せないわ、私のこの純情って感じだな。

 放っておくと、ミリアは暴言のハリケーンになる。おおこわいこわい。


 さて、オーマ以外の各地でも、ぼちぼち火縄銃隊が完成している。

 俺が何か言わなくても、倫理観以外のクオリティに定評のあるオーマの連中は、火縄銃を支援する戦法を編み出し始めている。


 彼らの実戦の機会は、割とすぐに訪れた。


 ムンゴル帝国、やつらがまた、動き出したのだ。

そろそろ真面目なシーンが続いて限界なので、ちかいうちに弾けます。

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